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9/27 広島戦 Pick Up Player【田子夏海選手】

  • 9/20 新潟L戦
  • メディア


WE参入3年目の今シーズン、チームのファーストゴールは背番号28、田子夏海の左足から生まれた。第3節のノジマステラ神奈川相模原戦。0-0で迎えた前半30分、北原朱夏が上げたニアへのクロスに対し、相手ディフェンスよりも先に体を入れてボールをキープ。巧みなコントロールから左足でフィニッシュし、冷静にゴールへ流し込んだ。開幕から2試合、チームとしても無得点が続いていただけに、まさに待望の瞬間だった。今年1月、愛媛FCレディースMIKANから加入。そこから昨シーズンは後半のリーグ戦11試合に出場して3得点と結果を残した。特にラスト2試合で決めたゴールは圧巻だった。第21節・AC長野パルセイロレディース戦では、複数のディフェンダ―に囲まれながらもターンして前を向き、遠めの位置から豪快なミドルシュートを決めた。最終節でも、ボールを収めた後に反転し、鋭いシュートを叩き込んだ。WEリーグでプレーし始めた当初、自身の課題について、「相手の寄せが速い中で、いかに前を向く状態を作れるか」と話していたが、この2得点はまさに成長の証。確かな爪痕を残してプロ1年目を終えた。
 
迎えた2年目の今シーズン。目標は「昨年の得点数を上回ること」。現在は「左足でのシュート」に加え、「昨シーズンより量やメニューも増えた筋トレ」にも懸命に取り組んでいる。その成果については、「試合の中で、ゴールに向かっている時に少し強くなったと実感していますし、相手に当たられても体勢を崩さずシュートを打てるシーンも出てきていると思います」と話す。体が強くなったことで、収めて前を向く力、推進力、そこから放つシュートの威力は増している。課題として松田岳夫監督が挙げるのが、「周囲との関わり」。良さであるフィニッシュを生かすためにも、「周りの選手とうまく関わって、味方とうまく打開できれば、もっと自分も生きる」と指揮官は指摘する。本人も意識して改善に努めており、「ボールを受けたらまずゴールを目指す姿勢はなくさずに、でもそれだけだと選択肢も少なくなってしまうので、周りも見て、うまく味方を使ってゴールに向かう回数も増やしていきたいです」と試みている。近くには良いお手本もいる。今シーズン加入した宝田沙織だ。「周りをうまく使うプレーは沙織さんを見て吸収したいです」と、日々の練習からも学んでいる。
 
大阪府高槻市出身。小学生時代のチーム、北大冠ZELKOVA.FCでは、名和咲香とチームメートだった。当時の田子について名和は、「背後への抜け出しが速く、シュートまで持っていく力が凄かった。自分がキャッチして前に蹴ったら、ゴールを決めてくれました」とすでにストライカーぶりを発揮していたと証言。セレッソのアカデミーで育った選手たちは様々なポジションを経験している選手も多いが、田子はサッカーを始めた頃から「FW一筋」。まさに生粋のストライカーだ。高校では、生まれ育った大阪を離れ、愛媛FCレディースのアカデミーに飛び込んだ。すぐにトップチームにも登録されると、高校1年生の2022年9月、セレッソ大阪堺レディース(当時)相手になでしこリーグ1部デビュー。高校2年生の2023シーズンは、なでしこリーグ1部で21試合に出場、チーム最多の6得点を奪い、新人賞にも輝いた。2024シーズンもなでしこリーグ1部で22試合出場8得点と結果を残し、今年の春、高校を卒業。ピッチの外では人見知りの面もあるが、今シーズンの開幕前、「2025-26 WE リーグキックオフカンファレンス」にチームを代表して出席。言葉に出して発信することの大切さも学んだことで、今シーズンはメディア対応での受け答えも変わってきた。心身ともに成長過程にある現在。ここからのさらなる飛躍が期待される。今節の舞台はWE初ゴールを決めたエディオンピースウイング広島。縁のあるスタジアムで、チームの連敗を止めるゴールを叩き込みたい。

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