準々決勝
2025.12.7日
セレッソ大阪ヤンマーレディース
和田麻希 (75')
1
OTHER
FULL TIME
0
ホンダヒート・グリーンスタジアム
0-0
1-0
朝日インテック・ラブリッジ名古屋
ホンダヒート・グリーンスタジアム
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■松田岳夫監督
「名古屋さんの素晴らしいプレーで我々が苦しめられたゲームでした。勝利はできましたが、納得いかないゲームだったし、自分たちが、まだまだやれることが少ないと痛感させられたような内容でした。ただ、内容は良くなくても勝利を手に入れた。それは勝負の世界ですから大事なことですが、まだまだ若い選手が、もっと何をしないといけないのか、危機感を持って感じて欲しい。勝ってオッケーではなくて、勝った上で次に何をするか考える、いい機会になったと思います」
Q:今回の皇后杯は“波乱”も多くありますが、立ち向かってくる相手との試合で難しさもありましたか?
「受けて立つつもりは全然ありませんでした。カテゴリーが違うとは言え、相手はチャンピオン。チャンピオンは、普通では獲れません。何かがないと、リーグのチャンピオンにはなれない。その何かというのは、ゲームの中で色んな形で影響してくると選手には伝えていました。選手も受けるつもりはなく、ガチンコでやった中で、相手にリズムを取られた。そこはチームとしては考えないといけないところだと思っています」
Q:前半、徐々に相手にリズムを取られる展開になった中で、この試合でも交代策が早かったですが、前半37分の2枚替えの意図と、2人に託したメッセージは?
「90分で勝負を決めたかったので、ハーフタイムまで待つのは時間がもったいないなと。相手はボールをつないできましたが、最後の出口もFWのところでしっかりできていた。前の選手はプレスに行くけど、はたかれ、リアクションではがされていた。起点を潰せなかったことは、チームとして良くない状況だと感じました。そこで白垣のインターセプトの能力をしっかり出して欲しいと思い、交代しました。右サイドのところはプレッシャーを受けてノッキングしていたので。セットで交代した方がチームとしても変化できるという思いで交代しました」
Q:後半の開始からは新井選手をFWに上げて、浅山選手を右サイドに変えました。結果として、FWに移った新井選手のミドルシュートから決勝点が生まれたが、そのポジションチェンジの狙いは?
「ポジティブな変更というよりは、どっちかというとネガティブな(変更)。FWで機能しないからサイドに持っていこう、とか。でもそれは、選手が今まで一つのポジションではなく、複数のポジションでトレーニングを積んできたからこそできること。交代は5人枠がありますが、それプラス、選手のポジションを変えることでチームが別の顔を見せるなら、それもチームの強みかなと思い、後半から変えました。選手交代なしでチームの顔を変えることが狙いでした」
Q:名古屋は特長のあるチームですが、名古屋戦に向けてトレーニングで準備したことは?
「名古屋がこうだから、というトレーニングはそれほどやっていません。4-4-2で、しっかりボールをつないでくるという情報は入れて、映像でも確認しました。ミラーゲームになる中で、1人1人が相手に対応できるように。チームとして、グループとして、できることを増やす。その意味では、日々、自分たちがトレーニングしていることをしっかり出せる意識付けはしてきたつもりです」
Q:前半の名古屋はしっかり相手を見て、ボールを動かしてきたが、名古屋のやり方に対してハーフタイムで修正したことはありますか?
「守備のところで、積極性という意味では、前からプレッシャーをかけることは悪くないですが、先ほど言ったように、リアクションになっていた。パスを出されて、後追いになっていた。一回パスを出させるために、『アプローチはいいけど、取りにいくな』と。『パスを出させて、出させて、追い込んでいこう』と。そういう話はしました」
Q:サンフレッチェ広島レジーナとの準決勝へ向けた抱負をお願いします
「リーグ戦でもやられていますし、個もチームもしっかりした強いチームです。我々は我々の良さを出す。そこだけだと思います」
Q:セレッソは若いチームですが、トーナメントの準決勝は、メンタル面は試合にどう影響しそうですか?
「もちろん先を見るのではなく、目の前の1試合が大事ですが、ここまで来たら、どういうイメージを持てるかも大事。優勝する自分たちの姿から逆算して、いま何をしないといけないのか。その具体的なアプローチをしていきたいとは思っています。若いチームで、何が起きるか計算はできないですが(笑)。準決勝は、僕の中ではすごく難しい。ただそれは上の立場であれば。そう考えると、相手の方がやり辛い状況だと思うので、そこにつけ込んでいけたらチャンスはあると思っています」
選手コメント
■和田麻希選手
Q:後半の勝負所で投入されましたが、どのような指示でピッチに入りましたか?
