11/2 東京NB戦 Pick Up Player【四本帆夏選手】
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今シーズンの前半戦、最大のサプライズが、セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18所属の高校1年生ながら、育成組織TOP可選手としてWEリーグに出場し、クラブのWEリーグ最年少出場記録を更新した四本帆夏の存在だ。屈強な体と冷静なフィードを併せ持つセンターバックは、第7節・アルビレックス新潟レディース戦の後半途中から出場してWEデビューを飾ると、第8節・サンフレッチェ広島レジーナ戦からはリーグ戦4試合連続で先発を果たしている。「心掛けていることはフィジカルコンタクトで負けないようにする部分と、ロングボールの対応や1対1では、これまでは追い付けていたところで追い付けなかったり、届いていたところで届かなかったりするので、相手より先に動いたり、しっかり予測して守ること」(四本)と話すが、毎試合、各チームのエースストライカーともバチバチに渡り合う姿が印象的だ。そのプレーぶりは、普段から愛情を持ちながらも厳しい目で選手を見ている松田岳夫監督をして、「帆夏の成長度合いは凄い。今や彼女が仕切っているディフェンスラインになっています」と言わしめるほど。「元々、持っている力と、経験を重ねることで自信にもつながっていると思う。どこまで成長するのかワクワクする選手」と指揮官の賛辞は止まらない。今節に向けても、「相手を恐れて自分のプレーを出せないよりは、まず思い切りぶつかって、何が通用して何が通用しないのか、分かることも大事」(松田監督)とチャレンジする重要性を説く。まさに一戦一戦が吸収する場であり、全ての経験を血肉に変えて、成長につなげている。
中学3年生だった今年の1月には、JFA第28回全日本U-18女子サッカー選手権大会の準決勝で、日テレ・東京ヴェルディメニーナと対戦し、1-3で敗れた。「受け身になって、主導権を握られました」と苦々しい表情でこの試合を振り返るが、そこからわずか10ヶ月で、今度はWEを舞台にベレーザと戦う。急激な環境の変化を自身ではどう感じているのか。「自分では成長できているか分からないですが…」と前置きしつつ、「高いレベルの中でやらせてもらって、毎日が初めての連続。皆さん技術も高いですし、スピード感も全く違う。自分に足りないモノも目立って、厳しい言葉をもらうこともありますが、色んなことを吸収できている実感はあります」と目を輝かせる。今節に向けても、「負け続けるわけにはいかない」とトップチームで戦う初めてのベレーザ戦に闘志を燃やす。チームで午前練習を終えた後は、制服に着替えて高校へ向かう16歳。「好きな学科は体育。苦手な学科は全般です(笑)」と、いたずらっぽく笑う。好きな歌手や食べ物の話になると、あどけない表情に変わる高校1年生だが、いざピッチに入ると、その振る舞いは実に堂々としている。CBでコンビを組む白垣うのも、「落ち着いているし、頼もしい」と4学年下の後輩に言及。「2人で勢いを出して、相手に怖がられるぐらいの迫力で守りたいです」(白垣)とイメージする。
四本自身、「うのさんが隣にいるだけで変われます」と笑顔を見せる。「頼ってばかりではダメですが、いつも頼らせてもらっています。自分がミスした時も、『次はこうやってみよう』とか、一つ一つのプレーに声をかけてくれます。近くで、なでしこジャパンに選ばれた選手がいることは自分も嬉しいですし、一歩でも近づけるように吸収したいと思っています」。百戦錬磨の指揮官と理解あるチームメイトに恵まれ、日々、進化を続けるティーンエイジャー。昨シーズンのWEリーグ王者が相手となる今節は、試練の舞台であり、さらなる飛躍を遂げるチャンスでもある。現状の持てる力を存分に発揮し、価値ある勝利を目指す。