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9/15 東京NB戦 Pick Up Player【脇阪 麗奈選手】

  • 9/15 東京NB戦
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INAC神戸レオネッサに完敗を喫した前節の試合後、悔しさをグッと堪えつつ、気丈に言葉を絞り出す背番号10の姿があった。「自分たちのミスでゲームを壊してしまったことをもったいなく感じています」。かつて自身もプレーしたクラブ、“情熱の赤”に身を包んだI神戸に飲み込まれかける展開を何とか挽回しようと懸命にプレー。後半の立ち上がりは押し返す時間も作った。それでも、最終的にはそこから3失点を重ねて0-5。バトル オブ カンサイの歴史において、最も点差が開いての敗戦。「(流れを)変えようとしたけど、変えられなかった実力不足がもっと悔しい」。最後は自身に矢印を向けた。中盤での競り合いでは、相手選手と激しくぶつかり、感情を露わにするシーンもあった。そうした喜怒哀楽を表に出す姿はこのチームでは異彩を放つ。もっとも、プロとして、そうした姿勢は当然のこと。その基準をチーム全体に浸透させたい思いも抱く。
 
WE参入3シーズン目の今シーズンも主将を務めるが、そこには葛藤もあった。「今シーズンはキャプテンをするつもりはなかったです。自分はキャプテンじゃなくても引っ張りますし、若い選手がやった方がチームはうまくいくのではないかと考えていたので」と、その理由を明かす。それでも、「麗奈しかいない」という松田岳夫監督の指名により引き受けることを決めた。チームの目標達成に向けて最も大事なことについて、「うまくいかない時に引っ張れる選手が何人出てくるか」と話すように、苦しい試合、苦しい時期に、チームを担う気概を持った選手が一人でも多く出てくることが、長いシーズンを戦い抜く上では欠かせないと考えているからこそ、若い選手にも責任感を与える重要性を説く。「今シーズンのチームはプロ意識も上がっている」と可能性も信じているからこそ、「自分はプレーで引っ張っていきたい」と背中で見せる覚悟も増している。
 
昨シーズン、なでしこリーグ・WEリーグ通算200試合出場を達成した桜の大黒柱。WEリーグが始まる前、なでしこリーグを戦うチームにおいては、守備のイメージも強く、どちらかと言えば中盤でのボール奪取に長けた選手だった。ただし、そこから月日を重ねる中で、クロスやスルーパスなど、得点に直結するプレーの質も年々、向上。昨シーズンのアシスト王という称号は、コツコツ努力を重ねた賜物だ。今シーズンは得点やアシストのシーンはまだなく、新たなやり方に取り組むチームにおいて、自身の役割も探りながらのスタートになっている。それでも、「相手の逆を取ったり、ワンタッチ、ツータッチでボールを動かしたり、(今シーズン取り組む)サッカーは楽しい」と前向きに捉えている。守備機会が増えることが予想される今節も、デュエルで負けない姿勢を示しつつ、勝つためには、いかに攻撃でチャンスを作り、仕留めるか。それが必要になる。昨シーズンのアウェイ東京NB戦でも、ワンチャンスを生かし、0-2から反撃の狼煙をあげるゴールを決めた。今シーズンは特に宝田沙織との“99ライン”がいつ開通するかは、チームが浮上していく上では欠かせない要素になる。「前節、5点も取られた悔しさを、自分も含めてみんながどう表現するか」。完敗から立ち上がる姿が求められる今節。その先頭で、チームを引っ張る。

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