2016明治安田生命J2リーグ 第21節

うまかな・よかなスタジアム
入場者数:9322人
ロアッソ熊本
  • 薗田 淳 (8')
セレッソ大阪
  • 清原 翔平 (13'), ブルーノ メネゲウ (27'), リカルド サントス (35'), 杉本 健勇 (64'), リカルド サントス (90+1')
1-5
1-3 0-2

ロアッソ熊本

GK 30 佐藤 昭大
DF 4 園田 拓也
DF 33 薗田 淳 8' 25'
DF 5 植田 龍仁朗 68'
MF 8 髙柳 一誠 76
MF 14 キム テヨン
MF 2 黒木 晃平 57
MF 22 上原 拓郎
FW 17 岡本 賢明 66
FW 10 清武 功暉 33'
FW 39 嶋田 慎太郎 62'

サブ

GK 21 金井 大樹
DF 3 鈴木 翔登 57
DF 23 藏川 洋平
MF 27 中山 雄登
FW 9 アンデルソン
FW 29 齋藤 恵太 76
FW 36 巻 誠一郎 66
監督 清川 浩行

セレッソ大阪

GK 21 キム ジンヒョン
DF 5 田中 裕介
DF 14 丸橋 祐介 75
DF 15 松田 陸
DF 23 山下 達也
MF 6 ソウザ
MF 18 清原 翔平 13'
MF 41 山口 蛍
FW 9 杉本 健勇 64' 70
FW 10 ブルーノ メネゲウ 27' 83
FW 11 リカルド サントス 35' 90+1'

サブ

GK 27 丹野 研太
DF 4 藤本 康太 75
MF 7 関口 訓充 70
MF 24 山村 和也
FW 19 田代 有三
FW 20 玉田 圭司 83
FW 29 澤上 竜二
監督 大熊 清
試合経過
90+1' リカルド サントス
83' 玉田 圭司 (in) ブルーノ メネゲウ (out)
齋藤 恵太 (in) 髙柳 一誠 (out) 76'
75' 藤本 康太 (in) 丸橋 祐介 (out)
70' 関口 訓充 (in) 杉本 健勇 (out)
植田 龍仁朗 68'
巻 誠一郎 (in) 岡本 賢明 (out) 66'
64' 杉本 健勇
嶋田 慎太郎 62'
鈴木 翔登 (in) 黒木 晃平 (out) 57'
35' リカルド サントス
清武 功暉 33'
27' ブルーノ メネゲウ
薗田 淳 25'
13' 清原 翔平
薗田 淳 8'

シュート数

9 20
    薗田 淳 (8')
    清原 翔平 (13'), ブルーノ メネゲウ (27'), リカルド サントス (35'), 杉本 健勇 (64'), リカルド サントス (90+1')

ゴールキック

16 7

コーナーキック

7 10

直接フリーキック

5 13

間接フリーキック

2 1

オフサイド

2 1

ペナルティキック

0 1

監督コメント

  • 【ハーフタイム】
    ・カウンターに気をつけて無駄なファウルをしないこと
    ・セットプレーでは自分の役割をしっかりしよう
    ・攻守の切り替えを早く、良いポジショニングをとること
  • 【試合後】
    「今日の試合は、熊本の選手・サポーター、セレッソの選手・サポーター、いろいろな思いがあるなかでしたが『全力で戦おう』ということは選手にも言いました。『点が入っても、最後まで点を取りに行く姿勢で戦おう』と。お互いに出し切って、熊本もタイトなスケジュールのなかで最後まで出し切って向かってきました。ともにこの場所で試合ができたことを幸せに思います。これから熊本はさらに過密なスケジュールになりますが、お互いしっかり頑張っていきたいと思います」

    Q:山口蛍選手を先発で起用した意図と、今日の彼の内容をどう感じたか?
    「やはり3カ月以上試合をやっていないので、最初のスピード感では攻守に戸惑いもあったと思う。ただ、経験値が高い選手なので、試合のなかで修正できていた。攻守に能力が高い選手だと思った。昨季、私が何試合か一緒に戦った時よりも、自信を持って顔を出す回数が多かった。こちらが数的優位になったこともあるが、オン・ザ・ボールのところでも自信を持ってボールを扱う様子が少し変わったかなと思う。これからも、攻守の攻の部分でさらに関わること(が大事)。今日も何回かスルーパスを出していたけど、さらに相手にとって嫌なスルーパスが出せると、ボランチとして、セレッソのため、日本のためにもなると思う。メッセージのあるチャレンジするパスを出すことが大事。1試合目としては頑張っていたし、やはり非常に力があるなという印象」

