9/6 I神戸戦 Pick Up Player【中谷 莉奈選手】
- 9/6 I神戸戦
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今シーズンから新設されたWEリーグ月間ベストオフェンス賞と月間ベストディフェンス賞。8月のベストディフェンス候補として、セレッソ大阪ヤンマーレディースからノミネートされたプレーは、第3節・ノジマステラ神奈川相模原戦の85分、自身のマークも見ながら、相手の抜け出しを阻止した中谷莉奈のスライディング。縦に突破されたら深い位置でクロスまで持って行かれたであろうシーン。中谷の危機察知能力、寄せの速さ、タックルの上手さが光った。WE参入からの2シーズンはレギュラーに定着し切れずにいたが、今シーズンは3センターバックの左として開幕スタメンを掴むと、ここまでリーグ戦4試合で先発フル出場。フィジカル面のベースも高めながら、ポジショニングの良さを生かしたクレバーな守備、サイドからのビルドアップでもチームに貢献している。
「コツコツが勝つコツ」という座右の銘の通り、その成長を支えているのは日常の積み重ね。日々の練習、練習前後のトレーニングだけではなく、「寝る前は欠かさず1時間半ほど体のケアをする」ことが日課であり、オフの日でも起床は7時と規則正しい生活を送る。整骨院でのマッサージ、メンテナンスもルーティーンであり、定期的に体をほぐし、ケガの予防にも努めている。「オンもオフもストイックで真面目。食事もいつも健康的で、自己管理がしっかりしている」(宮本光梨)というチームメートの証言もあるように、栄養にも気を配り、好きな食べ物は「ネバネバフード」(中谷)。疲労回復にも効果がある「納豆、おくら、めかぶ、もずくは大好き」と笑う。そんなストイックな中谷の息抜きは「ディズニー映画とイルカの動画」。イルカに関しては、「サッカー選手じゃなかったら、ドルフィントレーナーになりたい(笑)」と話すほど。「最近もイルカの動画を見ています」と日々の癒しになっている。
2022年のFIFA U-17女子W杯ではキャプテンも務めて若き日本代表を引っ張るなど、元々、将来を嘱望されていた選手。プロ入り後はやや伸び悩む時期もあったが、地道な努力の成果は少しずつプレーにも表れており、自身の中での手応えも増している。「今シーズンは勝負の年。覚悟を持って臨んでいます」と語る言葉も力強い。今節は「チームとしても、個人のレベルも高い」INAC神戸レオネッサが相手。対人守備や、周囲との連係も含めたチャレンジ&カバーがいつも以上に問われる試合になる。直近の2試合、I神戸は試合の途中で吉田莉胡が右サイドにポジションを移しており、前節はそこから決勝点が生まれた。「足元だけではなく、飛び出しもあるので、90分集中して、相手より早く予測して守りたい」とサイドでの対峙を見据える。昨シーズンのアウェイ・I神戸戦は4月27日。20歳の誕生日だった。結果は1-3で逆転負け。ほろ苦いスタートになったが、それからもコツコツ、レベルアップに努めてきた。積み重ねてきた力を全て出し切らなければ勝てない相手だが、その分、勝利を得た時の喜びも大きい。周囲を幸せにする満面の笑みで試合終了の瞬間を迎えたい。