5/10 広島戦 Pick Up Player【名和咲香選手】
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昨年12月、皇后杯準決勝で行われたサンフレッチェ広島レジーナ戦は、前半に3失点も後半の2得点で追い上げたが、あと一歩及ばず敗戦。全員が悔しさを噛みしめた試合になったが、中でも「今でもずっと覚えています」と、この試合で苦渋を味わった選手がGK名和咲香。開始12分、李誠雅にクロス性のシュートをニアに決められ先制を許すと、20分には自陣右サイドを中嶋淑乃に突破され、クロスから上野真実や小川愛のヘディングは防いだが、中嶋に押し込まれて2失点目。さらに33分、藤生菜摘のミドルシュートで3失点目。試合の流れを持っていかれた3失点について、「全て自分の準備不足」と振り返る。翌週のリーグ戦、第14節・INAC神戸レオネッサ戦で先発を外れると、以降もスタメンは山下莉奈が続いた。クラシエカップのグループステージ第3節と第6節では先発するも、いずれも敗戦。「悔しい思い」をし続けてきた。チームでのそうした状況も受け、4月に行われたAFC U20女子アジアカップのU-20日本女子代表にも一度は落選。「試合に出ていないから仕方ない」と受け止めた。その後、追加招集で呼ばれて優勝を経験したが、自身は1試合も出場できず、ベンチから優勝を見届けた。大会を振り返って、「優勝したことは嬉しかったですが、個人的には試合に出ていないですし、同世代が活躍していた姿は刺激を受けると同時に悔しい思いもありました」と率直な胸の内を明かす。それでも、正守護神・岩崎有波のプレーについて、「決定的なピンチで何本も止めたり、チームの最年長として、キャプテンとして、プレーでも背中でも声でも引っ張ってくれて頼もしかったです」と肌で感じたライバルの凄みを素直な言葉で表現。「出ていないからこそ学ぶこともあったし、チーム全体で戦うことが、厳しい展開でも勝ちにつながることを学べました」と多くの糧を得た大会にもなった。前節のジェフ千葉レディース戦は、そうしたU-20女子日本代表での活動からチームに復帰後、自身としては初の先発であり、出場となった。前に進むためにも勝利で終えたかった中、強風が吹く難しいピッチコンディションにも負けず、クロス対応を含めて無失点で守り切り、1-0での勝利に貢献。新たな一歩を踏み出した。
175センチの長身を生かしたダイナミックなセーブとキックの飛距離に特長があるスケールの大きなGK。将来を嘱望されつつ、昨シーズンはカップ戦のみの出場に留まったが、今シーズンは第6節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦でリーグ戦デビューを飾ると、以降もコンスタントにリーグ戦で出場し続けた。それでも、前述した苦しい時期もあり、「悔しいことの方が多かった。試合に出ても、負けたり失点したらもちろん悔しいですし、勝った試合でも内容に満足できた試合は少なかったです」と今季を振り返る。そうした名和の性格について、「誰より負けず嫌い。向上心や意識が高い」と証言するのはGKとして切磋琢磨している石田心菜。そんなGK陣全体について名和は、「レベルが高くて楽しいです。他の3人とも上手くて色んなところで学ぶことは多かった。自分が出ている試合でも声掛けしてくれるし、頼りになるカッコいい先輩たちです」と笑顔を見せる。中でも今季ここまで正守護神の座を争ってきた山下が今シーズン限りで現役を引退することが8日に発表された。育成組織TOP可選手として登録された2024年の2月、高校2年生の頃から追いかけてきた背中。「プレーも堂々としていて、大きな背中でした。自分が苦手なハイボールやセットプレーの守備範囲も広く、背後へのボールに対しても出ていけるから安心感がありました」と話す。その背中とともに戦う試合もあと2つ。ここからは、「セレッソ大阪ヤンマーレディースのGKは名和咲香、とみんなに思ってもらえる選手になりたい」と自身が大きな背中を越えていかなければならない。リベンジを期す広島戦、先輩・山下の引退。発奮する材料は揃っている今節。ただし、「力を入れ過ぎても実力以上のモノは出ない」とあくまで気負うことなく、「目の前のことに対して準備を大切に」等身大の構えで挑む。