    Q:このスタジアムでの再開初戦。相手も勢いを持って試合に入ることが予想されたなかで、試合前に選手にはどういう声をかけて臨んだのか?
    「熊本の選手たちはいろいろな意味で使命感を持って、この試合に臨んで準備してきたと思う。そういう気持ちで相手はやっていたと思う。我々も、先ほどから言っているように、サッカーで全力を出し切る、と。『終わった後に倒れるくらいの姿を見せよう』と伝えました。サッカーの勝負という意味で、熊本の方々に頑張っている姿勢を見せようと言いました。玉田(圭司)も含めて交代選手も気持ちの入ったプレーを見せてくれました。熊本のタイトなスケジュールもしっかりとリスペクトしたなかで、練習からひたむきに準備して、この試合に臨んだ」

    Q:今節でリーグ戦の前半が終わった。5連勝という良い形で締めくくったが、今感じている手応えと課題は?
    「他のチームを率いた時にも言ったけれど、チームというのは、クラブ力だと。そこをしっかり、セレッソの歴史もきちっと見据えて、地に足をつけて戦っていくことが大切だと思う。それは今年も含めて、つまずいた時にどういうリバウンドメンタリティーをクラブとして発揮できるか。サッカーは苦しい時や負ける時もある。残りの試合も、山あり谷ありのなかで、クラブとして変わるんだと。集団のメンタリティーの結集だと。1人でもサッカーに対して甘い考えがあると、伝染する。サッカーはメンタルのスポーツでもあるので、そこをしっかり我々は乗り越えられるようにしたい。今日の(山口)蛍じゃないけど、試合の中で変わっていけるように。いいモノは積み上げて、認めちゃいけないものは削ぎ落して。強いチームになることが問われている。これからの21試合、しっかりと戦っていきたい」

    Q:早い時間帯に先制点を取られた。今日の熊本のシステムも含めて、どう対応したのか?
    「何試合か分析した中で、(熊本のDFラインが)4枚や5枚もあると。今日は退場があって4-4-1という不本意な形になってしまったと思うけど、コンディションやタイトなスケジュールのなかで、ターンオーバーも使いながら相手の監督も苦労しているのかなと思う。4枚が多いなかで、5連戦の3試合目ということで、苦渋の選択で今日の形になったのかなと見ていた。ただ、守ってしっかりカウンター、セットプレーも含めて非常に脅威だった。ある意味、相手の狙い通りに行かれているなという時間帯もあった。ただ、我々も今までの反省のなかで、よく盛り返した。メンタリティー的にもよく跳ね返した。追加点を取りに行く部分、今日の5点目のような、本当に試合を決めたという点は、これまでの20試合はなかなかできなかった。今日はきちっと守ってカウンターというものが出せたのかなと思う」

選手コメント

  • ●山口蛍選手
    「チームが連勝でここまで来ていたので、それを続けることができて良かった。気候的に少ししんどい部分もあったけど、90分プレーできたことは収穫。できれば失点しないで勝つことができれば良かったけど、逆転して得点も5点取ることができて良かった。ただ、相手が10人になっても、少し自分たちが押し込まれる時間帯もあったので、そこは締めていかないといけない。自分自身、後ろでの組み立てに関しては、1人多い分回せたこともあるけど、もっと周りと合わせないといけない場面もあった。初めての試合にしては、そこまで悪い連係ではなかったと思うけど、練習や試合を積み重ねて合わせていきたい。
    (Q:熊本でのJリーグ再開初戦という状況での試合だったが?)
    たくさんの人に試合を見てもらえたことは良かったですけど、まだまだスタジアムに来る途中の家などを見ても、復興しないといけないところもたくさんあることを見てきたので…。自分たちはサッカーで楽しんでもらうことしかできないですけど、少しでも元気になってもらえればうれしいと思ってプレーしていました。
    (Q:改めて、セレッソのユニフォームを着てサポーターの前での試合となったが?)
    アップの時からサポーターの人にも声をかけてもらったので、自分の胸に来るものもありました。これからもっともっと自分自身のプレーも上げていって、セレッソに貢献できるようにしたいと思います」

    ●山下達也選手
    「前半は相手の勢いもあってバタバタする場面もあったけど、相手が気持ちを高く持ってくるなかで、自分たちもそれ以上の気持ちで挑もうと思っていた。それがいい結果につながって良かった。すぐに同点に追いつけたことは大きかった。前の選手に感謝したい。
    (Q:清武功暉選手とバチバチやり合っていた場面もあったが?)
    そうですね。熊本が、連戦ではなくて、万全の状態ならもっと怖い選手。ただ、今日もいろいろな武器を持った、すごくいい選手だと思いました。お兄ちゃん(清武弘嗣選手)も知っていますしね(笑)」

