2025/26 SOMPO WEリーグ第22節

2026.5.16

セレッソ大阪ヤンマーレディース

和田 麻希 (81')

1

HOME

FULL TIME

1

0-1

1-0

AC長野パルセイロ・レディース

岩下 胡桃 (33')

YANMAR HANASAKA STADIUM

4,011

タマノイ酢サポーティングマッチ

ギャラリー

MATCH REVIEW

今シーズン最終戦は、和田麻希のゴールで追い付くも勝ち切れず。松田岳夫監督体制1年目、WE参入3年目は10位で終える
 
今シーズンの最終節。セレッソ大阪ヤンマーレディースはホームにAC長野パルセイロ・レディースを迎え、2025/26 SOMPO WEリーグ第22節に挑んだ。試合開始前の時点で気温は32℃。初夏を思わせる暑さの中でのキックオフとなった。先発は前節から3人変更。荻久保優里がリーグ戦としては今季初先発を果たしてボランチに、左ウイングバックに北原朱夏、1トップには田子夏海が入った。システムは直近2試合と同様、3-4-2-1をベースに守備時は後ろが5枚に、ボールを持った際は4バックに移行する可変式を採用した。
 
試合開始から出足が早いAC長野に対し、セレッソはセカンドボールの反応で後手を踏む。AC長野のパスワークに対しても人を捕まえ切れず、フィニッシュまで行かれるシーンが続いた。奪ったボールもパスで引っかかるシーンが多く、シュートまで持ち込めない。それでも11分、宝田沙織のパスに百濃実結香が背後を狙うと、このあたりからボール保持の時間も増やしていく。ただし、回す位置が低く、相手陣の深くまでは入っていけない。29分には、ゴールからは遠い位置で受けた田子が相手3人を振り切ってシュートまで行くが、クロスバーを越えた。攻守にリズムが出ないまま試合が進むと、33分に失点。自陣左サイドから放たれた相手のクロスがややミスキック気味にゴールへ向かうと、GK名和咲香が対応できず、そのままネットに吸い込まれた。この失点で火が付いたセレッソは、パススピードも上がり、相手ゴールに向かう迫力も出始めると、和田や田子が右サイドの背後を取ってクロスまで持ち込むが、シュートには至らない。前半は攻守にスイッチが入り切らないまま1点ビハインドで折り返した。
 
後半開始から田子に代わって高和芹夏が入ると、48分、早速その高和にチャンスが訪れる。米田博美のパスから右サイドの背後を取った百濃がGKとDFの間のスペースへパス。そこへ高和が走り込んだが、あと一歩届かず。得点にこそつながらなかったが、前半から何度も背後を狙っていた百濃の裏抜けが生きた形となった。後半になって相手の背後を突けるようになってきたセレッソは、60分にも好機。米田のパスから今度は和田が右サイドの裏を突破してクロス。百濃には合わなかったが、良い形を作った。60分、北原に代わって浅山茉緩が投入されると、浅山が右のウイングバックに入り、和田が左のウイングバックにポジションを変えた。後半は高い位置でボールを奪う回数も増えたセレッソは、敵陣でのプレー機会も増やしていく。守備ではAC長野のカウンターやセットプレーから何度か危ない場面はあったがGK名和を中心に2失点目は防ぐと、82分、同点に追い付く。宝田のパスから裏に抜けた百濃が飛び出してきたGKも交わして前を向くと、百濃を追い越してきた和田がサポート。そのまま左サイドをドリブルで運び、角度のないところから冷静に左足で流し込んだ。前半から何度も裏を狙っていた百濃の走り出しがついに得点という形で実を結んだ瞬間であり、和田の冷静な判断と正確なキック技術も光った。このゴールで一気にスタジアムのボルテージが上がると、ここから後半アディショナルタイムも含めた時間帯はセレッソが押し込む。87分にも決定機。中盤で脇阪がボールを奪い、そのまま前線まで駆け上がると、百濃、高和とつなぎ、最後は高和のパスをペナルティーエリア内で受けた脇阪がフリーでシュートもヒットせず。絶好のチャンスを逃した。90分には脇阪に代わって筒井梨香が入ると、筒井は前線へ向かう。パワープレー気味に攻撃を仕掛けると、筒井の足下での収まりも良く、攻撃の流れを生んでいく。90+3分には後ろから攻撃参加してきた中谷莉奈のクロスにファーで浅山が合わせて決定機もクロスバーを越えた。終了直前の90+5分にもビッグチャンス。和田のスルーパスに抜け出した百濃がシュート。GKがはじいたところに高和と浅山が詰めたが、あと一歩届かず、得点とはならなかった。試合はこのまま1-1で終了。ラスト10分はセレッソが攻め込むも勝ち越しゴールは奪えず、今季の最終戦は引き分けに終わった。
 
