11/9 EL埼玉戦 Match Preview
- 11/9 EL埼玉戦
- メディア
攻撃的な姿勢を前面に出し、リーグ戦での連敗を止めるとともに公式戦ホーム4連勝を目指す
リーグ後半戦の初戦となった前節、日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームに戻り、ちふれASエルフェン埼玉との2025/26 SOMPO WEリーグ第13節に挑む。
昨シーズンのWEリーグ王者のホームに乗り込んだ前節は、前半はある程度、守備的に戦い、無失点で試合を進めていきながら、後半に入って浅山茉緩、和田麻希と攻撃的な選手を立て続けに投入。「相手の背後を目指す、ボールを追い越す」(松田岳夫監督)パワーを一段上げることで先制に成功。「90分をトータルで考えて、戦略的に戦いたい」と試合前に指揮官が話していたイメージがピッチで具現化されつつあった。ただし、オフサイドで2点目のチャンスを逃すと、81分にPKから同点に追い付かれ、後半アディショナルタイムにはCKから2失点目。「得点を取れるチャンスがあった分、そこで取りたかったですし、(取れなかったなら)もっと守備は警戒しないといけないところで失点してしまった。リスク管理や予測が足りていなかったと思います」と白垣うのが振り返ったように、攻守両面で詰めの甘さを露呈し、無念の逆転負けを喫した。今節に向けた囲み取材の中で、前節について松田監督は、「確かに惜しいゲームかも知れないけど、トータルで考えても、結果を見ても、あれが我々の力。もちろん、勝てれば良かったですが、まだまだそこまでの力がない。惜しい、で終わらせるのではなく、まだまだ足りないところがあると、再認識する必要があるゲームでした」と試合を総括。今節に向けたミーティングでも、「(守備で)あと一歩、踏み込む」重要性、「(攻撃で)あと1メートル、相手と間合いを取る」必要性を選手たちに訴えた。なでしこジャパンを経験してチームに戻ってきた白垣も、「あの時間帯で2失点したことは、チーム全体の守備として見直さないといけない」と自らを厳しく見つめた。WEリーグ参入後、最も東京NBを追い詰めた手応えは残りつつ、勝ち切るための課題も受け止めて、今後の戦いにつなげていきたい。
前節からリーグ戦の二巡目がスタートしているが、EL埼玉とは前半戦では第2節で対戦。一進一退の攻防の中から試合終盤は相手のセットプレーやミドルシュートで連続してピンチも迎えたが、GK山下莉奈がビッグセーブを連発。スコアレスドローで勝点1を獲得した。EL埼玉の樋口靖洋監督とは同学年の松田監督。「毎年、年末に昭和36年会という集まりをやっています(笑)。ここ最近、参加できないこともありますが、交流はあります。よくサッカーの話もしますが、『こういうサッカーをしたい』という感覚的な部分は近いです」と話すように、互いにしっかりとボールをつなぎながらゴールを目指すという部分で、似たサッカー観を持っている。その一方で、「(EL埼玉の)最近のゲームを見ると、縦に速い。(縦に速く攻めてくる分)ゴールに近づいてくる回数は多くなると思う」と松田監督はスタイルの変化にも言及する。EL埼玉の印象について、「5番の選手(瀬戸口梢)が中心となってボールを散らしてくるイメージ。そこから背後へのボールの精度が高い」と述べたのは中西ふう。「(白垣)うのと(四本)帆夏が前に強いので、2人が行ったあとのカバー、こぼれ球を拾う意識は持ちたいと思います」と話す。また、やはり今節もカギになるのはセットプレーとミドルシュート。簡単に相手にセットプレーを与えないこと、セットプレーのこぼれ球に対する寄せも徹底したい。昨シーズン、中西はWE初ゴールをEL埼玉から奪った。試合には負けてしまっただけに、「(今度は)勝てるゴールを決めたい」と攻撃参加にも意欲を示す。セレッソとしては、相手の出方いかんに関わらず、今節は攻守に主導権を握ったサッカーを目指す。「どうやって相手を崩すか。どれだけ高い位置でボールを奪えるか。(積極的に)先制点を目指していきたい」と松田監督。前節は右のサイドハーフで途中出場し、自身もゴールに迫った和田は、「サイドでも『中で受けて自由にやっていい』と松田さんに言われて入りました。求められていることは仕掛けだと思ったので、積極的に仕掛けることを心掛けました」と前節を振り返る。今節もプレーするポジションに関わらず、ゴールに向かう積極的な姿勢を強く持って挑む。
ここからは皇后杯にクラシエカップと、カップ戦も並行しての戦いとなるが、リーグ戦としては残り10試合。「より上を目指すなら、勝ち星を先行していかないといけない」と松田監督。現在、ホームでは公式戦3連勝中。「ファン・サポーターの応援は確実に選手にも届いています。(対戦相手など)巡り合わせもありますが、その応援のおかげでホームでは強さを発揮できていると思います」(松田監督)。今節もサポーターの声援も力に変えて、リーグ後半戦の初勝利、ホームでの公式戦4連勝を目指す。
試合前日コメント
松田 岳夫監督
Q:前半から点を取りにいくメッセージが込められた練習や紅白戦に見えたが?
