8/31 AC長野戦 Match Preview
- 8/31 AC長野戦
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アウェイ初勝利、連勝を目指す今節。AC長野の力強い攻撃をはね返し、保持で上回り、主導権を握ってゴールに迫る
待望の今シーズン初勝利を手にした2025/26 SOMPO WEリーグ第3節・ノジマステラ神奈川相模原戦から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、アウェイに乗り込み、AC長野パルセイロ・レディースとのWEリーグ第4節に挑む。
前節は、前半30分、北原朱夏のクロスを受けた田子夏海が巧みなコントロールからネットを揺らし、待望の今季チーム初ゴールを記録した。後半にも、和田麻希のクロスに合わせた宝田沙織のシュートを最後は北原が押し込み、追加点。先発起用に応える北原と田子の活躍もあり、開幕3戦目で見事、今シーズン初勝利を掴んだ。新チームを軌道に乗せるためにも勝利がもたらす価値は大きいが、緩む隙を作ることなく、チームは今週の練習にも励んだ。今シーズン初勝利を得たことによるチームの変化を問われた松田岳夫監督は、「もちろん勝ったことは素晴らしいですし、勝つことでチームに勢いも付きます」と前置きした上で、「大きな変化はありません。勝ったというイメージだけで次のゲームに臨むとよくない。『ハードワークが大事だし、こういうプレーができていたから勝てた』ということをしっかり頭に刻んで次節に臨むよう、選手たちにも釘をさしています(笑)」とミーティングでも引き締めを図った。勝利を掴む過程においては、どちらに転ぶか分からないギリギリのバトルで体を張ってマイボールにしたり、守備では相手に決定的なシュートを許す直前で戻ってカバーしたシーンもあった。「毎試合、毎日、積み上げていくことが重要です。前節のゲームよりやれることを増やして次節のゲームに臨む、チームとして成長していくためには、その繰り返しが大事です」(松田監督)と地に足を付けて、成熟度を高めている。
今節の相手、AC長野は前節はアウェイでRB大宮アルディージャWOMENに3-2で勝利。セレッソと同じく、今シーズン初勝利を挙げた。特に目立ったのが、前半の立ち上がり。縦に速く、ダイレクトプレーやクロスを多用してゴールに迫ると、16分、17分と連続してゴール。36分に1点を返された後も、42分に3点目を決めて突き放す圧巻の攻撃力を見せた。昨シーズン、セレッソはAC長野にホームで1-3、アウェイでは1-2で敗れており、相手の強度の高いプレスやフィジカルを生かした攻撃、クロスに苦しんだ。今シーズン、ここまで開幕から3試合連続で無失点と好スタートを切った守備陣にとっても、今節は一つの試金石となる重要な一戦だ。チャレンジ&カバーを含め、「連係もしっかりできている」と指揮官も評価する3センターバックの中央を任されている白垣うのは、「相手は蹴ってくるイメージがあるので、ロングボールへの対応が大事。蹴ってくる瞬間、いつラインを下げるのか、上げるのか、そのタイミングが少しでもズレたらピンチになると思うので、しっかり集中したい」と引き締める。白垣の左でプレーする中谷莉奈は、昨シーズンまではレギュラーを掴み切れずにいたが、今シーズンは開幕からスタメンでプレー。「今シーズンは勝負の年。覚悟を持って臨んでいます」と強い意志を宿している。今節に向けては、「長野の選手たちは勢いがあって、個人、個人でもハードワークしてくる。まずは個人のところで負けないことが大事。チャレンジした後は、他の選手がカバーし合って守りたい」と意気込む。今節について松田監督は、「当然、スピードやパワーでも負けないように。プラス、ボールを動かすことや駆け引きで上回ることができればリズムを取れると思うので、そういう流れにしていきたい」と見据える。相手の前への矢印を折りながら、今シーズン、セレッソが取り組んでいる保持の質を高めて試合のペースを掴み、ゴールに迫ること。それが今節のテーマになる。
攻撃では、前節、得点まであと一歩に迫った宝田と新井萌禾のWE初ゴールにも期待しつつ、昨シーズンのWEリーグ第21節、長野Uスタジアムで強烈なミドルシュートを叩き込んだ田子の2戦連発にも期待がかかる。田子にとって今節は、普段の試合に加えてもう一つ、気持ちが高まる要素もある。前節のポジションで先発すれば、マッチアップすることになるAC長野の右サイドバック、筬島彩佳は、今年の6月まで愛媛FCレディースで約10年に渡って活躍した選手。田子にとっても愛媛在籍時に「お世話になった選手」であり、試合へ向けては、「守備が強いので、前を向くことに手こずるかも知れませんが、対戦が楽しみです」と笑顔を見せた。愛媛サポーターにとっても注目のマッチアップは今節の行方を左右する要素の一つになるだろう。8月の最終日。今シーズン初の連勝でさらなる上位進出を果たすべく、チーム一丸で長野に乗り込む。
試合前日コメント
松田 岳夫監督
Q:今シーズン初勝利を手にしたことによるチームの変化は感じますか?