試合後は、チームを代表して松田岳夫監督と脇阪が挨拶。今季1年間の総括とともにスポンサー、サポーターへ感謝の言葉を述べた。続けて今シーズン限りでの現役引退を発表した田中智子、中西ふう、山下莉奈の引退セレモニーも行われた。3選手とも晴れやかな表情でスピーチを行うとともに場内を一周。サポーターにも別れを告げた。WE参入3シーズン目の今季、皇后杯やクラシエカップでは準決勝まで進む勝負強さも発揮したが、リーグ戦の順位としては3年間で最も低い10位に終わった。松田監督体制2年目となる来シーズンは、ハードワークとともにパスサッカーにも磨きをかけて、上位進出を目指す。

監督コメント

■松田岳夫監督
「今シーズンを象徴するようなゲームになりました。気持ちはみんな入っていたけど、空回りしている、ゲームを立て直すためのグラウンド上での要素が足りない。後半、追い詰められた状況になって必死になり、やっと力を絞り出せる。今シーズンずっと続いてきたことです。最後に絞り出す力は出てきましたが、自分たちからアクションを起こしてゲームを支配するところでは、何か足りないとゲームを通じて感じました。今日に関しては、追い付けたことは評価できますが、勝ち切れないところでは課題もあります。『1年を総括するゲームを』と思って臨みましたが、全てを出し切れたというより、『今シーズンを象徴するようなゲームになってしまったな』というのが正直な気持ちです。ただし、まだ第一歩を踏み出したばかりのチームなので、しっかりと反省し、課題を修正して、来シーズンにつなげていきたいです」
 
Q:前半は球際で奪えなかったり、セカンドボールの争いでも一歩遅れたり、攻守に主導権を握れない展開も続きましたが、その要因をどう見ていましたか?
「先週のゲームの課題も考えながら、ボールを奪う位置を高くしたかった。そのためには、ファーストディフェンダーをハッキリ決めながら、ボールに対してプレッシャーをかけていきたい。誰がスイッチを入れるか、前半はそれが決まらなかった。頭が決まらず、相手のプレーを制限することができなかった。それがまず、攻守においてマイナスでした。この暑さの中で、奪う位置が低くなると、相手のゴールは遠くなる。ゲーム展開の悪さから、慌てて、焦って、結局はスピードを上げ過ぎてミスをしてしまう。それも今シーズン何度も見た光景です。単純に言えば、ファーストディフェンダーがしっかり決まれば解決する問題ですが、なかなかそのファーストディフェンダーのところで勇気を持っていける選手が出てこなかったことが要因だと思います」
 
Q:後半は選手を代えながら、配置も変えながら、試合を動かそうとした中で追い付いたことはどう評価されますか?
「失点した時点で、どうしても逆転したいと。最初の1点を取るために何をすべきかというところでは、やはり高い位置でボールを奪いたい。そのために、ファーストディフェンダーで奪いにいける選手、元気があって、アグレッシブで、尚且つ運動量もある、そういう選手を前に置くことで、相手のボールを高い位置で回収することは意図していました。実際にそこでボールを奪えた時は、残り何分かですが、いい形で攻撃することはできました。慣れないポジションで入った選手が、自分のタスクのイメージをしっかり持ちながら実行してくれたことは、チームとしても大きかったと思います」
 
Q:就任1年目、全日程を終えた今の率直な気持ちはいかがですか?
「簡単にはいかないな、と。選手たちの思いはすごく感じますが、思いとプレーの表現が同時に進んでいかないというところでは、色んな課題があると、シーズン中からやりながら感じていました。そこが解決できない限り、このチームはなかなか先に進んでいけないとは思いますが、進んでいくための第一歩を今シーズン踏み出せたというところでは、良かったとは思います。今年があるから次に進んでいける。そういう1年になったと思っています」

選手コメント

■和田麻希選手
Q:同点ゴールを決めたシーンは冷静でしたが、ボールが来た瞬間、ゴールのイメージができていた感じですか?
「(百濃)実結香さんのボールを奪ったような感じになったのですが、自分の(位置の)方がゴールする可能性は高いなと思って、自分がかっさらったというか。左足でワンタッチして、相手も寄せて来て角度はなかった中で決めることができたことは良かったです」
 
Q:左ウイングバックという普段よりは下がった位置からのスタートでしたが、試合を通して前に向かう意識は高かったように見えたが?
「自分の良さは前への推進力や、前でチャンスメイクすること。自分でもスイッチを押す感覚で、全力で前に向かっていきました。そういう行動が得点につながって嬉しかったです」
 