「はい。前節は自分たちが優位に立てないゲームと想像できたので、より1試合を通して戦略的に戦う部分が求められましたが、本来は自分たちが攻撃的にサッカーをしたい。今節はそこにこだわって戦いたいです。どうやって相手を崩すか。どれだけ高い位置でボールを奪えるか。大事なポイントになります。(積極的に)先制点を目指していきたいと思います」
Q:カップ戦での勝利は挟みましたが、リーグ戦では連敗中。勝利が欲しい一戦になるが?
「ここからはカップ戦や皇后杯も入りますが、リーグ戦を考えると、残り10試合しかありません。より上を目指すなら、勝ち星を先行していかないといけない。もう一度、気を引き締めて臨みます。ファン・サポーターの応援は確実に選手にも届いています。(対戦相手など)巡り合わせもありますが、その応援のおかげでホームでは強さを発揮できていると思います。今節もサポーターの応援を背に戦い、勝利を掴みたいと思っています」
Q:ちふれASエルフェン埼玉について
「どっちかというと、ボールを動かそう、というコンセプトでチーム作りをしてきたと思いますが、なかなかそれをうまく表現できず、ここ最近のゲームを見ていると、縦に速い。ただし、(縦に速く攻めてくる分)ゴールに近づいてくる回数は多くなると思うし、油断なんてしている余裕はありません。注意して、相手のやることを一つ一つ潰していく。それに尽きると思います」
Q:EL埼玉の樋口靖洋監督とは同学年ですが、親交はありますか?
「毎年、年末に昭和36年会という集まりをやっています(笑)。ここ最近、参加できないこともありますが、交流はあります。よくサッカーの話もしますが、『こういうサッカーをしたい』という感覚的な部分は近いです」
Q:昨シーズン、EL埼玉は樋口監督が就任して、サッカーが大きく変わった印象です
「彼のサッカー観や指導力を僕はすごく認めています。実際、前半戦にちふれと試合をした時も、『いいサッカーをするな』と思いました。これからもっと変貌する可能性もあるチームです。何かのきっかけで、すごく向上する可能性のあるチームです。でも、応援している場合ではないので(笑)、今の内にしっかり叩きたいと思います」
Q:前節は惜しいゲームと言いますか、途中まではいい試合をしながら終盤の2失点で敗戦。ミーティングで選手に伝えたことは?
「確かに惜しいゲームかも知れないけど、トータルで考えても、結果を見ても、あれが我々の力。もちろん、勝てれば良かったですが、まだまだそこまでの力がない。惜しい、で終わらせるのではなく、まだまだ足りないところがあると、再認識する必要があるゲームでした。ちょっとの差かも知れないけど、あと一歩、踏み込んでいれば、相手からボールを取れるとか、あと1メートル、相手と間合いを取れば、自分たちのプレーができるとか、あと少しがウチとベレーザでは大きく違う。その違いに気付いて、その違いを埋めていかないと、ああいうゲームで勝ち切ることはできない。その違いは、今回のミーティングでも伝えました。まず気付くことが大事。今までの発想より、もう一段階、踏み込んだところに行けたことがプラス材料なのかなと思います」
白垣 うの選手
Q:前節を振り返って
「前から奪いに行って、そこから得点につなげることができたことは良かったです。ただ、あの時間帯で2失点したことは、チーム全体の守備として見直さないといけない。チャレンジとカバーをもっと徹底すること。基本のところをもっとしっかりやらないといけないという課題が残りました」
Q:今節に向けて
「前節のベレーザ戦は負けてしまったのですが、チームとしていい部分もたくさんありました。良かったところは継続して、ホームで必ず勝ちたいと思います!」