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4大会ぶりの皇后杯ベスト4進出。WE参入後、サンフレッチェ広島レジーナから初勝利をもぎ取り、国立競技場で行われる元日決勝へ向かう
朝日インテック・ラブリッジ名古屋との皇后杯準々決勝に1-0で勝利し、準決勝進出を果たしたセレッソ大阪ヤンマーレディース。ベスト4の相手はサンフレッチェ広島レジーナ。舞台はサンガスタジアムby KYOCERA。いよいよタイトルまであと2つ。WE参入後、未勝利の広島に勝って勢いを加速させ、国立競技場で行われる元日決勝へ向かいたい。
セレッソにとって4大会ぶりとなるベスト4進出。前回の第43回大会(2021年11月27日~2022年2月27日)はまだWEに参入する前、なでしこリーグ1部に所属し、チーム名もセレッソ大阪堺レディースだった。この大会でセレッソは、4回戦でノジマステラ神奈川相模原、準々決勝ではアルビレックス新潟レディースとWEリーグ勢を立て続けに撃破。迎えた準決勝では三菱重工浦和レッズレディースと対戦。GK山下莉奈がPKを止めるなど懸命に戦ったが、奮闘及ばずシュート数は1対19と圧倒され、0-1で敗戦。当時、高校1年生ながらスタメンとして勝ち上がりに貢献した白垣うのは、「前回は準決勝で負けて悔しい思いをしたので、今度こそ勝って決勝に行きたいです!」と闘志を漲らせる。また、この大会では左サイドバックとしてプレーしていた百濃実結香。「あのときは勢いで勝ち上がったのですが、準決勝の浦和戦はずっと攻められていました。自分たちがボールを握る時間も少なく、自分もできることは少なかったですが、あのときよりはできることも増えています。チームとしてもそうですし、自分としても、4年間、積み上げてきたモノを出したい。怖がらずに受けたがって、ボールに関わりたい気持ちをプレーで表現したいです」と成長をピッチに刻む。広島との対戦に向けては、「相手はいいイメージで向かってくると思うけど、逆に難しさもあると思うので、とにかく私たちはチャレンジャーとして、今までやってきたことを積極的にぶつけたい。内容もそうですが、とにかく勝ちにこだわって、絶対に勝ちたい気持ちが強いです」。京都府出身の百濃としては、今回は地元での試合。「いつもより見に来てくれる人も多い。そうした舞台で自分のプレーを出すこともそうですし、何より勝って、チームみんなで喜んでいる姿を届けたいです」。周囲からの応援もエネルギーに変えて挑む。
2025/26 SOMPO WEリーグ第8節で行われた広島との前回対戦は、セレッソにとって今季のターニングポイントとなる一戦だった。4連敗で迎えたこの試合からシステムを4バックに変更、後半途中からは宝田沙織をボランチに下げて、チームの安定を図った。「そこからはボールを収めることができて、攻める時間も増えた印象」と宝田も前回の広島戦を振り返る。試合こそ0-1で敗れたが、今後に向けた光明を見出して終えると、続く第9節のRB大宮アルディージャWOMEN戦に2-1で勝利。連敗を5で止め、6試合ぶりの勝利を飾ると、この試合から直近の名古屋戦まで公式戦10試合で8勝2敗。ハイペースで白星を重ねている。「攻撃のパワーや人数のかけ方は(広島との)前回対戦時より上がっている」(宝田)ことは確かであり、この間の積み上げについては中谷莉奈も、「それぞれの選手が人の流れを作ってゴールに向かう攻撃、声を掛け合って連動して守る守備、攻守両面で成長していることは実感しています」と話す。そうしたチーム全体での機能性を発揮していきたい試合であると同時に、前線、中盤、最終ライン、中央、サイドと、それぞれのエリアで勃発する1対1の戦いで負けないことも勝負を分けるポイントになる。「マッチアップする目の前の相手に負けないことはこだわって戦いたい」(脇阪麗奈)。試合の流れとしては、ここまでの皇后杯3試合を振り返ると、広島はいずれも前半の早い時間帯で先制し、試合を優位に運び、後半は相手に押されながらも逃げ切る試合が多い。セレッソとしては、まず立ち上がりの15分、20分、勢い良く前に出てくるであろう広島の圧に飲み込まれないことが重要だ。一方で、広島は昨シーズンに比べて失点も多い。セレッソとしても粘り強く戦い、失点を防ぐとともに、恐れずボールを動かし、受けに回らず立ち向かっていけば、得点のチャンスは必ず訪れる。「チャレンジャーとして挑む方が燃える。積み上げてきたモノがチームとしても個人としてもある。相手が嫌がるプレーを出し続けてゴールに向かっていきたい」と浅山茉緩。田子夏海、新井萌禾、和田麻希ら前線の選手と力を合わせ、果敢にスペースを突いて、ネットを揺らしたい。
「WEに入って広島に勝ったことがない(悔しい)思いも力に変えて、相手より走って、とにかく勝ちたい。全員で国立での決勝に行きたいです」とはキャプテンの脇阪。率いる松田岳夫監督も、「相手と戦うにあたっては、プレー面と同様メンタル面も重要な要素。そのメンタルを高める上で、ファン・サポーターの応援は非常に大きい。今回の準決勝も一緒に戦っていただきたいです」とサポーターに共闘を呼び掛けた。“打倒・広島”の機は熟した。国立での元日決勝に進むのは、セレッソ大阪ヤンマーレディースだ。
試合前日コメント
松田 岳夫監督
Q:皇后杯準々決勝の試合後は、「残り2試合に向けたメンタルの持っていき方」の話もありましたが、準決勝・サンフレッチェ広島レジーナ戦へ向けた状態はいかがですか?
