第22節
2025.5.17土
セレッソ大阪ヤンマーレディース
田子 夏海 (90+1')
1
HOME
FULL TIME
2
ヨドコウ桜スタジアム
0-1
1-1
大宮アルディージャVENTUS
井上 綾香 (37')
井上 綾香 (85')
ヨドコウ桜スタジアム
10,294人
ヤンマー #Football is Our Engineサポーティングマッチ
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「多くのファン、サポーターに足を運んでいただいたゲームで、こういうゲームをしっかりモノにしよう、と。戦術とかの前に、相手に気持ちで負けないようにと臨んだのですが、こういうゲームを勝ちで恩返しできないことが、まだまだ課題だと思います。その中でも、技術のところや、相手のプレッシャーをしっかり見ること、準備のところでも課題は残ったのかなと思います。個人、個人の課題をもう一回、見つめ直して、やればできる選手たちだと思うので、課題をしっかり来シーズンにつなげて、来シーズンこそは、この2シーズンの経験を糧に、さらなる飛躍をしてくれたらありがたいと思います」
Q:監督にとって、ラストのゲームでした。終えた今の気持ちと、来季以降、このクラブ、選手たちに期待することを改めてお願いします
「こういう勝たないといけないゲームで勝ちに持っていけないことが自分の課題なのかなと。もう一回、自分自身も見つめ直さないと、プロのレベルで指揮は執れないのかなという気持ちでいっぱいですし、そういうレベルに選手を持っていけなかった心残りはあります。あと少しのところで勝てなかったことを、どれだけ選手たちが重く課題として取り組んでくれるか。プロの世界は違う、ということをこの2年で感じたと思うので、選手自身、何をしたらいいのか、何をしなければいけないのか、そこをしっかり整理して、次のシーズンに向けて準備していただいて、飛躍するセレッソ大阪ヤンマーレディースを見れたら嬉しいなと思います」
Q:今節の目標である観客1万人(10,294人)を達成しましたが、このことについては?
「セレッソ大阪ヤンマーレディースを支えてくれている方々には感謝しかありません。1万人はそんなに簡単なことではありません。どれだけ尽力していただいたのか。勝利で恩返ししないといけない立場の人間でしたが、最後に勝利で終われなかったことは自分自身の課題として次の成長につなげたいのと、周りの人が支えてくれていることを選手自身が感じてくれたら、そこに対してまた努力してくれると思います。こういうスタジアム、多くの観客が入った中でプレーすることがプロだと思うので、その環境を関係者の皆さまが作り上げてくれました。何のために作り上げているのかと言えば、勝利することを期待して、努力していただいたと思います。もちろん、人が入った試合だけではないですが、今後は勝利で恩返しできるチームになってもらいたいと思います」
選手コメント
■脇阪麗奈選手
Q:前半は風下に立った影響もあり、ボールを前に運ぶことに苦労している様子も見られましたが、後半はほぼボールを握って攻めていました。試合を振り返ると?
「1点目がもう少し早く取れていたら、どっちに勝利がいくか分からなかった試合ですし、後半はチャンスしかなかったので…。ただ、それ(決め切れないこと)が今シーズンの課題であり、2年間の課題が出た試合になったと思います」
Q:今シーズン全体を振り返ると、勝点は21から23に伸びて、順位も9位から7位に上がりました。上積みはしていますが、どのような手応えや反省がありますか?
「勝点こそ昨年より積み上げたものの、昨年より悔しいシーズンになったと感じています。その中でも、全員がレベルアップしています。今年は7位ですが、来年はもっと上に行けるのではないかと思います」
Q:「昨シーズンより悔しい」という思いは、もっと上に行ける、という手応えもあったからこそ、でしょうか?
「そうですね。みんな成長していて、今シーズンの方がもったいない試合が多いと感じています。みんなできるからこそ、もっと勝てたという思いがあります」
Q:個人としては、脇阪選手のアシスト王が決定しました
「ありがとうございます(笑)。多分、(表彰のようなものは)何もないと思いますが(苦笑)、一つの結果として表れたことは自信になりますし、継続していきたいと思います」
Q:観客動員が1万人を超えましたが、プレーしていて、どのような思いでしたか?