    ●藤本康太選手
    「ピッチに出る時は、いろいろな思いが頭をよぎりました。(出身地である熊本とは)離れていて、できることは限られていますが、そのなかでも自分にできることと言えばプレーで勇気づけることだと思ったので、そういう思いを持ってプレーしました。今日はアップしている時から、いつもとはまた違いました。熊本の皆さんも、まだ不安の日々が続いていると思いますが、少しずつ復興に向けて歩んでいると思うので、僕もそれに負けないようにJ1昇格に向けて頑張りたいと思います」

    ●玉田圭司選手
    「(Q:5点目は玉田選手が起点となって生まれたが?)
    出場時間が短いなかでも、1ついいプレーができたことは良かった。ただ、その後のクニ(関口訓充)に出したパスは、もう少し優しいパスを出してあげたかったですね(笑)。途中出場は難しい部分もあるけど、そのなかで自分のプレーを1つでも2つでも出せるようにしたいと思います。
    (Q:今日は特別なシチュエーションでの試合となったが?)
    地震に遭われた方々の辛さというのは自分たちにはわからないことも多いと思うけれど、今日こうやって大勢の人たちが試合を見に来てくれたことはうれしかったし、サッカーって楽しいなと少しでも思って帰ってもらうことができれば…と思ってプレーしていました。相手は連戦で、自分たち以上に疲れはあったと思うけど、自分たちはしっかり勝つことだけを考えて試合に臨みました」

    ●清原翔平選手
    「(Q:失点して、その後いい時間帯に追いつくことができたが?)
    そうですね。練習でもああいう場面があって、ボールが来るかなという思いもあったので、いい位置にいることができたと思います。
    (Q:攻撃の連係が以前よりスムーズになっている印象を受けるが?)
    ボランチやトップ、トップ下の選手と、いい距離でつなぐことができる場所を取ることを心がけてプレーした。そこで1つ起点を作って、自分も前に仕掛けることができればいいかなと。試合に出始めた最初の頃に比べると、リカルド(サントス)やブルーノ(メネゲウ)の位置も、だいぶ見なくてもわかるようになってきた。タマさん(玉田圭司)とは紅白戦でも同じチームでやることが多かったので、感覚は合っている。
    (Q:3点目も含め、清原選手がボールを持って前を向く場面も多かったが?)
    こっちが1人多かったということもあるし、前半のうちに試合として仕留めたい思いもあった。前を向いて仕掛けることで、チームの流れを良くしたいと考えていた。ボランチからパスをもらって、前にチャレンジするプレーも増えていると思う。
    (Q:熊本でのJリーグ再開初戦という、特別なシチュエーションだったが?)
    最初の失点は、相手の勢いというか(スタジアムの)空気に押された感じもあった。でも、みんな冷静にその後は対処できた。早く同点に追いつけたことで、バタバタせずに試合を進めることができたと思う」

    ●ブルーノ メネゲウ選手
    「(Q:先制されたが、すぐに追いついて、メネゲウ選手のPKで勝ち越したが?)
    大事なことは、先制された後にチームが前にどんどん出ることができたこと。その姿勢が大事で、その姿勢があったので、得点を重ねることができた。(PKについては)監督からの指示もあって、自分が蹴ることになった。落ち着いて決めることができた。
    (Q:1人多かったとは言え、5点を取ったことはリーグ後半戦に向けてチームとして勢い付くのでは?
    そういうこと(大量得点)は時間が解決してくれると思っていた。その時期が来たということだと思う。ゴールを決めることによって、より自信も増す。次は首位の札幌との対戦。とても大事な試合。来週もいい練習をして、試合に臨みたい。ホームで絶対に勝ちたい」

    ●リカルド サントス選手
    「(Q:3得点に絡む大活躍だったが?)
    先に失点はしたけど、チーム全体として勝利という目的のために集中してサッカーができた。今日は蒸し暑くて体力を消耗したけど、相手が1人減ってできたスペースを、チームとしてもうまく使うことができた。
    (Q:PKの場面は、自分で蹴りたい思いもあったのでは?)
    いえ、そこは監督が決めることなので。ブルーノが蹴ってしっかりと決めてくれたし、自分はその後に(ブルーノから)アシストももらったので(笑)。PKで大事なことは、蹴る人ではなく決めること。味方の応援もしているし、しっかりと成功してくれて良かったと思う」

    ●杉本健勇選手
    「先制点は取られましたけど、チームとして慌てることなく落ち着いて試合を進めることができた。すぐに同点に追いつけたことは大きかったし、リカ(ルド サントス)がPKを取って、相手が退場になった場面は、今日の中で一番大きかったと思います。
    (Q:とは言え、2点リードで迎えた後半も危ない場面はあって、杉本選手の得点で勝利が決定付けられたと思うが?)
    前半3-1でリードしたけど、昨日のJ1を見ても、福岡が1人少ない浦和に逆転された試合もあった。そういうことも頭にあったし、ハーフタイムに『後半も相手より走ろう』ということは話し合った。次の得点が大事になる、ということもチームで共有して、後半に臨んだ。その点を決めることができて良かったです」

