第18節
2025.4.19土
ノジマステラ神奈川相模原
0
AWAY
FULL TIME
2
相模原ギオンスタジアム
0-2
0-0
セレッソ大阪ヤンマーレディース
脇阪 麗奈 (6')
百濃 実結香 (45+1')
相模原ギオンスタジアム
710人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「今シーズンも残り5試合というところで、後期になってなかなか勝てていない中、選手たちには、『今までやってきたことをしっかり出し切ろう』と伝えて今節に臨みました。前節の浦和戦も必死になって戦いましたが、失点してしまった。あれでは足りないと、さらに改善して、このゲームに臨みました。なかなか勝てない中でも足を運んで下さったサポーターに今日は勝利をプレゼントすることができて良かったなと思います。入りのところで脇阪が点を取ったことで優位に進められたことが今日の勝因かなと思いますし、前半、そのままリードして帰ってくるプラン以上に、PKを取って2点目を取れたことも大きかったと思います。ただ、こういうゲームでどう落ち着いて90分を進めるか。そこは課題が見えました。(リード時の)後半のゲーム運びは今後の課題として、残り4試合も勝利できるように頑張っていきたいと思います」
Q:前半を振り返ると、先制点の過程もそうでしたが、チームとして良い奪い方ができていたシーンも多かったが?
「当初から、ウチは前からプレッシャーをかけて、高い位置でボールを奪ってゴールを目指すことはやってきたので、それをまた徹底することを再確認してこのゲームに臨みました。ああいう形で前からプレッシャーをかけてボールを奪えたことは、ウチのストロングが出たと思うので、継続していきたいです」
Q:前後半を通じて粘り強い守備、体を張った守備は今日も継続して見られました。その上で、複数得点は後期に入って初めてでした。1点目のミドルシュート、2点目のPKにつながった仕掛け、さらに後半もチャンスの数自体は多くなかったですが、途中から入った選手たちも積極的にシュートを打つ姿勢が見られました。そのあたり、複数得点を取れたことについては?
「まず守備のところは、選手たちが必死で守って失点ゼロで抑えたことは評価したいです。得点に関しては、積極的にシュートを打ったからこそ、あの得点も生まれたと思うので、そこは今後も継続してチャレンジさせたいです。前半も1-0で終わらず、相手の隙を逃さずチャレンジしたことが2点目につながったと思います。相手をしっかり見て、チャンスと思えば打つ、仕掛ける。そこを逃さずやっていくことが残り4試合でもポイントになると思います。課題とストロングを見直しつつまたトレーニングを積んで、ゴールに向かっていきたいです」
選手コメント
◾️脇阪麗奈選手
Q:先制点のシーンについて。いい奪い方をした後、少し遠い位置でしたが、思い切って狙いました。シュートを狙った思いと、ゴールを自身で振り返ると?
「ボールを奪ったときに、シュート練習していたそのままの形だったので、時間帯も早かったので思いきって打ったら入ってよかったです。シュート練習はいつも田尻コーチや大倉マネージャーが手伝ってくれているおかげなので、1人で取ったゴールではないので感謝したいです」
Q:古巣のホームで決めた思いはありますか?
「ノジマ在籍時はこのスタジアムでずっと試合をしていて、久しぶりにこのスタジアムでゴールを決められて嬉しかったです」
Q:8試合ぶりの勝利をどうつなげていきたい?
「残り4試合なので、必ず全勝し1つでも順位を上げられるように頑張りたいです」
◾️百濃実結香選手
Q:PKにつながった仕掛けについて。自身で振り返ると?
「(宮本)光梨さんからのパスが相手寄りになったので、セカンドボールを狙えていたことと、最初シュートを打つか迷いましたが、足が引っかかりPKに繋がったのでよかったです」
Q:キッカーは志願した?
「麗奈さんが『蹴る?』って聞いてくれたので、『蹴ります!』と蹴らさせていただきました」
Q:試合前は「チャンスで決め切れない」という言葉もあったが、「自分で決める」という気持ちが見えたが?
「今までだと譲っていたシーンかも知れませんが、後半戦で点も決められていなかったので、絶対決めたいという気持ちが自分で蹴りたい!という気持ちに繋がったと思います」
◾️中谷莉奈選手
Q:無失点で終えた守備について。クロスを入れられるシーンも多かったが、どう守ろうと思っていた?
「後半は特に攻められることが多く、絶対無失点で終えようと守備陣で話していたので、とにかく全員で体を張って守ることを意識していました」
Q:久しぶりの先発で、90分を戦い抜いたことについて
「自分自身、後半戦は出られない時間が多く悔しい思いをしていた中で、チャンスをもらえてすごく楽しくプレーすることができましたし、思い切りやろうと90分戦いました」
Q:次節INAC戦への意気込みを
「上位のチームで強いと分かっていますが、自分たちらしくアグレッシブに戦って絶対勝利してまた喜びあえるように頑張ります」
◾️山下莉奈選手
Q:クリーンシートでの勝利について
「後半戦勝利がなかったのと、無失点で終わる試合がなかったので、ディフェンスライン全員で集中してやりきれた結果が、今日の結果かと思います」
Q:後半は攻め込まれる時間帯も長かったが、守っていた心境について
「守っている時間や蹴り込まれる時間が長くて、跳ね返す距離も微妙になったりと自分たちのミスで何回かやられそうなシーンがありましたが、1人1人を信じてカバーしようと思っていたので、無失点で終えられてよかったです」
Q:74分、相手のシュートを右手1本で防いだシーンはスーパーセーブだったが、自身で振り返ると?
