3/2 新潟L戦 Match Preview
- 3/2 新潟L戦
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再開初戦にして大一番。新戦力も加わりパワーアップした陣容で、5位・新潟L撃破を目指す
約3ヶ月の中断期間を経て再開される2024-25SOMPO WEリーグ。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホーム・ヨドコウ桜スタジアムにアルビレックス新潟レディースを迎え、後半戦の初戦となる第12節に挑む。
前半戦の11試合、C大阪は4勝2分5敗で7位。シーズンの目標である5位以内へ、あと一歩の折り返しとなった。得点数はリーグ3位で昨シーズンより攻撃力は高まった一方、失点数も増えて、リーグで4番目に多い。「昨シーズンより前期だけで失点がかなり増えています。そこを見直す部分と、得点は取れているのですが、フィニッシュの本数自体は伸びていないので、アタッキングゾーンでのクオリティーを高めること、どういう形で点を取るかをチームで準備してきました」と中断期間の取り組みについて話したのは鳥居塚伸人監督だが、ここからの11試合、攻撃力はさらに伸ばして失点を減らし、勝ち切る試合を1試合でも多く増やしていきたい。後半戦も、チームの軸は、得点ランクトップの矢形海優と、アシストランクトップの脇阪麗奈。中断期間、最初のトレーニングマッチとなったスペランツァ大阪戦でも、脇阪のクロスに矢形がヘディングで合わせて先制点を奪うなど、頼もしいプレーを披露。リーグ再開に向けて照準を合わせている。「中断期間は、前を向いたらまずゴールを見ること、全員がゴールを狙う姿勢を練習から出すことを意識してきました」と矢形。さらなる得点力アップへ、チーム全体でゴールに向かう意識や形を増やしていきたい。その前線には頼もしい戦力が加わった。愛媛FCレディースMIKANから新加入の田子夏海、ケガから復帰の栗本悠加、若きストライカー2人の存在により、層の厚みはグッと増した。「みんな特長が違うので、試合展開によって色んなやり方で相手に向かっていける」と田中智子も話すように、矢形、田中、田子、栗本と、どの組み合わせでスタートしても、誰が途中出場だとしても、相手に脅威を与えることは間違いない。出場すればWEデビューとなる田子は、「スピードとパワーを生かして点を決めたいです」と意欲。ヨドコウ桜スタジアムに集まるサポーターの前で、挨拶代わりとなる一撃を叩き込むべく準備を重ねている。前半戦の11試合で10失点と堅守を誇る新潟Lを打ち破るためにも、力強さが増したFW陣の活躍に期待したい。
もう一人、出場すればWEデビューとなるのが丸井優奈。練習でもトレードマークの笑顔が弾け、すっかりチームに溶け込んでいる様子が伺えるが、技術に加えてフィジカル、走力でも、現在のチームにプラスαをもたらす存在になりそうだ。サイドバック、サイドハーフ、FWとあらゆるポジションでプレー可能であり、今節もどこで出場するか定かではないが、「走るところなど自分の特長をしっかり出して、チームの勝利に貢献したいです」とモチベーションは高い。そうした“新戦力”については鳥居塚監督も、「3選手ともストロングを持っている選手ですし、中断期間もチームにプラスになるパフォーマンスを発揮してくれています」と評価する。キャプテンの脇阪も、「選手が増えて新しい風を吹かせてくれることはチームにとっていいこと。実力もある選手たちですし、スタメン争いが激しくなれば、チーム力も高まります」とニューカマーの台頭を歓迎する。今節に向けた練習も、セレッソらしい和気あいあいとした雰囲気の中にもピリッと引き締まった空気が感じられ、より“戦う集団”へ成長している様子が伺えた。熾烈な競争が、チーム力を押し上げる何よりの原動力となる。
現在、5位に位置する新潟Lとの勝点差は『3』。得失点差も離れておらず、今節、C大阪が勝利すれば、順位をひっくり返すことができる。後半戦のスタートにして、いきなりの大一番。そうした一戦をホームで行えることは心強い。試合後は、レディースと同じくアルビレックス新潟とアウェイで対戦するセレッソ大阪のパブリックビューイングもヨドコウ桜スタジアムで開催予定だ。チーム・サポーターが一体となり、男女揃っての“新潟撃破”を果たしたい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:中断期間で取り組んだことについて
「攻守において、前期の課題と向き合いました。特に昨シーズンより前期だけで失点がかなり増えています。そこを見直す部分と、得点は取れているのですが、フィニッシュの本数自体は伸びていないので、アタッキングゾーンでのクオリティーを高めること、どういう形で点を取るのかをチームとして準備してきたので、後期はそれを発揮したいです」
Q:得点は取れていますが、アタッキングゾーンに入る回数自体は物足りない?
