2023-24 WEリーグ第21節

2024.5.19

セレッソ大阪ヤンマーレディース

百濃 実結香 (3')

1

HOME

FULL TIME

2

1-1

0-1

マイナビ仙台レディース

高平 美憂 (33')

太田 萌咲 (89')

ヨドコウ桜スタジアム

2,763

ヤンマー#Football is Our Engineサポーティングマッチ

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

様々な思いが詰まったホーム最終戦。悔しい逆転負けを喫するも、古澤留衣の引退セレモニーでは温かな雰囲気に包まれる
 
今シーズンのホーム最終戦。今季初の3連勝を目指して臨んだマイナビ仙台レディースとのWEリーグ第21節。セレッソ大阪ヤンマーレディースの先発は、前節と同じ11人。ベンチには、先日、2023-24シーズン限りでの現役引退を発表した古澤留衣も入った。
 
立ち上がり、セレッソは勢い良く縦に仕掛けると、2分、CKから決定機。脇阪麗奈がショートコーナーで始めると、田中智子のクロスを米田博美が折り返し、ファーで百濃実結香がヘディングで合わせたが、惜しくもクロスバーを直撃した。ただし、1分後、歓喜の瞬間が訪れる。右サイドを脇阪と矢形海優がワンツーで突破し、脇阪がクロス。ファーに飛び込んだ百濃が胸で押し込み、今度こそネットを揺らした。ここまで、あと一歩で逃してきた待望のWEリーグ初ゴール。試合前には、前節達成した“なでしこリーグ・WEリーグ通算100試合”を祝うセレモニーもあり、家族から花束を受け取ったばかり。まさに最高の舞台で、思い出に残るゴールを決めた。幸先良く試合に入ったセレッソだったが、ここからは仙台の前からの圧力に苦しみ、劣勢を強いられる。6分の被決定機はGK山下莉奈が好セーブでしのいだが、以降も仙台にボールを持たれると、33分、自陣右サイドの背後を取られて失点。GK山下も懸命にカバーに出たが、わずかに及ばなかった。続く45分にも決定的なピンチを招いたが、ここは相手のシュートがクロスバーを越えて事なきを得た。セレッソも仙台に負けずに前線から激しくプレスをかけ、高い位置でボールを奪うシーンもあったが、全体的には仙台に上手くつながれ、先制後は大きなチャンスを作ることができずに前半を終えた。
 
後半開始から中西ふうに代わって筒井梨香が入り、3バックの中央にポジションを取る。中西が務めていた右ウィングバックには荻久保優里が上がった。前半、劣勢を強いられていたサイドにテコ入れを図った鳥居塚伸人監督だが、後半も立ち上がりは仙台のサイド攻撃に苦しめられる。ただし、ここをしのぐと、徐々にセレッソが流れを掴む。58分には、白垣うののフィードを高和芹夏が収め、田中のクロスに逆サイドから百濃がヘディングシュート。GKの正面に飛んだが、良い攻撃の形を作った。67分にもCKからビッグチャンス。ショートコーナーの流れから、宮本光梨の低くて鋭いクロスに白垣が飛び込んだが、わずかに合わず。セレッソがボールを握り返した時間帯で勝ち越せずにいると、73分、仙台に左右に振られてネットを揺らされたが、最後のシュートがハンドの判定で、ノーゴールに。終盤は仙台の攻勢も続く中、84分、鳥居塚監督は古澤と玉櫻ことのを同時に投入。この試合後には引退セレモニーも行われる背番号15の花道を飾るべく、ここからセレッソのギアが一段上がる。古澤自身、トップ下の位置に入ってボールを受け、前線にスルーパスを狙うなど、勝ち越しゴールを目指して懸命にプレー。スタジアムのボルテージも上がっていったが、89分、CKから失点。土壇場で仙台に勝ち越された。それでも最後まで同点目指して諦めずに攻めたセレッソ。古澤も攻撃の起点となってパスをつないだが、反撃及ばずタイムアップ。前回対戦時に続き仙台に無念の逆転負けを喫し、3連勝も叶わなかった。
 