試合後記

  • 85日ぶりにロアッソ熊本のホーム「うまかな・よかなスタジアム」で開催された今節。安全上の理由で開放されたのはメインスタンドのみとなったが、9,800人が収容可能となるなか、スタジアムを埋めた観客の数は9,322人。ぎっしり満員。見渡す限りに赤とピンクで埋め尽くされた光景は、まさに壮観の一言だった。試合前から両サポーターが生み出す熱により、スタジアムの空気は完全に“できあがっていた”。

     すばらしい雰囲気に包まれたなかで行われた一戦。セレッソ大阪は、気を付けていたはずの試合の入りで熊本に先制を許してしまう。中盤でのパス交換のミスが発端となって与えたCKから失点。一斉に湧き立つホームベンチと熊本のサポーター席。一瞬、セレッソにとってはこのまま難しい展開になるかと思われたが、ピッチ上の選手たちは冷静だった。

    「前半は相手の勢いもあってバタバタする場面もあったけど、相手が気持ちを高く持ってくるなかで、自分たちもそれ以上の気持ちで挑もうと思っていた」(山下達也)。セレッソは、熱い気持ちを持ちながらも、「チームとして慌てることなく落ち着いて試合を進めることができた」(杉本健勇)。ボールを握って主導権を奪い返すと、13分、今度はこちらのCKからブルーノ メネゲウのキックに杉本が合わせ、最後は清原翔平が押し込んで同点とした。

     さらにセレッソは27分、リカルド サントスが獲得したPKをブルーノ メネゲウが落ち着いて決めて逆転に成功すると、35分にも、この試合がセレッソ復帰戦となった山口蛍のパスを受けた清原が前を向いてドリブル、ブルーノ メネゲウにパスを送ると、ブルーノ メネゲウは2点目のPKのお返しとばかりの優しいラストパスをリカルド サントスに配球。一度はポストに当てながらも、跳ね返りをしっかりとリカルド サントスが決めて、セレッソが1-3と熊本を突き放して前半を終えた。

     後半は、前半のPKを与えたプレーで1人退場となった熊本に対してセレッソがボールを支配すると、64分には、ソウザのパスからブルーノ メネゲウが相手DFを引きつけたなかでのスルーでスペースが生まれ、杉本がしっかりとコースを狙ったすばらしいミドルシュートを決めて、さらにリードを広げた。「点が入っても、最後まで点を取りに行く姿勢で戦おう」(大熊清監督)と意思統一して後半に臨んだセレッソイレブンは最後まで攻撃の手を緩めず、90+1分には、途中出場の玉田圭司の絶妙なスルーパスが起点となり、田中裕介のクロスをリカルド サントスが合わせて5点目を奪った。

     2点リードで迎えた後半最初の時間帯であわや失点のピンチを作ったことは反省材料だが、後半は熊本のシュートをわずか2本に抑える試合運びでセレッソが1-5で熊本を下した。途中出場でセンターバックに入り、試合を締める役割を果たした熊本県出身の藤本康太は、神妙な面持ちで試合を振り返った。「ピッチに出る時は、いろいろな思いが頭をよぎりました。熊本の皆さんも、まだ不安の日々が続いていると思いますが、少しずつ復興に向けて歩んでいると思うので、僕もそれに負けないようにJ1昇格に向けて頑張りたいと思います」。

     実際、キックオフの約1時間前にも、熊本県では震度3の地震があった。まだまだ復興は道半ば。それでも、この日のスタジアムには未来への希望が確かに感じられた。試合後は、熊本の選手がセレッソサポーター席へ挨拶に向かうと、「ロアッソ熊本」コールが響き渡り、セレッソの選手が熊本サポーター席へ挨拶に向かうと、熊本サポーターからは「セレッソ大阪」コールが送られた。試合中は判定を巡って騒然となる場面もあったが、試合が終わればノーサイド。互いの健闘を称えあう光景は清々しく、感動的でもあった。「サッカーが日常にある喜び」に包まれた一戦は、「サッカー、そしてJリーグの絆」を確かめ合う愛に満ちていた。

     そんな「特別な一戦」で今季最多の5得点を奪って、今季初の5連勝を達成したセレッソは、最高の形でJ2リーグ前半戦を締めくくった。次節は首位・北海道コンサドーレ札幌との大一番。勝点2差で追うセレッソとしては、ホームで必勝を期して臨む一戦となる。

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