5/10 AC長野戦 Pick Up Player【山下莉奈選手】
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長身を生かしたハイボールの強さに加え、反応の鋭いシュートストップや攻撃の起点としても強みを発揮する桜の守護神。WEリーグ参入2年目となった今シーズンも、昨シーズンと同様、ここまでリーグ戦全試合先発フル出場中で、「セーブ数」と「ハイボール処理数」ともにリーグ上位の数字を残している。今シーズンは、なでしこリーグ時代から切磋琢磨してきた福永絵梨香、西中麻穂に加えて、名和咲香の台頭、石田心菜の加入により、昨シーズン以上にGK陣の層の厚みは増した。“質・量”ともにWEリーグトップと言ってもいい陣容を誇る中で、守護神の座を守り続けてきた。「ライバルが増えたことで、自分も向上しないと追い抜かれていく。そういうプレッシャーはありました」と偽らざる本音も吐露する一方、「5人いる中で試合に出続けている立場としては、その分、やらないといけない自覚も増しました」と、プレッシャーをいい意味で力に変えてきた。山下を起用し続けてきた鳥居塚伸人監督も、「細かい部分でレベルアップしないといけない部分はありますが、身体能力も高いですし、それをしっかり生かしたプレーをしています。安心してピッチに送り出せるGKの一人」と評価。さらに、「キックの飛距離を伸ばすことや、ボールをつなぐところでレベルアップしていけば、代表にもチャレンジできるぐらいの能力は持った選手だと思う。これからも努力し続けて欲しい」とエールを送る。
8日には、福永の今シーズン限りでの現役引退が発表された。2013年、山下が中1、福永が高1、同時期にセレッソ大阪に加入した2人は、学年こそ3つ違えど“同期”だった。「入ってすぐは、レディースとガールズで試合は違ったのですが、練習はずーっと一緒にやってきました。なので、いざいなくなると寂しいです」(山下)と感傷的な思いもありつつ、「(福永は)めっちゃ天然で、想像もしていないようなことをやってくれる(笑)。でもそれでみんなの緊張感をほぐしてくれた。一番上に優しい絵梨香さんがいたから、下の子も思い切ってプレーできました」と3つ年上の“同期”に感謝した。山下について福永は、「莉奈と麻穂は良きライバルであり、一番気持ちを分かち合える仲間でもありました」と話し、「このGKグループで良かった。自分が出ない試合でも、『頑張れ』と心から応援できるGKでした。莉奈も自分が入った時は中1でしたが、逞しくなりました(笑)。一緒に切磋琢磨できて良かったです」と振り返る。各自が昨シーズン超えというテーマでシーズン終盤をプレーしている中、チーム全体の失点数はここまで「29」。昨シーズンの「31」より減らすためには、残り2試合、1試合でも多くクリーンシートにこだわりたい。「2試合ともゼロで抑えます!そうしたら絵梨香さんも嬉しいと思うので」(山下)。ともに戦ってきた仲間の思いも胸に、今シーズンも最後までゴールを守り抜く。