10/12 千葉L戦 Match Preview
- 10/12 千葉L戦
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ホーム連戦で連勝を目指す今節。攻守にアグレッシブな姿勢を継続し、ゴールネットを揺らしていきたい
2-1で勝利した前節・RB大宮アルディージャWOMEN戦から中6日。ホーム連戦となる今節。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ジェフ千葉レディースを迎え、2025/26 SOMPO WEリーグ第10節に挑む。前節は連敗を5でストップ。今節は今シーズン初の連勝を目指す一戦になる。
大宮戦では選手の配置も大胆に動かして臨んだ中、パズルのピースがピタッとハマったかのように、全員が躍動。田子夏海と浅山茉緩の2トップが積極的に背後を狙ってゴールに向かえば、右サイドでは田中智子と中西ふうが良い縦関係を築いて起点を作り、中盤では宝田沙織と脇阪麗奈の同学年コンビが攻守に空間を支配。ボールを握る時間も作りつつ、全体を押し上げて攻撃に厚みを出すと、先制点も13分という早い時間帯に生まれた。2トップの連係で崩した後、相手ディフェンスが整わない内に畳み掛け、最後は田中の落としを受けた中西のクロスに中央で百濃実結香が合わせた。今シーズンはボランチでもプレーしている背番号13の今季初ゴールで試合を動かすと、先制後はより試合を支配。白垣うの、四本帆夏の若きセンターバックも高い位置で相手FWを潰すなど大宮に反撃を許さない。追加点こそ奪えなかったが、間違いなく今シーズンベストと言える内容の前半だった。一転して、後半は立ち上がりから押し込まれ、一時は同点に追い付かれてしまったが、すぐさま勝ち越しゴールを奪ったメンタルも、今シーズンのチームが成長している部分。得点者は再び百濃。この場面では、ペナルティーエリア内に5人が雪崩込んでゴールに迫った。「ボールをつなぐだけではゴールに向かえない。そこには人の流れも必要。ボールを持っていない人もアクションを起こす」(松田岳夫監督)というテーマに対し、まさに全員が体現した象徴的なシーンとなった。そうした中で、影のMOMと呼べる存在感で攻撃をけん引した選手が田子。2得点に絡み、放ったシュートも圧巻の6本。その全てがゴールの可能性を感じさせるフィニッシュだった。「自分で前を向けたり、シュートを打つ場面も多くて、今までの試合で一番ゴールに向かえた。(2トップを組んだ浅山)茉緩さんとは、足元と裏、互いに連動して動けた」と明るい表情で前節を振り返った中、今節は自身のゴールでチームを勝利に導く。大宮戦の翌日はINAC神戸レオネッサとの練習試合も行われ、3-2で勝利。前半は2失点と精彩を欠くプレーも見られたが、チャンスは前半から作り続けると、後半一気の3得点で逆転に成功。2得点を奪って勝利を呼び込んだ和田麻希は、「調子はいいです。昨日の試合に続き、全員で連勝できたことは良かった」と声を弾ませた。
松田監督も競争意識の芽生えに少しずつ手応えを掴むなど、上向きの状態で迎える今節も、舞台はホーム。サポーターの応援も力に変えて、一気に連勝を狙う。試合に挑む心構えとしては、勝利した前節の勢いそのままに向かっていくメンタルとともに、浮足立つことなく、ワンプレー、ワンプレーを地に足付けて、戦うことも重要。前節、見せたアグレッシブな攻守を踏襲しつつ、よりゴール前での精度を高めてネットを揺らしていきたい。千葉Lは今シーズンから新たにカルメレ トレス監督を招聘。“スペイン路線”を継続しつつ、よりつなぐ意識は徹底されている。そうした相手のビルドアップに対し、立ち上がりから積極的にプレスをかけて、千葉Lの強みでもあるサイドにいいボールを入れさせないよう前からの守備を徹底したい。マッチアップでの注目は高校1年生の2人、四本と千葉Lの角谷瑠菜。今シーズンの第8節、千葉Lの最年少ゴールを記録して話題を集めた角谷について四本は、「ドリブルが上手いし速い。それに自分で運ぶだけではなく、周りを使ったプレーもできる」と警戒。昨年7月には日本クラブユース女子サッカー大会(U-18)で対戦し、今年4月にはともにU-16日本女子代表に選出され、モンテギュー国際大会で優勝に貢献。