Q:今シーズン大きく伸びた選手の一人だと思います。自身で今シーズンを振り返ると?
「自分でも成長できた1年になったと思っています。持っている技術が凄く伸びたかと言われたら、多少は伸びたと思いますけど、それよりも、自分の最大限の力を出せるメンタル面が、自分の中では強くなったと思いました」
 
 
■百濃実結香選手
Q:後半開始から高和選手が入りましたが、配置としては?
「自分が頂点で、裏を狙う感じでした」
 
Q:後半のチャンスシーンのほぼ全てに絡んでいましたが、後半に向けてどう修正しようと試合に入りましたか?
「前半は個人的にボールに触れなくて。若干、左の方が空いていたのですが、右、右になってしまって、人も右に流れて、左(サイド)で(中谷)莉奈が受けた時に裏も狙ったのですが、もう一人がいなくて右に返すこともあり、バランスも悪かった。後半は自分がサイドに寄り過ぎないことを意識しました。寄っても、セリ(高和)が真ん中にいたり、ポイント、ポイントにはいることを意識して、裏を狙っていました」
 
Q:同点のシーンは、百濃選手が裏に抜けて、出てきたGKも交わして、最後は和田選手が決めましたが、狙い通りでしたか?
「そうですね。前半から裏は狙っていたのですが、相手に触られたり、通らなかったのですが、あのシーンは(宝田)沙織さんと目が合いました。今シーズン、沙織さんと目が合うことは多くて、絶対に裏を見てくれている人なので、自分もそこに走ることは意識しています。自分は決めることはできなかったのですが、麻希が決め切ってくれて、点につながったので良かったです」
 
Q:ラストプレーも惜しかったです。和田選手のパスを受けてシュートまで持ち込みました。勝ちたい思いが出ていたと思うが?
「自分が決めなくても、ファーに誰か詰めて欲しいと思ってファーに打って、(実際に)こぼれたのですが、みんなしんどい時間帯だったので。でもそこで決め切れるように、チーム全体でやっていかないといけないと思います」
 
 
■高和芹夏選手
Q:後半から入って攻守にスイッチを入れる役目を託されたと思うが、どのような意識で試合に入りましたか?
「負けている状況だったので、まずは1点ずつ返していこうと思っていました。シャドーの位置で出たので、常にゴールは狙っていました。前半は『背後の動きが少ない』と監督も言っていたので、背後を狙いつつ、自分の持ち味である間で受けることも意識して、前の3人(百濃、脇阪)で、『お互いの立ち位置を見ながらプレーしよう』ということで入りました」
 
Q:同点後も前の3選手で崩したシーンも作りました。どのようなイメージで攻撃していましたか?
「背後に抜ける人、落ちる人、という関係性が上手くいっている時は、いい形の攻撃も作れたと思います。いい意味でポジションに囚われずにプレーできる選手も多いので、流動的に動きながら、ボールを受けたら抜けていくプレーは意識していました」
 
Q:ラストの場面、百濃選手が打った後に詰めていたシーンを振り返ると?もう一歩だったが?
「ああいうところで、嗅覚じゃないですけど、あと一歩のところで届かないところを来シーズンはもっと突き詰めていかないといけないですし、あそこでゴールを決められる選手になっていきたいと思いました」
 
 
■宝田沙織選手
Q:前半は重たいゲームになった印象もありますが、中でプレーしていていかがでしたか?
「前半はボランチが2人とも落ちてしまったり、バランスが後ろに重くなり、なかなか攻撃につながることは少なかった。後半はどっちが上がって攻撃に重心を置きたい、という話をしていた中で、後半は攻める回数も増やせたことは良かったと思います」
 
Q:しっかり修正しながら同点に追い付いて、そこからさらに逆転への意欲も出ていました。やはり勝ちたかったですか?
「もちろん、勝ちたかったです。勝点3を目指して戦いましたが、自分たちの今シーズンの精度、チームの弱さがこの試合で出てしまったのかな、という思いです」
 
Q:復帰1年目でしたが、個人としては、どのようなシーズンになりましたか?
「結果もそうですし、目に見えるところで納得いかないものに終わってしまって、悔しいシーズンになってしまったという思いです」
 
Q:ただし、チームの中ではズバ抜けた安定感というか、技術の高さ、ゲームメイクでも貢献度は高かったと思います。縁の下の力持ちのような感じになってしまった感もある?
「自分の性格上、チームを支える側に回ってしまったのかな、というところもあるので、もっともっと自分を出していかないといけないですし、もっと応援してもらえるようなプレーを増やさないといけないという思いはあります」
 
Q:開幕当初はFWでプレーしていましたが、その後、チーム状況もあってボランチに移りました。来季へ向けては、どのような思いですか?
「前でやりたい気持ちもありますが、チームがボランチで必要としてくれるなら、そこで攻撃にも関わりつつ、守備でもチームをまとめれたらな、という思いもあります」
 
