2025/26 SOMPO WEリーグ第4節

2025.8.31

AC長野パルセイロ・レディース

稲村 雪乃 (52')

大内 梨央 (61')

2

AWAY

FULL TIME

1

0-0

2-1

セレッソ大阪ヤンマーレディース

北原 朱夏 (51')

長野Uスタジアム

908

ギャラリー

MATCH REVIEW

北原朱夏の2試合連続ゴールで先制も、今季初失点を含む2失点で逆転負け。今シーズン初黒星を喫する
 
待望の今シーズン初勝利を手にした2025/26 SOMPO WEリーグ第3節・ノジマステラ神奈川相模原戦から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、アウェイに乗り込み、AC長野パルセイロ・レディースとのWEリーグ第4節に臨んだ。先発はN相模原戦から2人変更。和田麻希が開幕戦以来3試合ぶり、宮本光梨が2試合ぶりにスタメン復帰となった。
 
立ち上がりはAC長野に押される展開に。9分、前線のコンビプレーから最後はAC長野の10番、菊地まりあにシュートを許すと、枠内に飛んだが、ここは白垣うのが頭に当ててクリア。ポストに当たり、胸をなでおろす。AC長野のプレスに対し、序盤はうまくボールをつなげずにいたセレッソだったが、10分、カウンターから宝田沙織が背後に抜け出しチャンス。シュートこそ打てなかったが、ひとつ押し返す場面を作ると、ここからセレッソが攻勢を仕掛ける。12分には、脇阪麗奈のFKをクリアされたセカンドボールを拾った新井萌禾がシュート。15分にも脇阪のパスから新井が背後を狙うなど、ゴールに迫る。16分には、中盤でボールを奪われ、カウンターからピンチも招いたが、米田博美が好カバー。24分のクロス攻撃も、ニアに飛び込んできたAC長野のエース、川船暁海に対して白垣がマークし、シュートは米田がクリア。この試合でも中谷莉奈を含めた若き3CBがチャレンジ&カバーで失点は許さない。31分、CKからセレッソにチャンス。脇阪のキックをニアで逸らし、ファーに宝田と米田が飛び込む。39分にもセレッソに好機。スローインから和田を起点に縦に進入。最後は北原のパスに抜け出した新井が背後を取ったが、シュートは打ち切れなかった。42分にも前線で新井が粘り強い守備からボールを奪い、中へクロス。クリアボールを拾った宮本光梨が遠めの位置からミドルシュートを狙った。中盤におけるセカンドボールの争いも激しかった前半は、序盤はAC長野のペースで進んだが、終盤はセレッソも盛り返し、0-0で折り返した。
 
セレッソはハーフタイムに2枚代え。和田と宮本に代えて田子夏海、高和芹夏を同じポジションに投入した。後半も入りはAC長野の攻勢を受けたセレッソだったが、51分、後半最初のチャンスを生かし、先制に成功。敵陣深い位置でのスローインから田子が相手2人を背負った中で前を向き、前方へパス。右サイドのニアゾーンを取った百濃実結香のクロスは流れたが、ファーで受けた高和のインスイングのクロスに北原がヘディングで合わせた。前節に続く北原の2試合連続ゴールで先手を取ったセレッソだったが、直後にAC長野のキックオフから失点。前線へのロングボールに対し、米田がクリアしたボールを稲村雪乃に拾われ、ミドルシュートを許すと、手前でバウンドしたボールをGK山下莉奈もはじけず、ネットに吸い込まれた。ここまで開幕から無失点を続けていた中で、思わぬ形でその記録が途切れることになった。試合が一気に動くと、54分、田子、宝田が連続してシュート。セレッソもゴールへ向かう姿勢を出す。61分には左サイドからのクロスに対し、ファーで新井がフリーになったが、ヘディングはヒットせず。同点に追い付かれてからはセレッソが攻勢に出ていた中で、62分、AC長野に勝ち越しを許す。高和から宝田に出たパスを奪われてカウンターを受けると、川船のシュートがポストに当たった跳ね返りを大内梨央に詰められた。71分、セレッソは田中智子と浅山茉緩を投入。反撃に出た中で、73分、74分には連続してピンチも迎えたが、DFがしのいでAC長野に3点目は許さない。82分、セレッソは右サイドの浅山のクロスから中央で受けた高和のスルーパスに田中が抜け出し決定機に近い形を作ったが、田中はシュートではなくパスを選択。87分には、途中から左のウィングバックに入った新井がカットインからシュート。直後には、田子が相手を背負った状態から振り向きざまにシュートも、いずれもGK正面に飛んだ。終盤はセレッソが猛攻を仕掛けたが、追い付くことはできず、1-2で逆転負け。今シーズン初失点、初黒星を喫した。
 
