2023-24 WEリーグ第18節

2024.5.3

三菱重工浦和レッズレディース

島田 芽依 (35')

清家 貴子 (87')

2

AWAY

FULL TIME

0

1-0

1-0

セレッソ大阪ヤンマーレディース

浦和駒場スタジアム

4,024

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

首位の浦和に善戦。前回対戦時からの成長は示すも、決定力を欠いて0-2の敗戦
 
晴天に恵まれたゴールデンウィークの5月3日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、アウェイに乗り込み、三菱重工浦和レッズレディースとのWEリーグ第18節に臨んだ。先発は前節から4人変更。筒井梨香が10試合ぶり、和田麻希が9試合ぶり、中西ふうが7試合ぶり、高和芹夏が2試合ぶりにスタメンに名を連ねるなど大幅に入れ替えた中で、システムも前節までの4-4-2から3-5-2に変更。3バックに右から米田博美、筒井、白垣うのが並び、宮本光梨と脇阪麗奈のダブルボランチ、左ウィングバックに荻久保優里、右ウィングバックに中西、トップ下に高和が入り、田中智子と和田の2トップという布陣でWEリーグ10連勝中の浦和に挑んだ。
 
立ち上がり、浦和の攻勢を筒井中心にしのぐと、最初の決定機はセレッソが作る。8分、後ろからつないで、最後は高和のパスに抜け出した田中がドリブルで運び、GKとの1対1に持ち込むと、戻ってきたDFもうまくかわし、GKのタイミングも外してシュート。決まったかに思われたが、惜しくもクロスバーを叩いてゴールならず。その後もボールは浦和に握られたが守備で崩れることなく対応すると、奪ったボールはシンプルに相手の背後を狙ってチャンス。24分、25分、30分といずれも和田が裏に抜けて、ゴールに迫った。良い流れで試合を進めていたセレッソだったが、34分、この試合初めて浦和に与えた決定機から、失点につながってしまう。34分、自陣左サイドを浦和の清家貴子に突破されてシュート。ここはGK山下莉奈が好セーブで防いだが、続くCKからニアで合わせられ、ネットを揺らされた。1点ビハインドで折り返すことになったセレッソだが、「システムを変えて、選手一人一人のやるべきことが明確になった分、思い切りできた部分もあったと思う」と鳥居塚伸人監督も振り返ったように、ある意味、奇襲も成功し、WEリーグ新記録となる10連勝中の相手に善戦と言える前半を過ごした。
 
後半に入ると、より試合のペースはセレッソが握る。49分、背後に抜けた和田の折り返しを脇阪がシュート。ここはクロスバーを越えたが、セレッソはボールの動かし方やポジション取りも良く、しっかりとつないでゲームを構築。61分、中西と和田に代わって百濃実結香と矢形海優が入ると、72分、セレッソにビッグチャンス。百濃のパスを中盤で受けた宮本がうまくターンして右サイドへ展開。荻久保がヘディングでつなぐと、背後を取った矢形が相手DFをかわして左サイドの高和へパス。スペースへ走り込んだ高和が決定的なシーンに持ち込みかけたが、DFの寄せに遭って角度がなくなり、シュートはサイドネットへ。惜しくも同点とはならなかった。それでも球際の勝負でも負けず、セカンドボールを拾うセレッソは、83分にも宮本、田中とつないで中央を破り、最後は矢形がDFに囲まれながらも反転してシュート。際どいコースへ飛んだが、わずかに枠を外れた。後半は押し気味に試合を進めながらも得点が奪えずにいると、85分、相手のサイドからのクロスに対し、白垣がハンドを取られてPKを献上。やや不運な判定ではあったが、これを清家に決められ、点差は2点に広がった。
 
このまま試合は0-2でセレッソが敗れたが、0-4で完敗を喫した前回対戦時からの成長は示した。「セットプレーから1失点はしましたが、前半はしっかり耐えて、後半は自分たちのペースで試合を運べた。やっていても楽しかったし、内容的には悪くなかった」と10試合ぶりの復帰で守備を統率した筒井が振り返れば、この試合はトップ下でプレーした高和も、「こっちがシステムを変えたことで、相手もマークが付き辛い試合になったと思う」と躍動。前節のノジマステラ神奈川相模原戦からの修正を図り、「悪くないゲームだった」と指揮官も評価する。もっとも、「ウチはどちらかと言えば、やりたいことができた。浦和は最近の試合に比べると、低いパフォーマンスのゲームだったと思う。それでも結果は浦和が勝ったことが、今の浦和とウチの差でもある」(鳥居塚監督)ことも事実。自信に変えるところは変えて、それでも勝点1も持ち帰れなかった結果にも目を向けて、ここからラスト4試合、全部、勝つべく準備を重ねていきたい。