Q:個人としては、攻撃の部分で課題になったことは?
「ゴールをもっと貪欲に取りにいかないといけない場面もありましたが、確率を考えてパスを選択したり、逃げのようなプレーになってしまった印象もあるので、自分が行くことで周りも空いてくるので、そういうプレーをもっとしないといけない。貪欲さやゴールを取りたい気持ちをプレーで表現していかないといけない。一瞬、一瞬の判断や質ももっと上げたいです」
 
Q:山下選手、中西選手、田中選手の引退セレモニーもありましたが、まだ現実感はない?
「そうですね(笑)。あの3人だからこそ、現実感がないというか。最後は笑って終われたことは良かったですが、まだ引退の現実味が沸いてこないところは正直なところです(笑)」
 
■脇阪麗奈選手
Q:前半は重たいゲームになった印象もありますが、中でプレーしていていかがでしたか?
「相手が蹴ってくるところで、ボランチがプレスバックで戻らないといけない分、低くなったかなと。FWの自分たちがもう一つプレスをかけれたら、という部分で修正して、後半は前から行けて入りも良かったと思います。チャンスも前半より作りましたが、自分も含めて決めないといけなかった。それが勝ち切れなかった要因かなと思います」
 
Q:同点後、高和選手のパスを受けて迎えた決定機の場面を振り返ると?
「自分でボールを奪って、出ていくことだけしか考えていなかったです。必ずボールは来ると思って、実際に来た時にフリー過ぎて、トラップするか、ダイレクトで打つか迷って、あのようなシュートになってしまい、チームメイトと、今日見に来て下さった皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです」
 
Q:ラスト10分は勝利への気持ちが全面に出ていました。やはり今日は勝ちたかったですか?
「そうですね。勝って終わりたい気持ちで臨んだのですが、勝って(引退選手を)送り出すことができずに残念です」
 
Q:山下選手や田中選手とは昔からずっと一緒にプレーしてきましたが、引退は尊重して送り出したい?
「何度も止めたのですが、自分の中では決まっていたようなので。長年一緒にやってきた選手たちなので寂しいですし、うるさい(よく喋る)選手たちがいなくなるので、チームが静かになってしまう、という気持ちです(笑)」
 
Q:新体制で臨んだ今シーズン、積み上げたことや悔しい思いもしたと思いますが、どう振り返りますか?
「チームとしては、リーグ戦の結果が今までより一番低いので、そこは選手スタッフみんなで受け止めないといけないです。皇后杯やクラシエカップでは準決勝まで行けたので、その部分では良かったと思っています」
 
Q:個人としては、今年もキャプテンを務められましたが、新たな監督のもとでチームを引っ張る難しさもありましたか?
「個人としては、今までで一番しんどいシーズンでした。個人としても結果を出せなかったので、それが全てかなと思います。でも自分のサッカー人生はこれで終わらないので、来シーズン以降も上を目指して頑張りたいと思います」
 
 
■中西ふう選手
Q:引退セレモニーを終えた今の気持ちはいかがですか?
「素敵なセレモニーを開いてくれて嬉しかったです。仲のいい3人で、自分たちらしく笑顔で終われたので良かったです」
 
Q:スピーチは、一番しっかり思いを述べていたが?
「みんなアドリブで凄いと思います(笑)。自分は考えられなくなると思ったので、準備しました。思っていることは全部伝えることができたので良かったです」
 
Q:4,000人以上のファン・サポーターの前で挨拶して終われたことは良かった?
「はい。応援してくれた人たちに感謝の気持ちを伝えて終われて、本当に良かったです」
 
Q:最後に、チームメイトへエールをお願いします!
「来シーズンも今年以上の結果を目指して、チーム一丸となって頑張って欲しいです!」
 
 
■山下莉奈選手
Q:引退セレモニーを終えた今の気持ちはいかがですか?
「こんなにもたくさんのファン・サポーターさんが来てくれて、今までずっと応援してもらって、感謝の思いでいっぱいです」
 
Q:4,000人以上のファン・サポーターの前で挨拶して終われたことは良かった?
「はい。ホームで終えられたことは、とてもありがたいです」
 
Q:挨拶はアドリブでしたか?
「考えてはいたのですが、途中ちょっと飛んだので、後はアドリブで頑張りました(笑)」
 
Q:まだ引退される実感はないのですが、セレモニーを終えて、チームメイトから花束ももらって、実感が沸いた部分もありますか?
「自分自身もあまり実感がないのですが(笑)、こんなに多くの花束やプレゼントもいただけて、愛されているなと改めて思いました。花束の数とかを見て、『引退するんだな』と思いました」
 
Q:最後に、チームメイトへエールをお願いします!
「どんどん順位を上げて、上位に食い込んで欲しいと思います。これからも応援し続けます!」