「プレー的なこともそうですが、メンタル面で、『この試合に絶対に勝つ』という気持ちが濃いか薄いかで全く変わります。このチームは勝つことにもっと執着していい。決勝に行けたら色んなことが次に待っている。『そこへ絶対に行きたい』という強い気持ちを持たせるために、『決勝も含めて意識して』という話をしましたが、まだ弱い。もっと勝ちにこだわって欲しい。強さというのは、プレーだけではなく、気持ちの部分が一番大事なので、そこはもっともっと要求して試合に臨みたいです」
Q:まさに広島戦は、目の前の相手に負けない対人の勝負が試合全体の結果にも関わっていきそうだが?
「もちろん、個々の戦いも大事ですし、チームとしてどれだけいい距離感を持てるかも大事。個々で相手を上回ることができればいいですが、なかなかそうできないなら、どれだけチーム全体で、一人一人の距離感で、関わり方を密にできるかは大事な要素。怖がらずに自信を持ってボールを動かせるかもポイントになります。その中で、一歩の出だしで迷わずプレーできれば、いい勝負ができると思います」
Q:グループで戦う部分については、広島との前回対戦時から成長も見られるのでは?
「やれることは少しずつ増えてきました。前回、広島と対戦した時と、(自分たちの)メンバーや組み合わせはだいぶ変わっています。ウチのストロングポイントを要所、要所で発揮できれば面白い展開になると思っています」
Q:サンガスタジアムby KYOCERAに集うサポーターへメッセージをお願いします
「いま5連勝していますが、ホームはもちろん、この前の試合(宇都宮)にも多くのサポーターに来ていただいて、そのパワーはすごいなと実感してます。相手と戦うにあたっては、プレー面と同様メンタル面も重要な要素。そのメンタルを高める上で、ファン・サポーターの応援は非常に大きいです。今回の準決勝も一緒に戦っていただきたいです。いい結果を出して、全員で喜んで、決勝へ向けてまた力を合わせていければいいなと思っているので、ぜひ一緒に戦って下さい」
新井 萌禾選手
Q:緊張やワクワク感など色々な気持ちがあると思いますが、皇后杯準決勝・広島戦へ向けた心境はいかがですか?
「(タイトルまで)あと2試合というところまで来ているので、日を重ねるごとに気持ちは上がっています。試合に向けて全集中できるように、オフの部分からしっかりやっています。皇后杯は注目されている舞台なので楽しみですし、勝って国立に帰りたいです」
Q:広島の印象と、そうした相手を崩して勝つイメージは?
「個々の技術が高く、組織的にもレベルの高いチームだと思います。ただ、チャレンジャーの方が気持ちを強く持てる。まずは気持ちで負けてはいけない。試合に入る前から『無理だろう』という気持ちで入ったら絶対に勝てない。自分自身、一つ一つの局面でチャレンジすることで、周りの選手にも刺激を与えることができると思うし、そうすれば周りの選手も積極的なプレーが出てきて、それがチームの連動性にもなっていく。まず自分がその最初になりたい。守備ではファーストディフェンダーになって、攻撃でも『前を向いたらゴールを見よう、シュートを打とう』という意識は強くなっているので、どんどんボールを受けて、積極性を出していきたいです」
Q:サンガスタジアムby KYOCERAに集うサポーターへメッセージをお願いします
「リーグ戦とはまた違う1発勝負のトーナメントでしか見られない試合でもあるので、ぜひスタジアムで応援していただけると嬉しいです。止まってしまう足も、声援の力で後押しされて、最後まで走れます。最後まで諦めない姿勢を出して、感動や勇気を与えられるようなプレーをして、絶対に勝って決勝に進んでタイトルを獲れるように頑張るので、応援よろしくお願いします!」