「自分のところで収めるというか、『タメを作って欲しい』という指示を受けて入りました。そういうプレーは自分の得意なプレーなので、自分のプレーを出すだけだと思って入りました」
Q:入って10分後の決勝点でしたが、あの時間帯はチームとしての流れも良かったですか?
「はい。ただ、自分は入ってすぐはきつくて(苦笑)。早く慣れようと思っていたのですが、いいタイミングで点が取れました」
Q:右サイドハーフで入りましたが、あの場面では真ん中でポジションを取っていました。どのような意識で真ん中に入っていったのですか?
「つないでいる間に真ん中が空いているなと思って、中に入りました。ゴールも近かったので、パスが来たら前を向けると思って、『スルーパスが来たらいいな』と思っていたら、沙織さんからいいパスが来ました。そこで萌禾を使って、もう一回もらおうとしたのですが、萌禾がシュートを打ってくれて。そのまま前に走ったら、(クロスバーに当たって)ボールがこぼれてきました」
Q:途中出場で、勝負強さを発揮しましたね!
「良かったです(笑)。点を決めることができて」
■脇阪麗奈選手
Q:まず総括として、試合を振り返っていただけますか?
「相手の時間もありましたが、とにかく勝ち切れたことが良かったです」
Q:前半、勢い良く試合に入った中で、徐々に相手の時間帯も増えていきましたが、ピッチではどのように感じていましたか?
「入りはいい流れで良かったですが、徐々に相手も(プレスに)慣れてきて、つないできましたが、こちらとしても焦れずに守備ができた。とにかく失点しなかったことが、後半につながったと思います」
Q:相手がつないでくるというスカウティングはされていたと思いますが、想像していた部分との比較では、いかがでしたか?
「想定はしていた中でやられてしまった部分は反省しないといけないですが、最後の部分ではやられていないですし、ゴール前での怖さは特に感じませんでした。もう少し裏があれば怖かったですが、足元、足元だったので、前に強く行けましたし、はがされても怖さはなかったです。後半、自分たちのゲームに持っていくことを考えていました」
Q:後半は敵陣でサッカーをする時間も増えて、押し込んだ中でチャンスも多く作りました。試合前に話されていた「WEのプライド」を示せたのでは?
「そうですね。後半は自分たちの方が走れることで、優位に立ちました。プロとして勝たなければいけないという気持ちが走力に表れたと思います。勝ちたいという気持ちを前面に出せた試合になったと思います」
Q:得点場面も含め、後半は攻撃の厚みを出せましたか?
「今までやってきた、ボールをつないで相手を崩すプレーが出せたと思います。得点シーンも多くの人数をかけた攻撃でしたし、ペナルティーエリアの中にセレッソの選手が何人もいたので、あの形は良かったと思います。得点の前や後も相手の陣地で攻撃できていたので、それが良かったと思います」
Q:広島との準決勝へ向けた抱負をお願いします
「まだ1回もWEで勝ったことはないですが、1発勝負で自分たちの強さを見せたいです」
■名和咲香選手
Q:前半、入りは良かったですが、次第に相手もボールをつないでプレスを外してきましたが、どういう意識でプレーしていましたか?
「失点ゼロで抑えたら(120分で)負けることはないので、自分も集中していたし、味方も引き締めて、『集中しろ』という声は意識して多くかけました」
Q:その中で、前半25分にミドルシュートを止めたシーンが大きかったと思うが?
「でも、そんなに強いシュートではなかったので。CKに逃げましたが、ああいうシュートをしっかりステップを運んで、しっかりキャッチして、確実にマイボールにできるようにしたいです」
Q:後半はこちらが主導権を握りながら敵陣でサッカーをしていたと思います。だからこそ、1発の怖さもあったと思うが?
「リスク管理の声は常にCBにかけていたし、背後に出るボールに対しては、自分もしっかり狙えるように、常にボールに合わせてポジショニングを取れるように意識していました」
■新井萌禾選手
Q:前回の新潟L戦よりさらに早い、前半37分から投入されましたが、今日はどのような指示を受けてピッチに入りましたか?
