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9/20 新潟L戦 Match Preview

  • 9/20 新潟L戦
  • メディア

今シーズン2勝目を目指す今節。前節の奮闘をチームの成長につなげるためにも結果にこだわりたい

 
ホームで2-3の激闘を演じた2025/26 SOMPO WEリーグ第6節・日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦から中4日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、アウェイに乗り込み、アルビレックス新潟レディースとの第7節に挑む。
 
前節の東京NB戦は、敗れたとは言え収穫も多い試合だった。前々節・INAC神戸レオネッサ戦での5失点を受け、守備の改善が求められた中、立ち上がりから距離感よく連動した守備を披露。最終的に3失点を喫したが、しっかりと中盤を締めながら、狙いどころを定めて奪いにいく守備はできていた。WEリーグデビューとなったGK名和咲香も堂々とした佇まいで前半から好セーブを連発。「自分の長所であるロングキック」(名和)も生かして、つなぐところと大きく蹴るところを使い分け、相手のプレスも回避した。攻撃では、中学時代、日テレ・東京ヴェルディメニーナで過ごした新井萌禾が古巣相手に「成長を見せる」(新井)一撃を見舞う。「相手に当たってのゴールでしたが、『決めるんだ』という意識が最初に来たからこそ、パスの選択ではなく、自分で打てました。絶対に決めたかったので、足を振って良かったです」と技術と気持ちでWE初ゴールを決めてみせた。「自分のことのように嬉しかったです(笑)」(米田博美)とチームメートも喜ぶ新井のゴールで前半を1-1で折り返すと、後半は再びリードされた後も同点に追い付く粘り強さを発揮。「いつもだったら、(失点後は)下を向いたり、向いているつもりはなくても、チームとして落ちる雰囲気になっていましたが、ベレーザ戦はそうではなくて、自分たちで自分たちのサッカーを取り戻すことができました」と百濃実結香も話したように、メンタル的な成長も表現。このまま2-2で終える、もしくは勝ち越しの3点目を奪えれば尚、良かったが、そこは昨シーズンのチャンピオン。85分、中央からサイドを揺さぶられ、最後はクロスからゴールをこじ開けられた。試合を振り返って松田岳夫監督は、「最後まで粘り強くゲームを進めることができた。このチームのポテンシャルの一端は見せることはできました」と一定の評価は下しつつ、「85分を戦えても残り5分を戦えなければ、勝ちは手に入らない。それを考えると、まだまだチームに課題は多い。選手たちがこの結果を踏まえて、惜しいで終わるのか、悔しいと思って次につなげていくのか(が大事)」と続けた。それでも最後は、「持って行き方次第では、次に向かっていける第一歩になったのかなと思います」と前向きに締めくくった。

前節の奮闘をつなげるためにも重要な今節。中4日と通常に比べて準備期間は短いが、前節の悔しさが鮮明な内に臨める点をプラスに変えて挑みたい。今節に向けた練習では、紅白戦の途中、松田監督の激しいゲキがチームに飛ぶシーンもあり、「良くなってきたことに自信を持つより、勝てていないことに危機感を持つ方向に舵を切っていかないといけない」と選手たちを奮い立たせた。今節のテーマとしては、一つは守備でのクロス対応が挙げられる。相手の攻撃にクロスが多いこと、さらには直近3試合で喫したセレッソの失点も踏まえると、自ずと試合を分けるポイントの一つになる。「中でいい準備をして、クリアできる状態を作ること。声の部分で改善できることもあると思うので、クロスを上げられる前に声を掛け合って集中して守りたい」と米田は話す。そこから生まれるセカンドボールをどちらが多く拾えるか、といった部分も試合の主導権を握るためには大切な要素。豊富な運動量で広範囲をカバーする宮本は、「まずはクロスを簡単に上げさせないこと。上げられた後の対応と、その後のセカンドボールは相手も狙ってくる。前向きに奪いにくる相手に飲まれないように、予測してマイボールにしたい」と見据える。また、守備が改善された東京NB戦にしても、奪う位置は低かった。「前節をベースにもう少し高い位置で奪えるようになれば、自ずと自分たちがボールを持つ時間も増えて、チャンスも増えてくる」と松田監督も話すように、前節の1点目のように高い位置で奪ってそのままフィニッシュにつなげる場面も作りたい。そうしたカウンターとともに、自分たちが保持する時間も前節よりは増やしていきたい。
 
新潟とはリーグ戦での過去4試合は1勝1分2敗だが、決着が付いた試合はいずれも1点差の接戦。どちらに転ぶか分からない拮抗した試合が続いている。まさに前節の課題になった終盤の戦い方、「最後の1分1秒まで諦めずに戦う姿勢」(松田監督)が問われる試合になりそうだ。I神戸、東京NBと対戦して感じた悔しさや課題、得た収穫を力に変えて結果につなげたい今節。ホームで見せた粘り強いプレーをアウェイでも発揮して、今季2勝目を狙う。

試合前日コメント

松田 岳夫監督


Q:今節は普段より準備期間も短い中4日での試合になるが?
「若いですから(笑)。多少、前節の疲労もあるとは思うけど、そうも言っていられないので。まだ1回しか勝っていないので」
 