「そうですね。点が取れているからオッケーではなくて、見逃しているシーンもあったので、そこを改善して、より得点チャンスを増やせるようにやっていきたいです。チームとして、相手の背中を取りにいくことも統一してやってきたので、それをどれだけ出せるかも重要です。ただ、最終的には、相手がどうなっているかを見た中でジャッジすることが大切。『これしかできない』チームではなく、『これをベースとしながらも、相手がこうだから、ウチはこう変えていく』といった柔軟性も発揮できるチームに後期はなっていきたいです」
Q:栗本悠加選手が復帰し、田子夏海選手、丸井優奈選手、石田心菜選手が加入したことで選手層が厚くなったが、彼女たちに期待したいことは?
「チームとしての競争がより激しくなり、活性化されました。4選手ともストロングを持っている選手ですし、この中断期間もチームにプラスになるパフォーマンスを発揮してくれています。試合に出たら、自分の持っているストロングを遺憾なく発揮して欲しいです」
Q:アルビレックス新潟レディースについて
「まず守備が堅いチームです。そうした相手の守備をどう崩すか。そこが一つポイントになります。攻撃でも柔軟に点を取れるチームなので、ウチとしても、課題の失点をどれだけ防げるか。試合の入りから後半アディショナルタイムまで集中して戦うことが重要です。後期の初戦、ホームでしっかり勝点3を取って終わりたいです」
Q:新潟のプレスにどう対応するかも重要になりそうですか?
「もちろんウチもプレスに行くし、新潟さんも来る時は前から来ると思います。ウチとしては、しっかりつないで相手の守備を破っていくことも一つですし、相手がどういう矢印を向けてくるかも見て、その矢印をはがすためには、ビルドアップがいいのか、ダイレクトプレーがいいのか、前なのか、横なのか。しっかりジャッジした中でプレーを行いたい。逃げ道は必ずあります。キャンプも含めて選手たちには、『逃げ道は必ずある』という話はしています。逃げ道を持った中でボールを引き出せたら、失うことはありません。それができないから、失ってしまう。ピッチでどれだけ情報を得て、相手がどうなっているのか、それによって、どういうサッカーをしないといけないのか。それを選手たちがピッチで実践してくれることに期待して、後期に臨みたいと思います」
栗本 悠加選手
Q:復帰戦を目前にした現在の心境は?
「出場すれば、公式戦では1年以上ぶりになるので、まずは支えてくれた人たちに感謝の気持ちを込めてプレーしたいですし、『ピッチに帰ってきた』という思いを存分に表現して、チームに貢献したいです」
Q:復帰まで長かったと思いますが、改めて欠場していた期間を振り返ると?
「長かったようで、あっという間でした。外からサッカーを見て色んな考えも持てるようになったので、成長できた部分もあったと思います。トレーニングに関しては、元からスピードが武器だったのですが、どうやったらさらにスピードを上げる走り方ができるか、それを意識して考えながら練習していました。ドリブルの質にもこだわって、練習していました」
Q:復帰へ向けてリハビリやトレーニングに励む、一番のモチベーションは何でしたか?
「一番はサポーターさんや家族に恩返しをしたい、という気持ちです。自分が折れたらダメだと、それだけは言い聞かせて、リハビリをやってきました」
Q:競争も激しい中、どういった持ち味をチームに還元したいですか?
「スピードもそうですし、前線からの守備などアグレッシブなプレーは武器だと思うので、攻守でチームを勢い付けるプレーで還元したいです」
Q:「色んな考えも持てるようになった」とは、具体的にどのようなことを指しますか?
「今までは感覚でプレーしていた部分も多かったのですが、ケガしている間にピッチの外から試合を見て、『こういう動きもあるんや』とか、先輩たちのプレーを見て実際に自分が出た時のことも考えながら、イメージを膨らませていました」
Q:最後に、試合へ向けて意気込みをお願いします
「公式戦での復帰戦にもなりますし、WEリーグというプロの舞台で自分のプレーを出して、得点を取って、チームの勝利に貢献したいです」