試合後、松田岳夫監督は、「前からくる相手に対し、一歩二歩引いた状態で構えてしまった。気持ちは前に行きつつ、実際に体は動いていない。その一歩の違いで相手にボールが転がる、その一瞬のところで相手のリズムに陥ってしまった」と総括。同時に、「こういう悪いゲームの中でどうやって次に繋げていくかというのは、若いチームにとっては当然必要なこと。一番大事なのは気持ちの面で負けないこと」と今後の戦いにも目を向けた。次節はアウェイでのINAC神戸レオネッサ戦。まだ一度も勝ったことがない敵地でのI神戸戦で大きな1勝を掴み取るべく、今節、出た課題も含め、良い準備を重ねていきたい。

監督コメント

■松田 岳夫監督
「まずは遠いところまで応援に来ていただいたファン・サポーターの方に感謝したいです。ただ、それに見合うだけの結果を残せなかったことは非常に残念ですし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。前からくる相手に対し一歩二歩引いた状態で構えてしまった。気持ちは前に行きつつ、実際に体は動いていない。その一歩の違いで相手にボールが転がる、その一瞬のところで相手のリズムに陥ってしまった。そういう中でも、苦しみながら一点を取ったことは素晴らしいことですが、二失点とも自分たちのミスが原因でした。得点を取ることは難しいですが、失点はあっさり取られる、これが今のこのチームの現実です。これまで3試合無失点で来れたのは体を張っていた面もありますが、運に助けられた部分も大きかったです。そういう意味では今日ダメなところが出てしまった、そういうゲームだったと思います。ただこういう悪いゲームの中でどうやって次に繋げていくかというのは、若いチームにとっては当然必要なことですし、全てがうまく行くわけではないですが、一番大事なのは気持ちの面で負けないこと。それをプレーで表現することが我々の目的とするならば、まだまだ達成度は低く、やらなければいけないことがたくさんあると感じたゲームでした」

Q:長野の圧に対してどのようにボールを保持していきたかったのかと、出来た部分出来なかった部分はどのような点か?
「ボールを動かすだけでは相手を剥がすことはできない、では何が必要かというと人の流れが必要。人の流れという部分では前線の選手がどうしても相手を背負った状態で前に張りすぎてしまった、背後や斜めの動きがない、足元だけにこだわっていた、そういうところで相手の最終ラインの裏側にどうやって入るかというところでは、やはり物足りなさを感じました。後半その部分は少し改善されましたが、逆にスピードダウンして相手のコートでゲームを進めるうえで、今度は引き気味の相手をどう崩すかというところ。いずれにしても相手のディフェンスラインの背後に侵入する方法はまだこのチームにそう多くは作っていけないということを再確認しました」

選手コメント

■北原 朱夏選手
Q:2試合連続得点となりました。得点シーンを振り返って
「まずサイドに実結香が抜け出した時にマイナスで受けようとしたけど、足が届かなくてどうしようかと思った時にセリ(高和選手)がボールを追いかけて取ってくれて、中に入って正直届かないかと思って飛んだら、きれいに当たってキーパーの逆をついてゴールを決められてよかったなと思います」

Q:今日の試合を振り返って
「得点シーンのあと1分もたたないうちに決められてしまって、厳しい試合の中で得点だったので気が抜けて失点してしまったのかと思うのと、そのあと立て続けに2失点目も決められてしまい、結局追いつけずもったいない試合になってしまったと思います」

Q:次節INACレオネッサ戦への意気込み
「9月は上位チームとの戦いで厳しい相手が多いので、このINAC戦で勝って波に乗れるように1週間頑張っていきたいと思います」


■白垣 うの選手
Q:3試合無失点を維持していたものの、今日は2失点を喫してしまいました。今日の試合を振り返ってください
「前半あまり自分たちのボールにする時間が少なかったのと、後半は相手の陣地でしっかりボールを回せてシュートもいけたが、そこから守備の切り替えや集中が途切れて失点してしまったのは次の改善点です。また立て続けの失点もしっかり押さえていかないと、どんどん引きずってしまいもったいないので、次に改善していきたいと思います」

Q:これからI神戸、東京NBと上位の相手が続きます。より改善していきたいところは?
「得点後すぐの失点は本当に集中して無くしていかないといけないと思うことと、その次の失点も自分たちではっきりすることだったり、奪うこと繋ぐことを意識して次の試合に臨みたいと思います」


■高和 芹夏選手
Q:今日は後半からボランチの位置での出場となりました。監督からどのように送り出されましたか?
「パス出したら前抜けたりダイナミックな動きをつけてボールを回していくことを言われて入りました」

Q:ボランチでのポジションはいかがでしたか?
「元々ボランチでもプレーしていた時期があったので、ボランチとしてたくさんボールを触れることができた。納得はしていないですが、後半の入りは上手く入れたかと思います」

Q:次節I神戸戦への意気込み
「強い相手になりますが、連敗しないということと、INACに勝つことができるとそこから波に乗れるので来週の練習が大事になると思うので、もう1回引き締めて自分自身もポジション争いがあるので、試合に出場できるように頑張りたいと思います」