Q:3連敗中で迎える今節。これ以上は負けられない?
「そうですね。良くなっているところも当然あるけど、試合に勝つことから逆算していくと、まだまだ足りない。良くなってきたことに自信を持つより、勝てていないことに危機感を持つ方向に舵を切っていかないといけないと思っています」
 
Q:前節の試合後は、「持って行き方次第では、次に向かっていける第一歩になったのかなと思います」と話されていたが、「次の一歩」にするためには勝たないといけない?
「そうですね。(前節は)守備のところは、ある程度、みんなの意識で共有できたことは多かった。ただ、実際には3失点している。その3失点は、守備を崩されて、というよりは、どちらかと言えばミス。クロスの対応が良くない、奪われ方が良くない。まずミスを減らさないといけない。守備でやれているところは自信を持って、それをベースにもう少し高い位置で奪えるようになれば、自ずと自分たちがボールを持つ時間も増えて、チャンスも増えてくると思っています」
 
Q:クロスから、またはクリアした後のセカンドボールを拾われて決められる失点に関しては、個での対応、チームとして、様々な原因があると思いますが、どう改善していく?
「個の部分も大きいです。人がいるのに相手を見ていない。やっぱりペナルティーエリア内でマークの受け渡しはできない。だったら、人に対して責任を持たないといけない。前節も、相手に見えないところに行かれて、そのまま対応できず、見えないところからやられた。人に対する意識は高めていかないといけません。ゴール前のシーンについては、INACに5点を取られた試合では、選手たちに映像でも見せましたが、シュートを打たれた時に、体を捻って避けている。一番はそこ。ゴールを守るために、ボールとゴールの間に自分の体を入れたり、体を大きく見せたり、防いでいく強い気持ちがなかったら、失点は防げない。ちょっとのことですが、まだまだ足りていない。覚悟を持たないといけない。逆に言えば、上位のチームは最後のところで体を張れている。ペナルティーエリア内の攻守がしっかりしていれば、自ずとチームは勝てる。今は中盤でボールを握って動かすこと、守備でも高い位置で奪うこと、真ん中のところをトレーニングでも強調しがちですが、最終的にはゴール前でどれだけ強い気持ちを持ってプレーするか。そのベースがまだ低い。そこはこれからさらに高めていきたいところだと思っています」
 
Q:攻撃では、前節は新井選手のゴールや田子選手の決定機など、中央を2、3本のパスで割っていくシーンもありました。あのような場面を増やしていきたい?
「ボールをちゃんと動かして、相手を1本のパスで裏返せたら、チャンスは作れます。実はボールを持っている選手はフリーなシーンもたくさんある。そこでボールを運んだり、相手を見て逆を取ったり、そういうプレーが特に前節の後半はできていました。できるだけそういうプレーは増やしていきたい。まずカウンターを狙う中で、ダメならスピードを落として、相手を見て、向かってくる相手の逆を取ればいい。そうしたプレーも高めていきたいです」



百濃 実結香選手


Q:前節は2シャドーの一角で先発しました。試合を振り返ると?
「前々節、0-5で負けて、前節に向けては守備の意識をミーティングで叩き込まれました。なので、攻撃で自分の特長を出すこともそうですが、まずはセットしたときの守備の意識を強く持って、守備から頑張ることを意識して入りました。攻撃では、裏への抜け出しはFWをやっていた頃から得意なプレーでもあったので、そこは出していこうと。前半、(宮本)光梨さんからパスを受けた場面では、トラップは決まったけど、その後、相手の前に入って、もう一つ早くシュートまでいけたら良かった。抜け出した後のプレーは課題になりました」
 
Q:前々節はボランチ、前節はシャドー。真ん中はプレーに関わる機会も多いですが、攻守で意識していることはありますか?
「背後への抜け出し、タイミングを見て前に出ていくことは得意ですし、シャドーの位置から背後を取れば、ゴールにも近い。そこは意識しながら、抜け出した後のシュートやクロスはもっと頑張りたいです。前節は終盤にボランチの位置に入りましたが、INAC戦に比べると、自分が持つ時間も長く作れて、真ん中でもらって展開することはできました。ただ、一つ奥、ウィングバックの選手は見れていなかった。近くの選手だけではなく、対角のパスも増やしていきたいです。(脇阪)麗奈さんがそういうパスは上手いので、見習っていきたい。色んなところに出せる方が相手も嫌だと思うので、ボランチで出るなら、そういうプレーは意識したいです。守備は足先だけで奪いにいってしまうことも多いので、体をぶつける部分はもっと頑張らないといけないと思っています」
 
Q:今節・アルビレックス新潟レディース戦へ向けた意気込みをお願いします
「3連敗しているので、内容がどうであれ、勝つことを意識したいです。前節は失点してもすぐ追い付くことができました。いつもだったら、(失点後は)下を向いたり、向いているつもりはなくても、チームとして落ちる雰囲気になっていましたが、ベレーザ戦はそうではなくて、自分たちで自分たちのサッカーを取り戻すことができました。少しずつそういう力も付いてきていると思います。ただ、前節は最後に切れてしまったので、今節は最後まで走り続けて結果にこだわることを意識したい。個人的にも、ゴールを狙って、自信を持って、足を早めに振っていきたいです」

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