第3節
2025.8.24日
セレッソ大阪ヤンマーレディース
田子 夏海 (30')
北原 朱夏 (76')
2
HOME
FULL TIME
0
ヨドコウ桜スタジアム
1-0
1-0
ノジマステラ神奈川相模原
ヨドコウ桜スタジアム
1,669人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■松田岳夫監督
「まずは、ホームで多くの方に声援をいただいて、選手たちの背中を押していただきました。勝利するために必要だったパワーという意味では、欠かせないものでした。本当に有難く思っています。ゲームの方は、最初はなかなかリズムを掴めなかったのですが、少しスピードをコントロールしながらボールを動かすところに選手たちの意識を持っていきました。なかなかゴールに近づくための、相手をはがすプレーというのは、最初はなかなかできなかったのですが、時間の経過とともに、相手のギャップが見えてきた。そこに対してハードワークできたことが、ゴールにつながった要因かなと思います。それぞれの選手が、今、持っている力の100%に近いプレーをしてくれました。チーム全員で戦った成果だと思っています。ただ、1試合勝っただけなので、これをどうつなげていくか。これで満足せず、次の試合に全力を注いでいきたいです。我々の目指すところはもっともっと上にあるので、そこに向かってもう一回、しっかりとチームをコントロールしていきたいと思っています」
Q:セレッソ大阪ヤンマーレディースの監督に就任されて、初勝利になりました。初得点が決まった瞬間、勝利した瞬間の思いについて
「開幕戦は、ボールを動かす意識はあったけど、相手をはがせなかった。第2節は、相手の裏を目指すあまり、ボールを動かせなかった。その2つの課題を選手たちが意識してゲームができたことが、ゴールにつながったと思っています。点を取ったことはもちろん嬉しいですが、選手の成長、やるべきことが整理されて、ゲームの中で表現できている。そっちも、ゴールしたことと同じぐらい、良かったと思います。ゲームを勝ち切ったところについては、スタートの選手だけではなく、途中から入った選手がつないでくれたと思います。誰かのおかげで勝ったのではなく、チーム全員で掴み取った勝利だと思っています」
Q:1ゴール1アシストの北原選手、チーム初ゴールの田子選手、先発に抜擢した選手が結果を出しました。今週の紅白戦でも、北原選手は気持ちが出ていたと思います。練習は嘘をつかないと実感しましたが、起用の狙いと評価については?
「みんな段々と頭の中で整理されてきて、何をすべきか頭では理解しています。ただ、こうしたプレッシャーがかかる試合で表現することはまた一つ上の段階です。今日、それをやり切ってくれたのは良かったと思います。ただ、日々、競争なので。今日、いいプレーをしたから来週の先発も約束されている、というのではなく、また1週間、しっかりとチーム内で戦って欲しい。それが個人の成長だし、チームの成長だと思っています。今日に満足せず、次に向かって欲しいなと思います。今日のプレーは良かったと思います」
Q:宝田選手について、視野が広く、落ち着いたプレーぶりだったが?
「FWで勝負したいという強い意志を持って我々のチームに来てくれたというところで見ていくと、まだまだこんなものではないと。彼女のポテンシャルの全てを引き出せているわけではないし、それはコンディションも含めた彼女の問題と、自分の指導力の問題と。何を要求していくのか。厳しい要求はしていますが、うまく伝わり切っていないところがあります。今日のゲームでも失う回数も多かった。彼女の実力から考えたら、もっともっとやれることは多い。彼女が一番、分かっていると思います。これで満足していたら、次はない。いいプレーですが、全然、まだまだこんなものじゃないです」
Q:今節に向けて、「強度の連続性」の重要性も話されていたが、2点目も含め、そのような連続性が垣間見られたと思うが?