「凄い歓声でした。(選手間の)声も聞こえない中でプレーできたことは幸せでしたし、力になりました。こういう試合が毎試合、続けばいいなと思いました」
Q:同期の森中選手が退団し、年上の福永選手や前川選手が引退されました。ずっと一緒にやってきた選手たちのセレモニーを、どのような思いで見ていましたか?
「いよいよお別れの時なのかなと、本当に寂しいです…(涙)」
Q:やはり彼女たちの存在は大きかったですか?
「はい。年下が多い中で、自分がキャプテンしている中でも、支えてくれていたメンバーだったので。心に穴が空いた感じがします(涙)」
Q:外からは見えにくい影響力、ピッチ外で支えてもらっていた部分が大きいですよね
「そうです、そこの方が大きいので。ピッチ内はピッチ内でしっかりやりますけど、ピッチ外の時間の方が長いですし、助けられた部分は多かったです。辞めていくメンバーがいなければ、私もキャプテンを続けられていたか分からないですし、支えてもらったと思います」
Q:最後に福永選手がピッチに入ってきた時の思いは?
「最後なんだなと、改めて感じました。絵梨香さんらしいプレーで、短い時間でしたけど、無失点で終えて、いい飛び出しもありました。まだまだできると思いますが、次のステージでも絵梨香さんなら輝けると思うので、次のステージでも応援したいです」
■矢形海優選手
Q:今シーズンが終わりました。率直な思いはいかがですか?
「今季、色々ありましたが、最後にホームで勝ちたかった思いが大きいのと、初めて1万人以上のお客さんに入っていただいた中で、勝ち切れなかったことは申し訳ない気持ちでいっぱいです」
Q:シーズンのラスト数試合は「壁を破りたい」とずっと言われていて、取り消されましたが、ネットを揺らしたシュートは、思いがこもったシュートに見えました。あの一撃を振り返ると?
「いいところにこぼれてきたので。色んな気持ちがあのシュートに乗って、突き刺さったと思います。ただ、ゴールではなかったので、壁はデカすぎました(苦笑)」
Q:あの場面は、映像を見たら、お互いフィフティーでぶつかっているので、ファウルではないようにも見えますが、そういうことも含めて、しっかり受け止める?
「そうですね。前半も麗奈からいいボールが来ましたし、そこで決め切れなかったことが今の自分の実力だと思うので。今シーズン、1年を通していい時期も悪い時期もあった中で、成長できた1年だったかなと、自分自身では思っています」
Q:WEリーグ全体で見ても、矢形選手ほど激動のシーズンを送った選手はいないと思うぐらい、前半は快進撃を続け、後半は苦しみ抜きました。目標の二桁得点は達成した一方、そこから積み上げる難しさも感じたシーズンを、来季にどう生かしたいですか?
「目標を達成したことで、来季はさらなる目標が生まれると思います。今年以上に厳しくなるとは思いますが、そこをどうこじ開けていくかが、自分自身に求められていること。気持ちだと思うので、また成長した姿をたくさんの人に見てもらえるように、オフシーズンが空けて、またイチから頑張りたいと思います」
■米田博美選手
Q:8試合ぶりのスタメンでしたが、試合に臨む心境はいかがでしたか?
「ケガもあり、後期はなかなか試合に出られず、悔しい気持ちもありましたが、監督が信用して下さって、最終節に起用していただいたことに感謝の気持ちと責任を持って戦おうと思いました。少し不安もあったのですが、練習の時からハセさん(長谷川歩コーチ)が声をかけて下さったり、トリさん(鳥居塚伸人監督)も気にかけて下さったり。今まで支えて下さった方、指導して下さった監督、コーチにプレーで恩返ししようと意識して臨みました」
Q:鳥居塚監督は、どんな監督でしたか?
「熱くて、“サッカー”を教えて下さった監督でした。プロリーグで戦う上で、プロの厳しさも教えて下さって、感謝の気持ちでいっぱいです」
Q:WEリーグ初ゴールもありましたが、今シーズンを振り返ると?
「U-20ワールドカップにも出場して、今までにはない1年でした。自分自身、いい経験を積ませてもらいましたが、まだまだやるべきこと、やらないといけないことも見えたシーズンだったので、来シーズンもまた一段と強くなって頑張っていきたいです」
■田子夏海選手
Q:後半アディショナルタイム、まだ諦めない気持ちも見えたゴールでした。反転して決めた得点シーンを振り返ると?
