4/27 I神戸戦 Match Preview
- 4/27 I神戸戦
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ホームでWE参入後初勝利を挙げたINAC神戸レオネッサとのバトルオブカンサイ。アウェイに乗り込む今節も、臆することなく挑む
リーグ後半戦、初勝利を収めた前節のノジマステラ神奈川相模原戦から中7日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、再び敵地に乗り込みINAC神戸レオネッサとの2024-25 SOMPO WEリーグ第19節に臨む。ホームでの前回対戦時は2-1で逆転勝利を飾り、WE参入後、I神戸から歴史的な初勝利を掴んだ。アウェイでの今節も臆することなく挑み、勢いそのままに“ダブル”を目指す。
前節のN相模原戦は開始6分、脇阪麗奈が高い位置でボールを奪うと、そのままミドルシュートを決めて、早い時間帯で先制に成功。「自分の先制点で楽になったと試合後に守備陣が言ってくれて、とても嬉しかった」と脇阪自身も振り返ったように、チーム全体に勇気を与えたゴールで集中力が増したチームは前半終了間際、自らが得たPKを百濃実結香が決めて2点目。リードを広げて前半を折り返した。後半は守勢に回る時間も長かったが、公式戦では初めてCBでコンビを組んだ浅山茉緩と中谷莉奈を中心に相手の攻撃を跳ね返し、GK山下莉奈も好セーブを見せて、クリーンシートを達成。リーグ戦としては8試合ぶりとなる勝利を掴んだ。試合後、思わず目に涙を浮かべたのは矢形海優。その心境については、「久しぶりに勝ってホッとした気持ちと、自分自身はシュートを打てずに何もできなかった悔しさと、感情が溢れ出てしまいました。本当は見せたくなかったんですけど」と苦笑い。残り4試合、得点王争いも佳境を迎える中、今節は得点ランク2位につけるカルロタ スアレスとの“直接対決”となる。「ここ6試合、決めていないプレッシャーもあって、悔しい思いもしていますが、ある人から、『出口のないトンネルはない』と言っていただき、改めて、やり続けるしかない気持ちになっています。味方を信じて、自分を信じて、取りにいくだけ。相手のカルロタ選手も点の取れる選手ですが、この試合では決めさせなくないし、自分が決めて勝ちたい」と意欲を燃やす。また、古巣戦となる脇阪は今節がWEリーグ・なでしこリーグ通算200試合の節目の一戦。I神戸との前回対戦時のように、キャプテンからエースの“ホットライン”でI神戸のゴールをこじ開けたい。
I神戸撃破へ向けては、守備で粘り強く対応することも欠かせない。特に試合の入りでI神戸が圧力をかけてくることは間違いないだけに、C大阪としてはこの時間帯でしっかり跳ね返せるかどうかは試合の行方も左右する大きなポイント。勝利した前回対戦時も4分という早い時間帯に、成宮唯に中央を割られて失点している。「INACの攻撃は唯さんから始まるので、しっかり潰したい」と脇阪。10番同士、中盤での争いやセカンドボールの奪い合いは、この試合の見どころだ。マッチアップと言えば、カルロタ スアレスと対峙するディフェンス陣も、90分を通して気の抜けないタフなバトルになることは必至。前回対戦時では、急遽CBでプレーして、足を攣りながらも「気持ちで戦い抜いて」1点のリードを守り切った浅山は、今節の対戦に向けても、「相手には背が高くてパワーもある選手もいますが、そこをしっかり抑えることで、失点も防げる。1対1で負けないように頑張ります」と気合いを入れる。前節、WEの公式戦では初めてCBでプレーした中谷は、試合当日が20歳の誕生日。「今までと同じように色んなことにチャレンジして、もっとピッチ上で輝ける選手になりたいです」と新たな1年に向けた抱負を語りつつ、「一つのボールに対してしっかりポジションを取って、しっかりゴールを守りたい」と、強敵相手にも1歩も引かない姿勢を見せることを誓った。相手のクロスやロングボールに対してファーストディフェンダーがしっかり競ること、そこから派生するセカンドボール争いでも引かないこと、チーム全体で良いポジションを取り続け、相手より先にボールに反応することで、相手をゴールから遠ざけたい。その上で、最後は前回対戦時も88分に右足1本でスーパーセーブを見せた守護神・山下の、“最後の砦”としてのプレーにも期待がかかる。
優勝争いも大詰めを迎えたシーズン終盤。現在3位で逆転優勝を狙うI神戸としては、まさにラスト4試合は一つも落とせない瀬戸際の戦いが続く。スタジアムの雰囲気も含め、しびれるような空気がピッチを包むだろう。C大阪としても、そうした緊迫した試合を戦えることは選手冥利に尽きる。それを“経験”で終わらせず、勝利にこだわることで、価値はさらに膨らむ。“本気”のI神戸に対し、「自分たちもそれ以上に必死になって戦って、シーズンダブルを達成したい」(脇阪)。C大阪にとっても大一番となるバトルオブカンサイに挑む。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:前節はリーグ後半戦、初勝利を収めました。一つ結果が出たことは、次に向かって選手たちもまた頑張れるのでは?