「プレーって、つながっていかないと機能しない。守備にしても、1回追って終わりではなくて、1回追って、2回追って、3回追って、ダメなら仕方ない。攻撃のところでも、パスを出したら次、来なくても次。連続的に考えていくことが、ああいう結果につながっていく。前の2試合を見ると、パスして終わりだったり、連続性が少なかった。あるいは強度が足りなかった。その2試合に比較すると、今日のゲームは非常に高い意識を持ってやってくれたと思っています」
選手コメント
■田子夏海選手
Q:今シーズンのチーム初ゴールになりました。決めた瞬間の思いは?
「嬉しかったです(笑)」
Q:クロスが来た瞬間は、シュートのイメージを持っていましたか?
「相手に前に入られそうになったのですが、先に自分がボールを触ろうと思って相手の前に出て、先にボールを触れたので、その後はゴールしか考えていなかったです」
Q:チームとして2試合ゴールがない中で、今日は先発で起用されました。どのような思いで試合に入りましたか?
「開幕からの2試合は途中出場だったのですが、今日はスタートから出る緊張もあったけど、自分が点を決めようという気持ちで入りました」
Q:チームとしても、後半はすごく生き生きと仕掛ける形を作っていました。3試合目にして、手応えも出てきたのでは?
「試合を重ねるにつれて、かみ合うようになったり、チームとして息が合ったプレーができるようになってきていると思います」
■北原朱夏選手
Q:先発という形でピッチに立ちましたが、試合前の思いは?
「とても嬉しかったですが、これまでスタメンで使ってもらった試合は空回りしがちだったので、練習でやっていることをそのまま試合で出そうと心掛けました。心は冷静に、プレーは熱く、という思いで臨みました(笑)」
Q:クロスから今季初ゴールが生まれました。あのシーンは狙い通りですか?
「はい。1対1だったので、仕掛けようか迷った時に、田子選手が走っているのが見えたので。コースも空いていたので、とりあえず上げようと思って上げました」
Q:後半は自身もゴールを取りました。WE初ゴールおめでとうございます!
「ありがとうございます!(笑)」
Q:宝田選手のシュートを詰める形になりましたが、あの場面を振り返ると?
「角度的にも詰めておいた方がいいなと思って。触るか触らないか迷ったのですが、一応、触って、『入れておけ!』って(笑)。沙織さんからは『ナイス!』って言ってもらいましたが、『ごめんなさい!』みたいな感じでしたね(笑)」
Q:1得点1アシストと、自身の活躍もあって今シーズン初勝利を手にしました。改めて、勝った瞬間の思いは?
「正直、嬉しかったです。勝利に関われたことも嬉しかった。自分自身、結構、落ち着いてプレーできました。相手や味方も見れていたので、あとはパスの質やクロスの質を上げていけたらいいなと思います」
■宝田沙織選手
Q:復帰後、初勝利になりました。勝った瞬間の率直な思いは?
「まずは良かったなという安心感があります(笑)」
Q:2試合連続スコアレスドローで、プレッシャーもあったと思いますが、1点目が入った瞬間は少し肩の荷が降りましたか?
「いや、ホントに1点目が入った瞬間、『やっと1点だ』と思って(笑)、そこから気が楽になって、自分たちがやりたいサッカーを少しずつ出せたかな、という感じです」
Q:後半は開始から勢いよく試合に入り、宝田選手自身もダブルタッチで相手を抜いてシュートまで行くシーンもありました。自分らしいプレーも出てきた実感もありますか?
「そうですね。今日の試合は、とりあえずシュートを打とうと意識していたので、そこは良かったかなと思います。あとは決めるだけです(笑)」
Q:復帰後初アシストという数字も付きました。和田選手のクロスを押し込む形になりましたが、あの場面を振り返ると?
「自分で狙ったのですが、当たり損ねて弱くなったなと思ったら、朱夏が押し込んでくれた
ので、有難かったです(笑)」
Q:誰よりも早いガッツポーズでしたね(笑)
「はい。自分が決めたかのように(笑)」
■新井萌禾選手
Q:加入後初勝利になりました。勝った瞬間の思いは?
「嬉しかったです(笑)」
Q:今節に向けては、どのような思いで入りましたか?