試合後は、ホーム最終戦セレモニーと古澤の引退セレモニーも行われ、ホーム最終戦セレモニーでは、森島寛晃代表取締役社長、脇阪キャプテン、鳥居塚監督が挨拶。1年間のサポートに感謝の気持ちを述べるとともに、来季へ向けたさらなる飛躍を誓った。古澤の引退セレモニーでは、選手全員が花道を作って花束を渡す演出や、サプライズで林穂之香選手(ウエストハム・ユナイテッド/イングランド)のビデオメッセージも送られるなど、スタジアム全体が温かな雰囲気に包まれた。マイクの前に立った古澤は、「サッカー人生を支えて下さった人たちに感謝の気持ちを伝えたいです。セレッソには、中学1年生の時に1期生として入団して以来、色んな歴史を歩んできました。簡単な道のりではなかったですが、チームのみんながいたからこそ、しんどいことも乗り越えられました。これからもずっと強いセレッソを、みんなのことを、応援しています」と笑顔も交えて挨拶。ここまで14年間のプレーを支えてくれた周囲へ感謝の思いを述べた。ホーム最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、スタジアムに詰めかけたサポーターからは選手たちに、そして古澤に、大きな拍手が送られた。WEリーグ参入1年目の今シーズンも、いよいよ次節が最終節。今季の締め括りであり、来季へ向けたスタートとなる大きな勝利を目指し、最高の準備を重ねていく。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「ホーム最終戦ということで、必ず勝利して終わろうと臨んだゲームでした。入りで先制するまでは良かったですが、その後のゲーム運びでは、まだまだチーム力のなさを感じました。個人の戦術眼や、ピンチになった時に何をしないといけないのか、このリーグのレベルの高さ、まだまだ足らないところを痛感した試合になったと感じています。最終節もあるので、最後はしっかり勝利して終わるために、しっかり準備して臨みたいと思います」
 
Q:先制後、相手に主導権を握られる時間が続き、なかなか奪い返すに至りませんでした。後半に盛り返す時間もありましたが、トータルとして主導権を握れなかった理由をどう考えていますか?
「一つは、相手のマークの入れ替わりの部分で、個人、個人がマークを受け渡した方がいいのか、付いていかないといけないのか、その判断で個人戦術の低さが特に感じられました。そういう部分をピッチの中で改善できるようにならないと、このリーグの中で優位にゲームを運べないと痛感したゲームでした。もちろん、チームとしても提示しないといけないですが、選手がどう判断するかも含めて、最終節、来シーズンも含めて準備したいと思います」
 
Q:仙台の監督さんも、こちらの3-5-2を「対策して臨んだ」という話でした。そうした研究を重ねてくる相手を倒していかないと、上にはいけないというプロリーグの厳しさを改めて感じる試合になりました。そこは自分たちとしても、日々、進歩していくことが大事?
「そうですね。相手がどう動いているのかも含めてピッチ内での観察力を高めていかないといけないですし、今日の相手に対して、プレッシャーを楽しめるのか、怖がるのか。そこがプロリーグのレベルだと思うので。しっかり相手を見て、かわす時間は確実にあったと思うので、それができる技術を身に付けていかないといけないと痛感したゲームでした」
 
Q:ラスト10分あたりの時間帯で、古澤選手と玉櫻選手を同時に起用されました。古澤選手もトップ下でいいプレーを見せていたが、投入した狙いと、気持ちについて
「選手が怖がって、相手の背後(を取る動き)がなかったので、玉櫻を入れました。相手の中盤とディフェンスラインの間は空いているところもあったので、古澤を入れてボールを収めて欲しい、という意図がありました。引退ということで使ったというよりは、この1年、本当に努力してきた選手ですし、あの時間帯で力を発揮できるのは古澤かなという思いも含めて起用しました。古澤から玉櫻というラインが成功すればいいと期待して2人を送り出しました」

選手コメント

■脇阪麗奈選手
Q:WEリーグ参入1年目。記念すべきシーズンのホーム最終戦を戦い終えた心境は?
「今日もたくさんの人が入ってくれて、本当に感謝しています。1年間を通してたくさんの人が応援してくれて、改めて、このチームに戻ってきて良かったという気持ちになりました。ただ、まだまだ足りない部分もあるなと感じました。チームとしてもそうですが、個人として、もっと成長していければと思います。1年間、自分としては、できる限り成長はできたシーズンになったかなと思います」
 
Q:試合後のセレモニーの挨拶では、感極まる場面もありました。
「そうですね(笑)。苦しい時期もありましたが、何とか自分を奮い立たせて、1年間、頑張って来れて良かったと思います」
 
Q:今日の試合を振り返ると?
「早い時間帯で押し込めて先制できたことは良かったのですが、その後のゲームプランは課題が残りました。今シーズン、逆転される試合も多かったので、そこはチームとしての戦い方も含めて、もっと詰めていけたらと思います。個人としても、ピッチでの判断力をもっと高めて、レベルアップしていきたいと思います」
 
 
■百濃実結香選手
Q:WEリーグ初ゴール、おめでとうございます!
「ありがとうございます!やっと、取れました…」
 
Q:ホーム最終戦で取れたことは、いかがでしたか?
「ホーム最終戦でしたし、個人的にも試合前にセレモニーがあったり、何より留衣さんの引退セレモニーもあるということで、留衣さんとも、『絶対に自分が点を取って、留衣さんが出てきた時は勝っている状態にするからね』と約束して試合に入ったので、早い時間帯で取れたことは嬉しかったです」
 
