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10/12 千葉L戦 Pick Up Player【田中智子選手】

  • 10/12 千葉L戦
  • メディア


6試合ぶりの勝利を掴んだ前節。先制点の流れを呼び込んだのは、右サイドだった。百濃実結香のゴールにつながるクロスを上げた中西ふうは話す。「トモ(田中智子)が中でポジショニングよく取ってくれたので、クロスを上げる位置まで入りやすかった」。中よりにポジションを取り、起点を作りながら周りを生かすプレーを見せた田中も話す。「ふうちゃんがサイドを取ってくれたので、その一つ中のポジションを取りやすくて、自分の出したいプレーが少しは出せました」。まさに両者の思いが一致し、スムーズな連係で攻撃に流れを作った。
 
この試合では、宝田沙織がボランチ、浅山茉緩が2トップの一角に入るなど、選手の配置に変化も見られた中、直近2シーズンは2トップをメインにプレーしていた田中のポジションも右サイドハーフに移行。中盤でのプレー経験はあるだけに、“コンバート”とまでは言えないが、「ほぼサイドは初めて」の田中にとって、一つのチャレンジではあった。松田岳夫監督は田中について、「真ん中にいる時も、中間ポジション、相手のボランチとセンターバックの間にポジションを取って、ボールの出し入れをするのが上手な選手」と評し、サイドでの起用の狙いについては、「サイドから中に入って、ハーフスペースでそれをやってくれる。FWでプレーしていた時より、相手とボールを同時に見ながら関わっていける分、その良さも発揮しやすい」と表現。プレースタイルを踏まえ、FWから1列下げた位置で、その能力を引き出すことを試みた。元々、「アシストやパスがうまく通った時の方が気持ちいい。相手を見ながら駆け引きをするのが好き。ゴール前でイメージ通りに崩せたら楽しい」(田中)と話すチャンスメーカーの側面もあるだけに、スムーズにフィット。右サイドのニアゾーンに走り込む脇阪麗奈にパスを出してチャンスにつなげたシーンでも、視野の広さ、パサーとしての良さが出ていた。何度かサイドを突破された守備は自身も課題に挙げるが、元々ハードワークもできる選手であり、泥臭く戦える強みもある。山口千尋のいるジェフ千葉レディースの左サイドに対し、どちらが主導権を握るかはポイントになるだけに、今節も中西との右サイドは注目だ。
 
チーム内では後輩も増え、気付けば上から4番目の代になったが、天真爛漫でマイペースなキャラクターは変わらない。いつも誰かと戯れている末っ子気質な性格だが、責任感も少しずつ増しており、独特な陽の空気でチームを明るく包む。今シーズンは2学年上の宝田が復帰し、ピッチ外も含めて呼吸はピッタリ。「(宝田は)ちょっとしたことですが、パスの位置やスピードも考えながら出してくれます。ありがたいですし、やっぱり上手です(笑)」(田中)と久しぶりの共闘に声を弾ませる。前節は2人が起点となった攻撃がいくつも見られた。今シーズン初の連勝を目指す今節。両者の連係にも期待したい。

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