「シュートを狙うこと、後ろに落ち過ぎずに、沙織さんを意識しながら、前で関わろうと思っていました。前にボールが入った後、今日は関われるシーンも多く、バイタルで崩せるシーンもありました。第1節、第2節にはなかったゴール前での崩しが増えたと思います」
Q:前半、チーム1本目のシュート、ミドルシュートはクロスバーでした。手応えとしては、「行ったな?」という思いもあったのでは?
「入ったかな?と思ったのですが、入っていませんでした(苦笑)」
Q:その後、同期の田子選手がチーム初ゴールを持っていきました。あの瞬間の思いは?
「嬉しかったです!…でも、自分が決めたかったです(笑)」
Q:後半は肩の荷が降りたかのように、チーム全体が躍動していました。1点が大きかったですか?
「1点が入ったことによって、前に前に、というより、全体的にボールを見て、相手を見て、状況判断をしながら落ち着いてプレーできたかなと思います」
■脇阪麗奈選手
Q:今シーズン初勝利になりました。率直な思いは?
「負けていないけど勝てていなかった中で、ホームで勝利できたのは、ひとまず良かったと思います」
Q:開幕から2試合無得点が続き、今日も入りでは少し重さもあったように見えました。1点目の瞬間はどういう思いでしたか?
「1試合目より2試合目、2試合目より3試合目と、良くなってきた中で、全員で必ず得点を取ろうという意識で試合に入りました。ゴールが決まって良かったと思います」
Q:1得点1アシストの北原選手は、脇阪選手も全体練習後に一緒に自主練をするなど可愛がっている後輩だと思いますが、今日の活躍は先輩としてどう見ていましたか?
「1年目も昨シーズンも、なかなか出られない中でも、腐らずやってきた結果だと思います。全員が見習って、全員が試合に出たら結果を出せる選手になっていけば、チームの力も上がると思います。でも、いいチームになってきていると思います。全員の取り組む姿勢が全然違うので。今日の試合はとても良かったと思います」
Q:2点目が入ってから、脇阪選手を含めて、みんなの動きが見違えたように思います。やはりプレッシャーもありましたか?
「そうですね(笑)。点が取れていなかった中で、今日は1点目、2点目が取れて、まだ安心はしていなかったですが、勝利に近づいた気がして嬉しかったです」
田子夏海のチーム初ゴール、北原朱夏の1得点1アシストに加えて3試合連続クリーンシートと守備も安定。待望の今シーズン初勝利を飾る
2025/26 SOMPO WEリーグ第2節・ちふれASエルフェン埼玉から中7日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームに戻り、ノジマステラ神奈川相模原とのWEリーグ第3節に臨んだ。新体制初勝利、今シーズン初勝利を目指した今節。先発は前節から3人変更。荻久保優里、北原朱夏、田子夏海が揃って今シーズン初先発を果たした。
開始3分、左サイドで縦関係を組む田子と北原の連係でCKを獲得。早速、今季初先発の2人が前線で躍動すると、14分には脇阪麗奈のパスから背後を取った北原にビッグチャンス。ワントラップからシュートの体勢に持ち込んだが、フィニッシュの直前、DFのクリアに遭い、ゴールとはならず。直後のCKから再びセレッソに好機。セカンドボールを拾った新井萌禾が遠めから思い切って右足を振り抜き、ミドルシュート。自身も試合後に「入ったかな?と思った」と振り返る強い弾道で見事なコースへ飛んだが、惜しくもクロスバーを直撃した。20分にはセンターバックの白垣うのが果敢なドリブルで進入。スタジアムを沸かせる。22分、相手に高い位置で奪われ、ヒヤリとしたが、祐村ひかるのシュートは枠を外れて事なきを得た。23分、北原がドリブルで運んでクロス。ペナルティーエリアの手前で受けた宝田沙織が抑えの利いたシュートを放ったが、GKに止められた。