2024-25 SOMPO WEリーグ第20節

2025.5.4

セレッソ大阪ヤンマーレディース

百濃 実結香 (11')

宮本 光梨 (49')

脇阪 麗奈 (79')

3

HOME

FULL TIME

1

1-0

2-1

マイナビ仙台レディース

大西 若菜 (82')

ヨドコウ桜スタジアム

2,061

タマノイ酢サポーティングマッチ

ギャラリー

MATCH REVIEW

百濃実結香の先制点に、宮本光梨のWEリーグ初ゴールで追加点。脇阪麗奈の直接FKで締めて快勝!リーグ後半戦ホーム初勝利を飾る

 

1-3の逆転負けを喫した前節のINAC神戸レオネッサ戦から中6日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームに戻り、マイナビ仙台レディースとの2024-25 SOMPO WEリーグ第20節に臨んだ。先発は前節から1人変更。前節、先制点を決めた田中智子に代わって田子夏海が入り、矢形海優と2トップを組んだ。試合前には前節達成した脇阪麗奈のWEリーグ・なでしこリーグ通算200試合を祝い、ご家族から花束が送られるセレモニーも行われた。

 

強い風が吹いていた今節。風下に立った前半、立ち上がりはC大阪が守勢に回る。マイ仙台にボールを握られる時間も続いたが、ここをしのぐと9分、C大阪にチャンス。百濃実結香のドリブルを起点に最後は宮本光梨がシュートを放ったが、惜しくもGKに止められた。ただし、次の好機を得点につなげる。11分、GK山下莉奈から中西ふう、高和芹夏、宮本、高和、矢形と巧みにつないで右サイドを突破すると、最後は中西のクロスにファーサイドから勢い良く入ってきた百濃がトラップからフィニッシュに持ち込み、力強いシュートを決めた。百濃の今季3点目で先制したC大阪は、14分にも好機。田子がドリブルで運び、高和が右へ展開。再び中西のクロスを今度は矢形が落とし、脇阪がシュート。ペナルティーエリアの外から強烈な弾道がゴールに向かったが、わずかにクロスバーを越えた。その2分後には連動した守備から高い位置で奪い、脇阪のクロスに矢形が頭で飛び込んだが、ここは惜しくもヒットしなかった。ボールこそ握られるも、立て続けにチャンスを作ったC大阪。前節に続き、良い試合の入りを見せた。前半はその後もボールを持つ時間はマイ仙台の方が長かったが、C大阪も守備で穴を空けずに対応すると、今節6試合ぶりに先発した田子がここから3本のシュートを放つなど気を吐く。特に34分、宮本の縦パスを収めてフィニッシュに持ち込んだ場面はストライカーとしての大いなる可能性を感じさせた。39分にはFKのこぼれ球からマイ仙台に決定機も作られたが、ここはシュートがクロスバーを越えて、失点せず。前半はC大阪が1点リードで折り返した。

 

ハーフタイムに3人選手を替えてきたマイ仙台だが、後半も最初にスコアを動かしたのはC大阪。49分、スローインの流れから田子がキープして宮本へパスを出すと、ボールを受けた宮本がドリブルで運んで相手を交わし、前を向いて右足を一閃。鋭いシュートが突き刺さり、宮本にとっては嬉しいWEリーグ初ゴールが決まった。試合に向けて、「コースが見えたら積極的にシュートを打つことを意識しています。ゴールも狙って、決め切れるように頑張ります!」と話していた背番号18だが、そうした意欲を結果につなげてみせた。ゴール後はチームメートの祝福を受け、「気付いたら埋もれていました(笑)。喜んでもらえて嬉しかったです」と満面の笑みを浮かべた。62分、脇阪のCKに浅山茉緩が合わせたシュートがポストを直撃すると、71分、74分には立て続けに矢形にチャンスが訪れたが、脇阪のスルーパスに抜け出した前者はややトラップが大きくなってシュートを打てず、中西のクロスを受けた後者は「シュートする前のコントロールが決まらず」(矢形)パワーを乗せたシュートを打つことができなかった。後半は主導権を握り続けたC大阪は、79分、百濃がドリブルで仕掛けてファウルを受け、脇阪の蹴ったFKが風に乗ってゴールに向かうと、GKが目測を誤り、弾き切れずにゴールイン。やや幸運な形ではあったが、脇阪のキック精度の高さが生んだ得点でもあり、試合を決定付ける3点目が決まった。82分にCKから1点を返されたが、試合はこのまま3-1でC大阪が勝利。リーグ後半戦、ホームでは待望の初勝利を飾った。