「いえ、特に大きな変化はありません(笑)。もちろん勝ったことは素晴らしいですし、勝つことでチームに勢いも付きます。ただ、足りないこともたくさんありますし、ハードワークできていたから得た結果。そこが少しでも緩むと、負けてしまう。経験上、勝った試合の後は、あまりいいゲームができない。それはなぜかと言うと、苦しんでやっと手に入れた勝利なのに、勝ったというイメージだけ、いいところだけが頭に残って、苦しかった部分を忘れてしまう。イメージだけで次のゲームに臨むとよくない。『ハードワークが大事だし、こういうプレーができていたから勝てた』ということをしっかり頭に刻んで次節に臨むよう、選手たちにも釘をさしています(笑)。いずれにしても、毎試合、毎日、積み上げていくことが重要です。前節のゲームよりやれることを増やして次節のゲームに臨む、チームとして成長していくためには、その繰り返しが大事です」
Q:無失点を続けている守備について
「(無失点は)たまたまな部分もありますが、チーム全員で共有できていることもあります。守備は前への勢いも大事ですが、どれだけ後ろをカバーする意識をもてるか、ということも重要。前節も、センターバックがはがされても、誰かがカバーしていたり。それがしっかりできていた。もちろんピンチはありますが、そういうカバーの意識をしっかりもてれば、これからも守っていけるのかな、と思います」
Q:3バックは開幕から同じメンバーで臨んでいるが?
「守備は積み上げる要素が細かいので、現状、無失点であることを考えると、(3バックの)連係もしっかりできていると考えています。敢えて変える必要はないのかなと思いますし、積み上げていくことが大事です。当然、他の選手も頑張っているので、競争は続いていきますし、どのポジションにも聖域はないので、悪ければ変えます」
Q:前節、AC長野は前半だけで3得点。前線に勢いがあり、ダイレクトプレーやクロスも多用してくる印象です。これまで以上に守備が重要な試合になりそうだが?
「そうですね。でも、どのゲームでも、相手がどこであれ、基本的には前からプレッシャーをかけていこうということは変わりません。当然、ハマる、ハマらない、はあるので、状況によっては使い分けるのですが、相手が勢いよく前から来るからと言って、引いていたら、ペースを握られてしまう。そこは引かずに行きたい。スピードやパワーに対して、当然、スピードやパワーでも負けないように。プラス、ボールを動かすことや駆け引きで上回ることができれば、前半の内にリズムを取れると思うので、そういう流れにしていきたいです」
白垣 うの選手
Q:開幕3試合を終えて1勝2分、失点ゼロという結果について
「チーム全体での高い守備意識や、1対1で負けないところが無失点につながっているのかなと思います。(3バック同士でも)声を掛け合っています。一人が(プレスに)行ったら、一人がカバーする。自分自身、絶対に潰す気持ちで行っていますし、何かあれば、後ろがカバーしてくれる。お互い、常に声は掛け合って守っています」
Q:3バックの中央は初めてですか?
「そうですね。4バックの中央はやっていましたが、3バックの真ん中は初めてです。(意識しているプレーは)相手の起点を潰すこと。そこで潰せたら、真ん中からの攻撃を少なくできます。そこで相手がサイドに逃げてきたら、サイドで潰す。そうやって全員で防いでいきたいです」
Q:AC長野は、前へ、前へと推進力の高い攻撃を仕掛けてくる印象だが?
「蹴ってくるイメージがあるので、ロングボールへの対応が大事になります。蹴ってくる瞬間、いつラインを下げるのか、上げるのか、そのタイミングが少しでもズレたらピンチになると思うので、しっかり集中して、全員で防いでいけたらと思います」