開始から鋭い動きを見せていた北原だが、30分、ついにそのクロスから先制点を導く。「1対1だったので、仕掛けようか迷った時に、田子選手が走っているのが見えた。コースも空いていたので、クロスを上げました」とニアへ鋭いボールを送ると、中央で受けた田子夏海が相手DFより先に体を入れて、ボールをキープ。巧みなコントロールから左足でフィニッシュし、冷静にゴールへ流し込んだ。開幕3試合目にして生まれた待望のチーム初ゴール。決めたのは背番号28、将来のなでしこジャパン入りも期待される若きストライカーの田子だった。「今日はスタート(先発)からだったので緊張もあったけど、自分が点を決めようという気持ちで入りました」と強い気持ちを結果につなげ、ゴール後は会心の笑みを浮かべた。「最初はなかなかリズムを掴めなかったのですが、少しスピードをコントロールしながらボールを動かすところに選手たちの意識を持っていきました」と試合後に松田岳夫監督も振り返ったが、前半は必ずしも主導権を握っていたわけではなかったが、「計算できるゲームをしたい」(松田監督)と試合前にも話していたように、ややテンポを落としながらボールを握り、相手にも決定打を与えず先に点を取る、理想的な試合運びで前半を折り返した。
後半は開始早々、背後に抜けた宝田にパスが渡ってシュート。この場面を皮切りに、後半の立ち上がりはセレッソが再三、相手の背後を取ってチャンスを迎える。前半の先制点で重圧から解放されたセレッソの選手たち。後半は攻撃にも躍動感が漲り、攻から守への切り替えも早く、敵陣でのプレーを増やしていく。57分には米田博美のパスを受けた宝田がダブルタッチで相手をかわしてシュートを放つなど、背番号11も徐々にエンジンがかかってきた。64分にもセレッソに決定機。田子に代わって61分に入った和田麻希のパスを受けた北原のクロスに百濃実結香がファーから飛び込んだが、ここはヘディングがうまくミートしなかった。72分には、中央でパスをつなぎ、最後は宝田のパスに抜け出した新井がシュートを放ったが、わずかに枠を外れた。後半は終始ゴールの匂いが漂う攻撃を続けていたセレッソに待望の追加点が訪れたのは76分。決めたのは、先制点をアシストした北原だった。左サイドでボールを受けた和田がファーサイドへ巻いたクロスを上げると、飛び込んだ宝田がシュート。やや当たりが浅くなった中でもゴールへ向かったが、最後に北原が押し込んだ。「触るか触らないか迷ったのですが、角度的にも詰めておいた方がいいと思った」と試合後に振り返った北原のゴールを笑顔で祝福した宝田。自身にとっても復帰後初アシストとなった。その少し前には2度ほどピンチも迎えたセレッソだったが、それぞれ北原と脇阪が絞って対応。粘り強い守備が得点につながった。2点のリードでさらに攻撃のギアが上がったセレッソは、79分には脇阪が中央から持ち込み、左足でシュート。距離はあったが、迷わずフィニッシュを選択した。83分には宝田のクロスが相手のオウンゴールを誘いかけると、88分には途中出場の宮本光梨も果敢なシュートでゴールを狙った。セレッソは守備でも最後まで隙を作らない。85分には中谷莉奈が素早い寄せで好カバーを見せると、90分のピンチでもGK山下莉奈がしっかりセーブ。3試合連続クリーンシートを達成した。試合はこのまま2-0で終了。開幕3戦目にして待望の勝点3を掴んだ。
試合後監督会見の冒頭、「ホームで多くの方に声援をいただいて、選手たちの背中を押していただきました」と感謝の言葉を述べた松田監督。「それぞれの選手が、今、持っている力の100%に近いプレーをしてくれました。チーム全員で戦った成果だと思っています」と選手たちを称えた上で、「1試合勝っただけ。満足せず、次の試合に全力を注いでいきたい。我々の目指すところはもっともっと上にある」と勝って兜の緒を締めた。次節はアウェイでのAC長野パルセイロ・レディース戦。連勝でさらなる上位進出を狙う。