Q:体ごと、気持ちで押し込んだ感じでしたね。
「そんな感じです(笑)。どこかに当たればいいと思って、(クロスに)入りました」
 
Q:試合前は、100試合出場を祝うセレモニーもありました。ご家族の前で決めたことについては?
「嬉しかったですね。和歌山にいるおじいちゃんとおばあちゃんも、いつもは遠くてなかなか来れていなかったのですが、今日、初めてスタジアムに見に来て下さったので、そうした家族みんなの前で取れたことも大きかったです」
 
Q:得点の前も、クロスバーに当たるシーンがあったが?
「前日の練習でも、誰かが触った後のセカンドボールを狙って、その形でゴールしていたので、試合でも狙おうと思っていました。あのシーンの方が簡単だったと思うので、あそこで決めたかったです」
 
Q:ゴール後の気持ちはどんな感じでしたか?
「本当に長かったので…(涙)、自分自身、凄く苦しい時間も過ごしていたので、ホッとした気持ちが一番です。今季中に取れて良かったです」
 
■玉櫻ことの選手
Q:セレモニーも行ったことで、古澤選手の引退を実感された?
「そうですね。実際にセレモニーを見ると、本当に引退するんだなと実感しました。過去の写真が流れている映像を見ると、グッとくるものがあったので、つい泣いてしまいました(笑)」
 
Q:1期生で全てを共にしてきた選手だけに、やはり特別な存在でしたか?
「そうですね。地元も一緒ですし、小さい頃から知っていて、こんなにずっと一緒に長くサッカーをするとは思っていなかったです。常に近くにいたので、寂しくなると思います」
 
Q:今日のロッカールームでの古澤選手の様子は?
「特にいつもと変わらず、チームを明るくしてくれていました」
 
Q:試合では、同時にピッチに入りました。あの瞬間の思いは?
「最近、一緒にピッチに立つことがなくて、久しぶりに一緒にプレーできて嬉しかったです。同じタイミングで入ることは今までもあまりなかったと思うのですが、逆に彼女の方から『頑張ろう』と声を掛けてくれたので、あまり気負わず入ることができました。キャプテンマークを渡されていた時は、『えっ?』って、驚いていましたね(笑)」
 
Q:今シーズンの最終節が残っていますが、どういう締め括りにしたいですか?
「目標である5位は届かなくなったのですが、最後、勝って終わるのと負けて終わるのは違うと思うので、次のシーズンにつなげるためにも、今の力を全て出し切って、結果につながればいいなと思います。絶対に勝って帰ってきたいと思います」
 
■古澤留衣選手
Q:引退セレモニーを終えた今の気持ちはいかがですか?
「まだ1試合、残っているのですが、引退するという実感が湧いてきました。なんだかんだ、自分が引退する実感が湧いていなかったのですが、この試合でサポーターの皆さんに花束とかプレゼントとかボードをもらって…。アップ中も、泣くはずではなかったのですが(苦笑)、思わず…。こんなに応援されているんだと実感できて、私が入った当初に比べて、本当に大きなチームになったんだなと思いました」
 
Q:様々なサプライズもありましたね。
「本当に有難いです。運営の方々にも選手のみんなにも協力していただいて、あれは泣くしかないです(笑)」
 
Q:大好きな林穂之香選手からのメッセージもありました。
「嬉しかったです(涙)。本当やったら、来て欲しかった!(笑)。ほのちゃんのメッセージだけではなく、今日は1期生の選手たちも応援に来てくれて、花束をもらったり、サッカー人生で色んな方々にお世話になったなと。色んな方と出会えたなと思います」
 
Q:試合の終盤にピッチにも入りましたが、入った時の思いは?
「嬉しかったです!出れるかどうか分からずドキドキしていたのですが、出してもらって嬉しかった。本当は得点も決めたかったですが、まだ最終節もあるので、引き続き初ゴールを決められるよう頑張ります。最後の(ゴール)セレモニーは、練習ということにしておきます(笑)」
 
Q:普段より高い位置でプレーして、いいパスを通すシーンもありました。落ち着いていたように見えたが?
「はい、でも、もう少し強引に行けば良かったかなと。兄にも(自分で行けば良かったのにと)言われました。『でも、あれが逆に留衣らしい』とも言われました(笑)。自分のプレーができて、サッカーしている姿を皆さんにお見せすることができたので、良かったです」
 
Q:後輩たちからは、どんな言葉を掛けられましたか?
「みんな、『泣くつもりはなかったのに、思わず泣いてしまった』と言ってくれました(笑)。惜しんでくれたことが、有難かったです」