「そうですね。内容はともあれ、後期初めて勝点3を取れたことは、選手たちも自信になったと思います。ただ、後半に関しては、2-0という状況を理解して、どういうサッカーをしないといけないのか。それをしっかり考えていくことが次のポイントになります。例えば今節、INACさん相手に先制できれば、逃げ切るためには必要になってくることなので、課題にも目を向けていきたいです」
Q:前々節の三菱重工浦和レッズレディース戦後、「失点場面は、もっと一人一人やれることがあった」という話もありましたが、前節のノジマステラ神奈川相模原戦では、もう一つ先の守備ができた?
「選手は一生懸命やってくれましたが、そのポジションが本当に正しかったのか、ポジショニングのエラーもあった中で、相手が逃してくれた部分もありました。本当にチャンピオンを獲ろうと思ったら、ポジショニング一つに、もっとこだわらないといけません。紅白戦にしても、簡単に失点している場面では、ポジショニングが悪い。日々のトレーニングから細かいところを求めていくこと、公式戦より厳しくやっていくことができれば、試合の結果も変わっていくと思います」
Q:まさに今節のINAC神戸レオネッサ戦では、ゴール前のポジショニング、相手に簡単にロングボールを蹴らせない前からの守備など、勝つためには妥協を許さない守備が必要になりそうです
「そうですね。ノジマ戦でもロングボールの対応で、ファーストディフェンダーが競れていたのかと言えば、そうではない場面もあったので、そこは修正しないと、INACには前に高さと強さのあるセンターフォワードがいます。簡単なエラーを起こしてしまうと勝点3は取れません。相手は一瞬の隙を突いてくるチームなので、どれだけ90分集中して戦えるか。逆に言えば、1失点は覚悟して、『先制されても大丈夫』という気持ちを持たせながら戦うことも必要。前回、勝った時は逆転勝ちできているので、自信も持たせて臨ませたいです」
Q:その上で、守備だけではなく、保持する時間を増やすことも得点を取るためには必要になりますね
「はい。個人、個人ができる部分は絶対にあります。ストロングはどこなのかを理解して、それを出すための準備がどれだけできるか。ボールを持ってから考えても遅いので、ボールをもらう前に準備して、受けた時点で相手をやっつけていることが必要になります。そういうプレーを今週の練習でも意識させて試合に臨みたいです」
脇阪麗奈選手
Q:前節は自身の先制点でチームも落ち着いて試合を運べて、リーグ戦8試合ぶりの勝利につながったと思うが、試合全体を振り返ると?
「2-0でしたけど、簡単な試合ではなかったし、むしろ攻められる時間が長かったですが、自分の先制点で楽になったと試合後に守備陣が言ってくれて、それはとても嬉しかったです。守備陣もしっかり頑張ってくれたので、私もゴール前にしっかり帰って守ることができました。そうした粘り強い守備が前回のINAC戦ではできていたので、次のINAC戦でも出したいです」
Q:相手は優勝を目指す上で負けられない一戦で、前回対戦のリベンジの思いも込めて臨んでくると思うが、こちらとしても勝ちたい一戦。どのようなゲームにしたい?
「INACは前節、負けているので、本気で向かってくると思いますが、自分たちもそれ以上に必死になって戦いたい。チャレンジャーとして食らい付いていきたいです。自分にとっては古巣でもありますし、ノジマにはシーズンダブルができたので、INACにもダブルをしたい気持ちが強いです」
Q:その古巣戦が脇阪選手とってはWEリーグ・なでしこリーグ通算200試合の節目になります。ご自身では、200という数字はいかがですか?
「INAC在籍時に150試合を達成して、そこからここまで早かったな、という気持ちと、そんなに試合に出ているんだ、というビックリした感覚もあります(笑)」
Q:セレッソ大阪ヤンマーレディースに戻ってきた昨シーズン、そして今シーズンもここまでリーグ戦全試合フル出場を続けています。出続けられている秘訣をご自身ではどう考えますか?
「自分の最大の長所はケガをしないこと。今まで2週間以上サッカーを休んだことはないですし、大きなケガもしていません。ずっとサッカーし続けられていることは幸せだなと思います。普段から、自分としては普通なんですけど、周りから見たらストイックだなと思われる食事や体調管理はやっています。母と会った時も、『頑固だな』と言われることもありますが(苦笑)、しっかりと自分をもって、生活しています」
Q:ここまで2得点7アシストに加え、キーパス、ファイナルサードへのパス数でもリーグ上位です。今シーズンは、よりゴールへ直結するプレーが増えていますが、意識している?
「そうですね。やっぱり、点を取らないと勝てないので。昨年はそこまで数字を残せなくて、どうやったらチームを勝たせられるかをオフシーズンに考えて、自分が攻撃に加わることで、点も増えてチームを勝たせられると思ったので、今シーズンは特に攻撃面を意識しています。プレーの幅は広がりました。元々は守備が得意な選手でしたが、攻撃もできるようになって、より楽しくプレーできています。後半戦の最初の方は、マークが厳しくて少し悩んでいた部分もありましたが、最近は相手が2人来ても交わせる時もあるので、そこも含めて楽しめています」
Q:今節は古巣対決であり、同期の松原優菜選手との対戦も楽しみだが?
「優菜もケガから復帰して試合に出てくると思うので、対戦は楽しみですし、勝ちたいです。中盤での球際でも負けないようにしたいですし、自分が点を決めて勝ちます!」