10/18 浦和戦 Pick Up Player【名和咲香選手】
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新体制となった今シーズンは全てのポジションで横一線の競争からスタートしたが、それはGKも同様。WE参入から2シーズン、リーグ戦全試合出場を続けてきた山下莉奈は今季も開幕から第5節まで先発フル出場を続けたが、第6節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦でゴールを守ったのは高卒1年目の名和咲香。昨シーズンもカップ戦で4試合、皇后杯では1試合、先発の機会はあったが、リーグ戦では初。第8節からは3試合連続でスタメンを果たし、直近の連勝にも貢献した。守護神の座を掴みつつある現状だが、今節に向けた意気込みの第一声は、「試合に出られるように頑張ります!」。WE屈指の選手層を誇るGK陣の争いに勝つこと。毎試合、そこが試合に向けた始まりとなっている。
175センチの長身を生かしたダイナミックなセーブとキックの飛距離に特長があるスケールの大きなGK。中学生時代からセレッソのアカデミーで育ち、高校1年生で迎えた日本クラブユース女子サッカー大会では、谷川萌々子や古賀塔子を擁するJFAアカデミー福島との決勝戦で活躍して優勝に貢献。MVPを獲得した実績もある。冬の全日本U-18女子サッカー選手権大会でも中学3年生と高校2年生で優勝を経験。前者の決勝の相手は三菱重工浦和レッズレディースユースで、2-1で勝利した。後者の決勝の相手は日テレ・東京ヴェルディメニーナ。眞城美春らを擁する相手に押されながらもビッグセーブを連発し、1-0での勝利に貢献。優勝の原動力になった。こうした実績を振り返っても世代トップのGKであることは疑いようがなく、将来が楽しみな選手だ。「足りないのは経験。経験することで、より大きな存在になっていける。それが今、この時期だと思っています。もちろん将来性があるからオッケーではなくて、当然、パフォーマンスが重要」とは松田岳夫監督。伸びシロも含めたポテンシャルを評価されつつ、1試合1試合のパフォーマンスもシビアに見られているだけに、名和としては1試合たりとも気が抜けない。試合になれば、セーブだけではなく、ハイボールの処理や背後への飛び出しなど判断力が求められるシーンも出てくる。やはり実際の公式戦、「試合に出ることでしか学べない」(名和)ことは多く、全てのシチュエーションが、成長の糧になっている。
サッカーを始めた小学生時代は攻撃的な位置など様々なポジションでプレーしたが、「U-10のフットサルの大会で、GKがいなくて全員で回した時に一番上手かった(笑)」(名和)という理由でGKに専念し始めた。「1対1でも怖がらずに突っ込んで止めた瞬間、『おぉ!』ってなって楽しかった(笑)」と当時を振り返る。小学生時代のチーム、高槻北大冠ZELCOVA FCでは田子夏海とチームメイトだった。今シーズン加入した新井萌禾も含め、仲の良い同学年トリオは3者3様に個性的だが、名和も良い意味で一風変わったキャラクターの持ち主。子どもの頃にやっていて良かったことは、「父との釣り」を挙げるが、その理由は、「色んな生き物に触れるから(笑)。魚以外にも川には虫がいっぱいいる」と“虫好き”な一面もある。今シーズンも、ユニフォームの背中は「NAWASAKO」とフルネーム表記。「フルネームの方が覚えてもらいやすいと思った。『こいつフルネームやん!』って、みんなに見てもらえるかな?って(笑)」。WE参入後、初の浦和撃破を目指す今節。GKとしては活躍の場が少ないに越したことはないが、名和咲香という名を広く知らしめる活躍に期待したい。