 

今節の結果、セレッソ大阪ヤンマーレディースは勝点を23に伸ばし、昨年の21を超えた。「シーズン当初の目標としては、少しでも早く昨年の勝点を超えよう、というところから始まった」(鳥居塚伸人監督)だけに、「ようやく」(鳥居塚監督)との思いもあるが、ボールを握る部分も含めて「成長している」(鳥居塚監督)ことは間違いなく、残り2試合もチームとして、選手個々として、さらなる成長を目指して戦う。


監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「多くのサポーターに足を運んでいただいた中で、後期ホーム初勝利という形で恩返しできたことは良かったと思います。今日は選手の頑張りに尽きるのかなと思います。試合前も、『残り3試合、気持ちを込めて戦おう』と話していた中で、まず今日、結果につながったことは良かったです。今日は1点を取った後も守りに入らず、2点目、3点目を取りにいく姿勢も出ていました。(自陣)ゴール前のところでも、エラーはありましたが、気持ちを入れて戦ってくれました。今日の試合に関しては、選手を称えたいと思います」
 
Q:今日は得点の取り方が良かったと思います。時間帯もそうですし、効果的に決定機を仕留めた印象です。バリエーションとしても、1点目はGKからつないでフィニッシュまで、2点目はスローインからショートカウンター気味にミドルシュート、3点目はセットプレー。様々な形で攻めた攻撃面の収穫については?
「ゴール前での積極性があったと思います。1点目も百濃が足を振ってゴールを取れたことは成長を感じますし、宮本も、あそこで運んでミドルをしっかり出せました。脇阪も、ラッキーとは言っても、相手にとって嫌なところに入れるからこそ生まれたゴールです。攻撃においても選手個々が成長していると思うので、継続していくことが必要かなと思います」
 
Q:宮本選手はWE初ゴールでした。周りの選手たちも祝福していましたが、彼女の取り組みについては?
「ここのところ、あのゾーンでのフィニッシュの回数は増えていました。それが結果として残ったことで、自信につながると思います。中央で受けてターンする、さばくだけではなく、そこから進入してフィニッシュまで行けたら相手にとってもっと怖い選手になります。シュートを狙うことで、今度はサイドが空いてきたり、スルーパスを通せたりすると思います。シュートを自分の引き出しにしっかり入れて、どのゲームでもフィニッシュを意識しながらやっていけば、さらにいい選手になると思うので、期待したいです」
 
Q:今日の結果で勝点23になり、昨年の21を超えました。残り2試合の意気込みと合わせてお願いします
「シーズン当初の目標としては、少しでも早く昨年の勝点を超えよう、というところから始まりました。前期の内に超えたいという目標もあった中で、前期に関してはは昨年より勝点を取っていたと思いますが、後期に入って引き分けはあっても勝点を積み重ねることができなかった中で、ようやく昨年を超えることができました。あと2試合、さらなる成長を目指してチャレンジしたいです。ボールを握ることも出来つつあると思うので、そういうところは選手に自信を持ってもらって。残りの2試合も自分たちがボールを握りながら、相手を見てジャッジして、その中でいつ点を取りにいくのか、コントロールする時間を作るのか。今日も選手がうまくコーナーキックを使っていましたし、成長している姿も見られたゲームになりました。残り2試合、さらなる成長を目指して戦っていきたいと思います」

選手コメント

■百濃実結香選手
Q:チームを勢い付けた先制点になりました。振り返ると?
「(中西)ふうちゃんが完璧なクロスを上げてくれました。練習からそういうシーンはあったので、そこに勢い良く入っていくことは意識していました。試合前のミーティングでも、『相手の背後を狙っていこう』という話もあったので、とりあえず勢い良く入っていきました。トラップはミスしてしまったのですが(笑)、思い切って打って、入ったので良かったです」
 
Q:斜めに入って決める形は少し新鮮に映ったが?
「元々、FWをやっていた時から背後の抜け出しは得意でした。(WE参入後は)サイドに張ることも多く、そのイメージが強いかも知れないですが、得意な形ではありました(笑)」
 
Q:今季3点目です。昨季に比べると、着実に伸ばしているが?
「まだ今季の目標には全然届いていないので、最後までゴールを目指してプレーします!」
 
 
■中西ふう選手
Q:「クロスからアシストをしたい」と話していたが、達成しましたね。
「良かったです(笑)」
 
Q:あの場面は、田子選手も狙いつつ、裏の百濃選手も視野も入れて、という感じでしたか?
「とにかくディフェンスラインとGKの間に流し込もうと思って蹴りました。蹴った後、気付いたら実結香が決めていました。アシストが付いたので、実結香に感謝しています」
 
