8/9 マイ仙台戦 Pick Up Player【宝田沙織選手】
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「勝つために必要な存在なので、『帰ってきてくれてありがとう!』という思いですね」。
99年組の同期、筒井梨香の言葉だが、これはセレッソ大阪ヤンマーレディースに関わるすべての人たちに共通する思いだろう。WEリーグ参入3シーズン目を戦うチームにとって、これ以上ない心強い存在が帰ってきた。今シーズン、ウィメンズ・スーパーリーグ(イングランド1部)、レスター・シティから完全移籍で加入した背番号11、宝田沙織だ。
2012年、3期生としてセレッソ大阪堺レディースに加入した宝田は、当時から高い身体能力と技術を生かし、複数のポジションでプレー。FWを主戦場にした2017年はなでしこリーグ2部で22点を挙げて得点王に輝くと、世代別の代表としても活躍。2018年にフランスで行われたFIFA U-20女子ワールドカップでは5得点3アシストの好成績を収めて日本の優勝に貢献し、この年はAFC年間最優秀ユース選手賞も受賞した。この大会を機に、海外でプレーする思いを強めると、2021年、アメリカのワシントン・スピリットに移籍。翌年はスウェーデンのリンシェーピングFCに活躍の場を移し、2023年12月からは1シーズン半、レスターでプレーした。なでしこジャパンでのデビューは2019年、FIFA女子ワールドカップ初戦のアルゼンチン戦で、これまで国際Aマッチ24試合出場を記録している。
こうした経歴を並べるだけでも、いかに優れた選手であるかは一目瞭然だが、そうした実績におごらない謙虚な人柄も彼女の魅力。復帰にあたって、「自分が高校生だった頃、伸び伸びできる環境を先輩たちが作ってくれたように、今度は私たちが、後輩が伸び伸びできる環境を作れるように意識していこうと思います」と述べていたが、練習後には後輩と談笑する様子も見られるなど、ピッチ内外でいい効果をもたらしている。その一方で、「サッカー面では厳しさも必要なので、そこはしっかりメリハリを付けていきたいです」とも語り、海外で培ってきた基準もチームに落とし込むつもりだ。新体制発表記者会見では、「FWでプレーしたい」思いも吐露。実際に始動からここまで、一貫してトップの位置でプレー。もう一人の同期、脇阪麗奈が、「沙織に預けたら取られない。周りの選手も信頼して上がっていける。私自身、常に沙織を見てプレーしたい」と話すように、自然とボールは集まる。海外ではセンターバックやボランチなど、後ろのポジションでのプレーがほとんどだった。久々に味わう前線でのプレーについて、「やっぱり楽しさはあります。結果にこだわりつつ、前でしっかりチームを引っ張っていきたいです」と笑顔を見せた。
迎えるWEリーグデビューとなる開幕戦。これまで幾多の経験を積んできた彼女にとっても特別な一戦であり、「ワクワクします」と胸の高鳴りを感じている。ホーム・ヨドコウ桜スタジアムで復帰初戦を飾れることを喜びに変えて、いざ、決意のピッチに立つ。