「練習後にあの形のシュート練習をしていたので、練習通りに決めることができて、嬉しかったです」
Q:前節、今節と2試合連続でのゴールになりました。掴んだモノはありますか?
「ゴールが見えたら打つことは、より意識するようになりました」
Q:1万人の前でのプレーはいかがでしたか?
「絶えず歓声があって、一体感があって、凄かったです。(ゴールを決めた瞬間の歓声は?)あまり覚えていないです。(夢中でプレーしていて)聞こえなかったです(笑)」
Q:シーズン後半戦から加入されて、WEリーグを戦った感想は?
「途中からの加入で、合わせることなど難しかった部分もありましたが、段々と慣れて、自分の得意なプレーも出せるようになってきたので、良かったと思います」
■福永絵梨香選手
Q:WEリーグデビューになりました。ピッチに立った瞬間の思いはいかがでしたか?
「1万人の方が足を運んで下さって、歓声が凄かったです。小さい頃に思い浮かべていた夢が、今日のこの光景やったので、感動してウルっと来ました(笑)」
Q:フィールドプレーヤーなら途中で入ることもありますが、福永選手はGKなので、鳥居塚監督がどういう判断を下されるのかな?と思って見ていたのですが、福永選手自身は、どういう心境で準備していましたか?
「(引退することに関係なく)いつもベンチに入った時は、(先発したGKに)何かあるかも知れない、ということで準備していますし、今日も同じように、いつ出番が来てもいいように準備していました。交代の回数があと1回だったので、まひ(浅山)が痛めたタイミングで、(中谷選手と)一緒に入ることになりました。少し早めに入ることになったと思うので、その分、より長くプレーできたので、嬉しかったです」
Q:プレー機会も結構ありましたね(笑)
「はい(笑)。最初、入ってすぐ(米田)博美とぶつかってしまい…(苦笑)。風は(向かい風でボールが少し戻ることは)分かっていたのですが、行くしかないと。ここで迷って、相手に先に触られて失点は嫌だったので、最後はやり切ろうと。後悔しないようにチャレンジした結果、ぶつかったのですが、博美に『ごめんな』と謝りました(笑)」
Q:結果、無失点で終えましたし、チャレンジ精神が生きましたね。あと、フィードで素晴らしいパスを通したシーンがあり、スタンドの選手たちが沸いていました(笑)
「フフフ(笑)。相手が引いていて、スペースもあったので。ピッチに入る時も、トリさんから『まだ時間はあるから。ここからまだ行けるぞ』という声をかけていただいたので、とにかく前を向いて、フリーな選手を目掛けて蹴ろうと思ってピッチに入りました。最後に夏海が取ってくれて、嬉しかったです」
Q:ピッチに立っている時に、ゴールを味わえましたね
「そうです、そうです。この感覚、懐かしいなと思いながら(笑)。観客がワーッてなるのと、味方で喜べることがサッカーの醍醐味だなと、最後に味わえて良かったです」
Q:先ほど、決めた田子選手自身は、「(夢中で歓声は)聞こえなかった」と話していましたが、後ろからは、1万人の歓声は違いましたか?
「違いましたね。ウワーッっていう、凄い歓声でした。取った後のイケイケ、追いつくための盛り上がりも違いました。サポーターの皆さんがもう一段階ギアを上げて、歓声を届けてくれた感じで、いい最後になりました」
Q:セレモニーでは、スピーチもしっかり話していましたね。前川選手もそうでしたが、感心しました
「いえいえ(笑)。カンペを持ち込もうかなと思ったのですが、書き出したらまとまらなくて。逆に、浮かんだことを喋ろうと思って、ほぼアドリブで思いついたことを喋りました(笑)」
Q:お父様の話もありましたが、「やり切った」と、いい報告ができそうですか?