ライバルであり同士でもある関係性だが、互いに前節のポジションで先発すれば対峙する場面もあると思われるだけに、「負けられない」(四本)と闘志を燃やす。また、千葉L戦を楽しみに迎える選手が北原朱夏。こちらも同学年の千葉L・小川由姫とは、中高を通して何度も対戦。「お互い負けず嫌いなところが似ていて、結構、仲も良くて、でも試合になるとバチバチにやる(笑)」(北原)と学生時代から切磋琢磨してきた良きライバルだ。高校時代は同じ大阪学芸高校に通い、クラスメイトでもあった。「自分と少し似たところがあって。背は小さいけど、気持ちが誰より強くてアグレッシブ。ゴールに貪欲」と小川について話す北原だが、マッチアップすれば当然、負けられない。
今節に向けて松田監督は、「前節以上のモノを出す、という強い気持ちで臨みたい」と闘志。今週は選手たちに引き締める言葉も多く投げかけたという。前節の試合前は、「自分たちのパワーにリミッターをかけず、そのリミッターを外せ」と選手たちを鼓舞し、結果につなげた。今節も、「リミッター解除」はテーマの一つ。開始からフルスロットルで相手に襲い掛かり、90分を通して主導権を握りたい。今週末は男子トップチームの試合はない。一人でも多くのセレッソファミリーにヨドコウ桜スタジアムに足を運んでいただき、躍動し始めた選手たちを力強く後押ししていただきたい。
試合前日コメント
松田 岳夫監督
Q:連勝を目指す今節。勢いそのままに入る部分と、引き締める部分の両方が大事になる?
「引き締めようとはしています。前回、勝った後も、『連勝するんだ』と臨んで低調なパフォーマンスに終わっています。今節に向けても、選手たちには、『前節と同じ力しか出せないのであれば勝てない』と伝えています。前節以上のモノを出す、という強い気持ちで今節に臨みたいです。メンバーに関しても、引き続き競争ですし、練習でいいパフォーマンスを示した選手を使う。そのスタンスは変わりません。特に今週は練習試合でも勝利したことで、『試合に出たい』というギラギラした選手は増えています。このチームに足りなかった競争意識が少しずつ芽生え始めているのは、いい傾向です」
Q:アグレッシブさや後ろから追い越していく動きなど、前節、良かった部分は継続していきたい?
「そうですね。パフォーマンス自体は継続すべきことも多いです。このチームに来てからずっと言っているのは、『ボールを追い越せ』とか、『切り替えを速く』とか。そうしたアグレッシブさはどの試合でも失ってはいけない部分ですが、試合の流れや相手によって、そのベースを発揮できない試合も多い。どのゲームでも出すことは、これから先もずっと課題になります」
Q:ジェフ千葉レディースも今シーズンは新監督を迎えていますが、スペイン人監督という点では継続しています。よりつなぐサッカーを追求しているようにも見えるが?
「(千葉Lは下からつなぐことを)徹底しています。ある程度ミスも許容しながら徹底してくるので、自分たちとしては、そこを狙っていきたい。相手のペースに巻き込まれないようにしたい。ウチもつなぐことにもこだわりながら、それだけではなく、しっかりとパワーも使って、相手を上回っていきたいと思います」
田中 智子選手
Q:前節は右サイドハーフでのプレーになりましたが、振り返ると?
「なでしこリーグ時代も含めて、ほぼサイドは初めてというレベルでしたが、相手を崩したり、攻撃に関わることは意識していました。(右サイドバックの中西)ふうちゃんがサイドを取ってくれたので、その一つ中のポジションを取りやすくて、自分の出したいプレーを少しは出せたのかなと思います」
Q:元々、中盤の資質もあるだけに、スムーズにフィットしている様子も感じたが?
「FWだと相手からのプレスもガツンと来られるけど、一つ下がったことで前を向いた状態でボールを持てる場面は増えるので、楽しいです。守備で周りに迷惑をかけないことも考えながら、ゴールもチャンスがあれば狙っていきたいです」
Q:今節・千葉L戦に向けて
「連敗中はチームとしても焦りはあったので、前節、一つ勝ててホッとしましたが、連勝したいので、今節も頑張ります!またホームなので、たくさんのサポーターの皆さんが来て下さると思うので、楽しませることができるように、みんなで勝利を届けたいです」