Q:GKからつないで展開したゴールでした。いい崩しでしたね
「あまり覚えていないですが(苦笑)、いいクロスを上げれて良かったです」
 
Q:「今節は勝利だけにこだわる」という意気込みも実行できましたね
「今日はいい試合を見せられたと思うので、残り2試合もしっかり準備して、勝ち続けて終わりたいです」
 
 
■宮本光梨選手
Q:念願のWE初ゴール、おめでとうございます!
「ありがとうございます!」
 
Q:ご自身で得点を振り返ると?
「前半にも1本打って、決め切れなかったので、次チャンスがあれば決めたいと思って、ずっと狙っていた中で、なっちゃん(田子夏海)からパスが来て、ゴールが見えたので、足を振り抜きました」
 
Q:一人交わして、ストライカーのようでした。決まった瞬間の思いは?
「打った後、ずっとボールを見ていて、『あー、入った!』という感じでしたね(笑)」
 
Q:軌道を見る余裕もあったんですね。周りの選手たちの祝福が凄かったですね(笑)
「気付いたら埋もれていました(笑)。喜んでもらえて嬉しかったです。(古澤)留衣さんも凄く喜んでくれました。『上から、打て―!って、叫んでいたよ』と言っていたので、『聞こえていたよ』と言っておきました(笑)」
 
Q:後期のホーム初勝利になりました。残り2試合に向けて抱負をお願いします
「後期はホームで勝てていなかったので、やっとですけど、勝てて良かったです。今シーズン最終戦となる次のホームでもしっかり勝ちたいです。そこにつながる試合になったと思います」
 
Q:最後のホームは「#1万人よ咲き誇れ 〜CEREZOファミリーいざ集結〜」ですからね
「留衣さんが集客を頑張ってくれているので、私たちも協力していきたいです!」

 
■脇阪麗奈選手
Q:3-1という快勝でした。試合を振り返ると?
「今日もお客さんが入ってくれていた中で、簡単な試合にならないことは分かっていましたが、全員で声を掛け合って、勝てて良かったです」
 
Q:勝点として、昨シーズンを超えました。もちろん残り2試合でさらに伸ばしていきたいと思いますが、ひとまず昨シーズンを超えたことについては?
「昨シーズンを超えたということは、より成長はしていると思いますし、確実に実力は付いていると思います。もったいない試合もたくさんあった中で、ひとまず昨シーズンを超えることができたことは良かったです」
 
Q:個人としては、開幕前に掲げていた5得点10アシストまで、あと2得点3アシストです。目指せない数字ではないと思いますが、自身3点目になった今日のFKは?
「今日のFKは、蹴ったら、たまたま風がめっちゃ吹いていて、上に上がって入りました。風のおかげかなと思います(笑)」
 
Q:矢形選手を狙ったパスも多くありましたが、残り2試合、決めてもらいたい?
「そうですね。何とかして得点王を獲って欲しいですし、ボールを持ったらやかちを見るようにしています。動き出しがいいので、自分は合わせるだけ。今日も惜しかったですが、まだ2試合あるので、焦らずやって頑張ってもらいたいです」
 
Q:今日は試合前に、WEリーグ・なでしこリーグ通算200試合のセレモニーもありました。家族の前で、いい姿を見せられましたね
「普段はお母さんとお父さんしか見に来れないのですが、今日はゴールデンウイークだったので、兄も妹も見に来てくれました。その中で点も取れて勝てたので良かったです!」
 
 
■矢形海優選手
Q:3-1という快勝でした。試合を振り返ると?
「前半の最初は相手に攻められるシーンもあったのですが、そこを耐えて、最初のチャンスを実結香が決めてくれたので、そこでチームにいい流れが来たと思います」
 
Q:後半に関しては、矢形選手にも2度、3度とチャンスが来たが?
「チャンスは何回かありましたが、シュートする前のコントロールが決まらなかったから、コロコロシュートになってしまったと思います。後期はまだ1点しか取っていないので、FWとしては全然ダメなので、残り2試合、何とか1点でも多く取って、暗闇の中の壁をぶち壊したいです」
 
Q:残り2試合、可能性がある限り得点王を狙って欲しいです。サポーターの皆さんも思っていると思います。頑張って下さい!
「はい、ありがとうございます!」