「はい。お父さんとお別れした時も、セレッソに加入していた高3の時だったのですが、一人なら立ち直れていなかったと思います。人生で一番、落ち込んだのですが、みんなが声をかけてくれたので、サッカーっていいな、チームスポーツだなと思いました。みんなのおかげで前を向けました」
Q:先ほど、脇阪選手も、それまでは普通に話していたのですが、福永選手や前川選手、森中選手の話になった途端、涙を流していました
「セレモニーの時も、(花束を渡す)一人目が麗奈だったのですが、あまり人前で泣かない麗奈が泣いているのを見て、自分もグッときて泣いちゃって…(涙)。りっちゃん(筒井)に、『泣くの早すぎ、まだ早い(笑)』って言われました(苦笑)」
Q:ピッチに入る瞬間、山下選手とは、どんなやり取りをしましたか?
「莉奈とハイタッチをして、『頑張って!』と言ってもらって入りました。実は莉奈とは同期入団でした。莉奈が中1、自分が高1なんですけど、入ったタイミングが同じで、一番長く一緒にやっていました。交代で入るタイミングは色んな思いが込み上げてきました(涙)。GKは一人しかピッチに立てないのですが、セレッソは全員がいいキャラクターをしていて、本当にいい空気感で練習していたので、大好きでした。セレッソのGKで良かったなと思います。カキさん(垣井大治GKコーチ)を含め、GK陣が大好きです」
Q:今後、GKの4選手に期待することは?
「セレッソのゴールを守っていく重み、責任もあると思いますが、これからもみんなで頑張っていって欲しいなと思います。一番、応援しています」
Q:来季以降、スクールのGKコーチとしてセレッソに関わっていくということですが、最後に抱負をお願いします
「いずれはレディースのGKコーチになりたい思いもあるので、しっかりレベルアップして、また戻ってこれるように勉強してきます!」
今シーズン最終節を勝利で飾れず。鳥居塚伸人監督のもと、2シーズンのWEリーグを戦い終える
今シーズンの最終節であり、WE参入後、チームを率いてきた鳥居塚伸人監督が指揮を執る最後の試合となった今節。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームに大宮アルディージャVENTUSを迎え、2024-25 SOMPO WEリーグ第22節に臨んだ。先発は前節から2人変更。田中智子が3試合ぶりにスタメンに名を連ね、CBの一角には米田博美が8試合ぶりに先発。ベンチには、今シーズンをもって現役引退を発表したGK福永絵梨香も入った。
午前中は強く降っていた雨が止んだ中で始まった試合だが、蒸し暑さとともに吹きつける風が強く、両チーム、風の影響も受けながらの一戦となった。前半、風下に立ったC大阪は、立ち上がりからボールを握って矢形にボールを集めるが、シュートまで行けずにいると、徐々に大宮Vのサイド攻撃にゴールを脅かされる場面も増えていく。21分には、脇阪麗奈から矢形へピンポイントのパスが渡るが、胸トラップからのシュートは打ち切れず。互いに決定機と呼べるシーンはなく、飲水タイムに入った。飲水タイム明け、攻勢を強めたのはC大阪。30分、高和芹夏が右サイドを深く進入してシュートを放つと、34分には後ろからつないで右サイドを崩しにかかる。ただし、仕留め切れずにいると、37分、大宮Vに先制を許す。互いにチャンスの少ない静かな展開で推移した前半の中で、大宮Vにワンチャンスを生かされた格好となった。C大阪も失点後にもう一つギアを入れると、前半アディショナル、百濃実結香がペナルティーエリアの外から巻いたミドルシュートを放つ。良い軌道を描いてゴールに向かったが、惜しくもポストを直撃。跳ね返りに詰めた矢形がチャンスを迎えたが、シュートはDFのブロックに遭う。そのこぼれ球に反応した高和のシュートはより決定的に近い形だったが、再びDFにブロックされ、ゴールならず。前半はC大阪がボールを握る時間こそ長かったが、思うようにアタッキングサードに入っていくことができず、守備ではサイドからのクロスに一瞬の隙を突かれて失点。1点ビハインドで折り返した。