「足が運べていたので、あとは高さを合わせるだけで、風向きが逆じゃなかったのでよかったと思います」
脇阪麗奈の芸術ミドルで先制、自ら得たPKを百濃実結香が決めて追加点。チーム一丸の守備でクリーンシートも達成し、リーグ後半戦初勝利を飾る
善戦するも一歩及ばず0-1で敗れた前節の三菱重工浦和レッズレディース戦から中5日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、リーグ後半戦の初勝利を目指し、ノジマステラ神奈川相模原のホームに乗り込み2024-25 SOMPO WEリーグ第18節に挑んだ。先発は浦和戦から1人変更。筒井梨香が外れて中谷莉奈がリーグ戦7試合ぶりにスタメンを飾り、センターバックの一角に入った。
風下に立った前半、入りはやや攻め込まれたが、ここをしのぐと6分、先制に成功する。高い位置で相手のパスをカットした脇阪麗奈がドリブルで運び、遠めの位置からロングシュートを放つと、カーブがかかった素晴らしい軌道を描いて、見事ゴールに吸い込まれた。「ボールを奪ったときに、シュート練習していたそのままの形だったので、思いきって打ちました。シュート練習はいつも田尻コーチや大倉マネージャーが手伝ってくれているおかげなので、感謝したいです」と振り返った背番号10。2021-22シーズンに在籍していた古巣のホームで挨拶代わりの一撃を叩き込んだ。その後は守勢に回る時間も続いたが、15分、相手の直接ゴールに向かってきたCKをGK山下莉奈がしっかり弾くなどN相模原のセットプレーもしっかり防いだ。試合開始時の気温が27度という夏日だったこともあり、今節の前半は飲水タイムが設けられた。飲水タイム明けはC大阪にチャンス。26分、再び脇阪が高い位置で奪うと、高和から背後へ飛び出した矢形へパスが通りかける。27分には前線で矢形が起点となり、後方から上がってきた中西がクロス。中とは合わなかったが、スピードに乗った攻めを見せた。前半の終盤は前線からの連動した守備が機能。36分、百濃実結香が左サイドの高い位置でボールを奪い、そのまま切れ込みゴールに迫ると、45分、脇阪のパスを田中智子が落とし、高和芹夏から宮本光梨、百濃とつないで攻め込み、宮本のスルーパスを受けた百濃が巧みなタッチで相手を外し、ペナルティーエリア内で仕掛けてPKを獲得。「麗奈さんが『蹴る?』って聞いてくれたので、『蹴ります!』と」答えた百濃が「決めたい気持ち」をボールに乗せてネットを揺らし、C大阪がリードを2点に広げた。守備では高い位置で奪うシーンを再三作り、攻撃でも速攻と遅攻を使い分けて2点を奪った前半は上々の内容だった。
後半は反撃姿勢を強めてきたN相模原に対し、C大阪は守備の時間が続く。それでも、相手のクロスやセットプレーに対しては、中でしっかり体を寄せて、いい形でシュートを打たせない。74分に与えた決定機では、相手のシュートをGK山下がビッグセーブ。「足が運べていたので、あとは高さを合わせるだけでした」と振り返ったが、右手一本で防いだスーパーセーブだった。続く75分のCKでは、押し込まれそうになったところをチーム一丸で守り、最後は矢形と宮本がゴール前で体を張って失点は阻止。「後半は特に攻められることが多かったですが、『絶対、無失点で終えよう』と守備陣で話していたので、とにかく全員で体を張って守ることを意識していました」と、この時間帯も含めたディフェンスについて振り返った中谷だが、まさに気迫の守備で相手の攻撃をはじき返した。一方で後半は攻撃に出る場面を作れずにいたが、73分、途中出場の丸井優奈が果敢にシュートを放てば、78分に高和に代わって入った田子夏海も積極的に背後を狙うなど、交代選手2人の推進力でC大阪が押し返す時間も作った。終盤は再び攻め込まれたC大阪だが、最後まで集中力を切らすことなくクリーンシートを達成。「守っている時間や蹴り込まれる時間が長く、自分たちのミスで何回かやられそうなシーンもありましたが、1人1人を信じてカバーしようと思っていたので、無失点で終えられてよかったです」と守護神の山下も安堵の表情を浮かべた。
相手の隙を逃さず奪った複数得点に、リーグ後半戦になって継続している粘り強い守備を発揮してのリーグ戦8試合ぶりの勝点3。「後期になってなかなか勝てていない中、選手たちには、『今までやってきたことをしっかり出し切ろう』と伝えて臨んだ」(鳥居塚伸人監督)一戦で、攻守が噛み合い、会心の勝利を収めた。参入2シーズン目のWEリーグもラスト4試合。「全勝して1つでも順位を上げられるように頑張りたい」と脇阪。次節はアウェイでのINAC神戸レオネッサ戦。激闘必至の一戦で、ホームに続きI神戸撃破を目指す。