監督コメント

■鳥居塚 伸人監督
「選手たちは力を出し尽くしたと思いますが、アタッキングゾーンの回数を増やすことをやっていかないといけないと感じました。次節の大宮V戦は中2日と厳しい戦いになると思いますが、良い準備をして臨みたいと思います」
 
Q:セレッソ大阪ヤンマーレディースはWEリーグで最も平均年齢が若いにもかかわらず若さを活かせていないというか、もっと遮二無二シュートを打っていくなど、シュート数が少ないところに疑問を感じる。自信がないのか、コンディションの問題なのか、どのように感じていますか?
「WEリーグに参入し、シュート数の部分では物足りない部分がある。ボールを大切にしているというよりは思い切りが無いと感じる。常に相手を上回るシュート数を打たなければならないと選手たちには伝えていますが、ゴールを見るということができていないためにチャンスを逃してしまっている。準備を徹底してシュート数をどれだけ増やせるかを求めていかないと勝ち点を拾うことはできないと思うので、残りの試合の中で意識的に取り組んでいきたいと思います」
 
Q:精神的な部分でモチベーションが低いということではない?
「『打たなければ入らない』と日頃から伝えていますが、打つ自信が無いのか、見えていないのかというところを整理してコミュニケーションを取らないといけないと感じています。見えていないという部分と、ミスしたらどうしよう、という気持ちが思い切りの無さに出ていると思いますので、若いからこそチャレンジさせたいと思います」

選手コメント

■筒井梨香選手
Q:3/2マイ仙台戦以来10試合ぶりの出場でしたが、今日の試合を振り返ってください
「少し試合から遠ざかっていたため入りの部分が良くなかったですが、後半で修正できたと思います。後半は久しぶりに楽しい試合ができたと感じています」
 
Q:システムを変更して臨んだ試合でしたが、チームで話し合ったことは?
「3-5-2のシステムは中断期間に取り組んでいたので特に深く話し合うことは無かったですが、全員がやるべきことを理解して取り組めたと思います」
 
Q:次節大宮戦への意気込みをお願いします
「中2日という連戦で疲労度は高いですが、その中でも自分がやるべきことをやってチームを勝たせるというところを徹底していきたいと思います」
 
 
■高和芹夏選手
Q:システムを変更しトップ下での出場でしたが、どのようなことを意識して臨んだか
「トップ下で、ボールにもたくさん関わってチャンスメイクしたり、ボランチ同士でパス交換したり、背後の抜け出しでチャンスを作るなどを意識して臨みました」
 
Q:後半はボールを持つ時間も増えましたが、ハーフタイムはどういうことを話し合いましたか?
「決め切るところを決め切ったり、自信を持って慌てずに落ち着いてボールを回すことを監督からも言われて意識しましたが、決定機で決めきれなかった事が課題なので、次は勝ち切りたいです」
 
Q:次節への意気込みをお願いします
「中2日で試合があり、残り4試合とリーグ終盤になったので、もう一度チームで修正するところは修正して、次の試合では勝てるように、チーム全員で頑張っていきます」
 
 
■米田博美選手
Q:今日の試合を振り返って
「今回3-5-2というシステムで臨みましたが、もともとの4-4-2よりはポジショニングが出来ている状態なのでボールが動かせた時間帯もあり、守備の部分でもしっかりスライドしてカバーし合えていたことは良かったですが、セットプレーで隙を与えてしまい失点してしまったので、声を掛け合いながら自分たちで締めて失点を無くしていきたいです」
 
Q:次節大宮戦への意気込みをお願いします
「ホームゲームも残り少ないので、やっぱりホームで勝ちたいし、中2日とタフな試合が続きますが、みんなで走って勝ちを目指して頑張りたいです」