後半は風上に立ったC大阪が攻め込む回数を増やし、多くの時間帯を相手陣地で過ごす展開に。47分には、脇阪のCKを相手がクリアしたこぼれ球を拾った矢形が左足でシュート。思い切りよく振り抜き、見事ゴールに突き刺したが、その前にC大阪にファウルがあったとして、ゴールは無効に。第12節以来10試合ぶりのゴールとはならず、背番号11は天を仰いだ。その後もC大阪が高い位置でボールをつないでゴールに迫ると、58分には宮本光梨のボール奪取から田中智子がチャンスを迎えるも、シュートは打ち切れず。67分には、脇阪が起点となって右サイドへ展開。高和、中西ふうとつないで崩し、最後は脇阪がシュートもクロスバーを越えた。68分、田中に代わって、前節ゴールを決めた田子夏海がピッチに入ると、71分、米田のパスを受けた田子がワントラップから振り向きざまにシュート。遠めの位置だったが、自身にとっては射程距離。思い切ってシュートを放った。75分には、田子の落としから高和がシュート。際どいコースへ飛んだが、わずかに枠を外れた。攻撃を加速させる田子は、77分にも見せ場を作る。ハーフェーライン付近でボールを受けると、そのままドリブルで持ち運び、最後は対応に来た相手選手にユニフォームを掴まれながらもシュートを打ち切ったが、GKに防がれた。後半は自分たちのターンが続いていた中で、同点ゴールを奪い切れずにいると、86分、前半と同様、再びCB陣が一瞬の隙を突かれて井上綾香に突破され、2点目を決められた。直後には、GK山下莉奈に代わって福永が入る。大きな歓声を受けてWEリーグデビューを飾った背番号1。入った直後、相手のロングボールに対して味方と交錯する場面もあったが、その後は落ち着いて対応すると、良い飛び出しから鋭いパスを前線に入れるなど、チームを活性化。「ピッチに入る時も、トリさんから『まだ時間はあるから。ここからまだ行けるぞ』という声をかけていただいたので、とにかく前を向いて、フリーな選手を目掛けて蹴ろうと思ってピッチに入りました」と攻撃的な姿勢を貫くと、後半アディショナルタイム、90+1分に1点を返す。相手のゴールキックからのセカンドボールを荻久保優里が跳ね返し、脇阪、矢形とつなぎ、最後はボールを収めた田子が反転して、鋭いシュートを叩き込んだ。ホームゴール裏とバックスタンドが解放された今節。目標の1万人を突破し、10,294人の観客で埋まったスタンドが大いに沸くと、C大阪サポーターの応援のボルテージもさらに上昇。90+4分には、CKのセカンドボールに詰めた高和に決定機も、シュートはクロスバーを越えた。最後まで同点、逆転を目指して攻め続けたC大阪だったが、1点及ばずタイムアップ。今シーズンの最終節であり、鳥居塚監督のラストマッチを白星で飾ることはできなかった。
試合後は、日置貴之代表取締役社長、キャプテンの脇阪、鳥居塚監督の挨拶に続き、今シーズンをもって退団する丸井優奈、四海結稀奈、森中陽菜が挨拶。【#1万人よ咲き誇れ~CEREZOファミリーいざ集結~】と銘打たれた今節。1万人の集客へ向けて、率先して動いた森中は、試合後、「(電光掲示板に)観客数が出た時は達成感がありました。本当に嬉しかったです!(笑)」と感無量の様子。ピッチでの挨拶の最後には、バックスタンドを埋めたサッカー少年少女に対して、「プロを目指す子どもたち、ぜひこのピッチを夢にサッカーを楽しんで、全力でプレーして下さい!」と呼びかけると、子どもたちから大きな拍手と歓声が送られた。その後は、今シーズンをもって現役を引退する福永絵梨香、前川美紀のセレモニーが実施され、両選手がピッチ中央で挨拶。これまで支えてくれた家族やチームメート、指導者に感謝の思いを述べるとともに、サポーターのチャントにも応え、最後の勇姿を刻んだ。セレッソ大阪ヤンマーレディースへの愛情がたっぷり詰まったスピーチに、キャプテン脇阪の目にも涙。同期の森中を含め、「このメンバーがいなければ、キャプテンを続けられていたか分からないです。本当に支えてもらいました」と、試合後のミックスゾーンでは、時折、言葉を詰まらせながら感謝の思いを述べた。WE参入から2シーズン指揮を執った鳥居塚監督は、「この2年で感じた課題を糧に、来季はさらに飛躍するセレッソ大阪ヤンマーレディースを見れたら嬉しいなと思います」と選手たちにエールを送った。昨シーズンより2つ順位を上げて7位でフィニッシュした今シーズンを経て、監督も代わって迎える来シーズン、チームはさらなる成長を目指し、新たな戦いに挑む。