「『もっとタッチを使い分けて相手をはがせ。ドリブルでも向かっていけ』という指示を受けて入りました」
Q:前半は右サイドハーフでしたが、後半からはFWに移りました。後半に入るにあたっては、どのような意識で入りましたか?
「前半を見ていて、裏にスペースがあると思ったので、受けた後も動き直すこと。出して次、動き続けることは意識しました。守備では、前プレしたらハマりそうだったので、GKにバックパスしたら、GKまで二度追い、三度追いしようという気持ちもありました」
Q:相手もつなぐプレーが上手く、行って、プレスバックしてと、大変だったとも思うが?
「行けないところもあったので、味方の立ち位置も見て、行けなかったら一回止まって、ボールを取りにいくというより、次で取れるように限定だけ、という意識もありました」
Q:後半は自分たちのサッカーと言いますか、相手陣地で攻撃ができていたと思います。全体的な試合の流れとして、行けそうな感覚もありましたか?
「後半は人が流れることが多かった。前半より、出した後に動き直すことが多かったから、前に枚数をかけられた。前半は前で受けても枚数が少なくて、攻撃し切れなくて奪われて、というシーンも多かった。後半は攻撃の時に距離感が近いから、守備で奪い返しやすかった。攻撃につなげやすかった、ということもあると思います」
Q:自身のシュートがクロスバーに当たった跳ね返りを和田選手が決めた決勝点を振り返ると?
「麻希さんからもらったパスを、前を向いてシュートを打ちました。もう一回、返そうと思ったのですが、ゴール前だし、前を向けると思ってシュートを打ちました」
Q:自分で決めたかったですか?
「もっと振りを速くしていれば、と思います。体勢も倒れてしまっていたので、そこは改善していきたいです」
Q:広島との準決勝へ向けた抱負をお願いします
「あと2つ勝てば優勝というところまで来たので、もっと勝ちにこだわって戦いたいです。一つ一つのプレーが大事だと思うし、気持ちの入り方も違うと思うから、気持ちも質も上げて、決め切るところは決め切って、勝っていきたいです」
■白垣うの選手
Q:前半37分での出場でしたが、監督からはどのような指示を受けて入りましたか?
「相手のFWに起点を作られて、そこから攻撃されることも多かったので、そこの起点を潰すこと、『相手を自由にさせないように』という指示を受けて入りました」
Q:前半は外から見ていたと思いますが、相手も上手くてつないできましたが、そこはピッチに入ってどう感じましたか?
「外回しで来る相手に対して、外に来ると分かっていた状態でも奪い切れなかった場面もあったので、そこはちょっと悔しいです」
Q:後半は前向きな守備、インターセプトの回数も増えました。相手のコートでサッカーができた手応えもありますか?
「そうですね。攻撃では自分たちのサッカーはできていたと思います。しっかりつないでゴール前まで行けていたので」
Q:逆に前半に比べて後半は相手の攻撃回数は減りましたが、その分、守備で意識したことはありますか?
「後半は相手も蹴ってくる回数も多くなった。それ(蹴らせること)が狙いだったのですが、もう少し前の選手とコミュニケーションを取って、相手の出す選択肢を減らして、『そこしかない』という状態にして奪い切れたら良かったです。次はもっとコミュニケーションを取っていきたいです」
Q:広島との準決勝へ向けた抱負をお願いします
「まだ勝てていない広島ですが、ここで勝つからこそ意味があると思うので、全員で練習からいい準備をして、広島に勝って国立に行けるように頑張ります!」












朝日インテック・ラブリッジ名古屋との皇后杯準々決勝は、前半苦戦も後半に躍動。途中出場から10分後、和田麻希の決勝点で準決勝進出
皇后杯もいよいよベスト8。ここまで2回戦ではオルカ鴨川FCを、3回戦ではノジマステラ神奈川相模原を下して勝ち進んできたセレッソ大阪ヤンマーレディース。準々決勝の相手は今シーズンの2025プレナスなでしこリーグ1部で優勝を果たした朝日インテック・ラブリッジ名古屋。栃木県宇都宮市にあるホンダヒート・グリーンスタジアムが舞台となった。先発は直近の2025/26 WEリーグ クラシエカップ グループステージ第2節・アルビレックス新潟レディース戦から2人変更。新潟L戦で貴重な同点ゴールを決めた中西ふう、そのゴールを導いた高和芹夏がスタメンに名を連ねた。
立ち上がり、勢い良く試合に入ったのはセレッソ。4分に脇阪麗奈がファーストシュートを放つと、5分には田子夏海が遠めからのミドルシュートでゴールを脅かす。後ろからつないでくる名古屋に対し、セレッソは前からのプレスでボールを奪う。ただし、時間の経過とともに、名古屋にプレスをはがされ前進されていくシーンが増えていく。名古屋はチームとしての連動したパスワークもさることながら、選手一人一人の相手をはがす技量や判断も優れており、セレッソは次第に「後追い」(松田岳夫監督)の守備を余儀なくされた。25分には、ペナルティーエリア手前からヒヤリとするシュートも受けたが、GK名和咲香が好セーブで守る。相手に流れが傾き始めていた時間帯、ここで失点していればイヤな流れになっていただけに、チームを救うビッグプレーだった。29分には相手FWに背後を取られてピンチを招くなど、やや守勢に回る時間が増えてきた中、松田監督の決断は早かった。37分、高和と筒井梨香に代えて、新井萌禾と白垣うのを投入。白垣には、「相手の起点を潰す守備」(松田監督)を、新井には、前からのプレスと攻撃で押し返す役割を与えると、その1分後、新井のプレスでボールを奪い、田子に決定機。41分にも連動したプレスでボールを奪い、最後は浅山茉緩に決定機。いずれもビッグチャンスだったが、シュートを枠に飛ばすことができず、先制とはならなかった。前半はこのまま0-0で終了。途中からは名古屋のペースとも言える内容だったが、セレッソとしても「焦れずに守備ができた」(脇阪)ことは確かであり、名古屋に決定機らしい決定機を作られることはなかった。
後半もセレッソが勢い良く試合に入ると、48分に決定機。中谷莉奈のパスから左サイドの背後を取った百濃実結香が飛び出してきたGKをかわし、ドリブルで切れ込み、右足でシュート。決まったかに思われたが、相手DFの懸命なブロックに遭い、ネットを揺らすことはできず。後半は時間の経過とともに名古屋の足も止まり始め、セレッソが相手コートでゲームを進める時間が増えていく。61分には、脇阪のスルーパスに抜け出した田子がGKとの1対1を迎えかけたが、戻ってきたDFの守備でシュートは打ち切れず。63分にも右サイドを崩しかけると、ここが勝負所と見た松田監督は3人目の選手交代を決断。後半は開始から右サイドハーフに降りていた浅山に代えて和田麻希を投入。攻撃の起点を増やすと、交代で入ってから10分後の75分、試合は動いた。中谷のクサビを田子が正確なポストプレーで落とすと、前向きな状態でボールを受けた宝田沙織が前線へスルーパス。受けた和田がさらに前方の新井へパスを送ると、新井が反転してシュート。これがクロスバーに当たり、跳ね返ったところに走り込んだ和田が頭で押し込んだ。中央を崩した攻撃により先制に成功したセレッソは、77分にも決定機。右サイドの背後を取った宝田が角度のないところからGKとの1対1に持ち込んだが、シュートはわずかに枠を外れた。守備でも後半は名古屋に枠内シュートは許さず試合を進めていた中、80分以降は自陣右サイドのスペースを連続して狙われると、84分、松田監督は2枚替え。米田博美と宮本光梨を入れて、守備を固めた。終盤は立て続けに名古屋にセットプレーの機会も与えたが、全員が集中力を切らさず対応。和田の先制点を守り切ったセレッソが1-0の勝利を収め、準決勝進出を果たした。
試合を振り返って松田監督は、「名古屋さんの素晴らしいプレーで我々が苦しめられたゲームでした。まだまだやれることが少ないと痛感させられたような内容でした」と自チームを戒めた。特に前半は名古屋のペースとも言える内容だった。それでも、「後半は自分たちの方が走れることで、優位に立てました。プロとして勝たなければいけないという気持ちが走力に表れたと思います。勝ちたい気持ちを前面に出せた試合になったと思います」と脇阪も胸を張ったように、選手層の厚さも含めたチーム力、フィジカルを含めた個々の力で最後は相手を上回り、WEの意地を見せた格好となった。第43回大会以来4大会ぶりとなるベスト4進出。相手はサンフレッチェ広島レジーナだ。WE参入後、まだ一度も勝利したことがない相手だが、「1発勝負で自分たちの強さを見せたい」と脇阪。準決勝は12月14日午前10時45分キックオフ。サンガスタジアム by KYOCERAにて、国立での元日決勝を懸けた戦いに挑む。