2023-24 WEリーグ第17節

2024.4.28

ノジマステラ神奈川相模原

南野 亜里沙 (47')

榊原 琴乃 (90+2')

2

AWAY

FULL TIME

1

0-0

2-1

セレッソ大阪ヤンマーレディース

矢形 海優 (90+1')

レモンガススタジアム平塚

668

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

6試合ぶり復帰の矢形海優がゴールも、相手の圧力を跳ね返せず敗戦

 

雨中の激闘の末に勝点1を獲得した前節の日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦から中6日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、アウェイに乗り込み、ノジマステラ神奈川相模原とのWEリーグ第17節に臨んだ。直近の3連戦は1勝1分1敗と勝点を積み重ねたセレッソにとって、歩みを止めたくない一戦。先発は前節と同じ11人。ベンチには、6試合ぶりのメンバー入りとなった矢形海優が戻ってきた。

 

試合の入りはセレッソだった。開始早々、古巣戦となる脇阪麗奈がシュートを放つと、3分にもテンポ良くつなぎ、最後は浅山茉緩の落としを宮本光梨がシュート。続く4分にも田中智子の折り返しに脇阪がシュートを放つなど、序盤からフィニッシュに持ち込むシーンを作った。ただし、ここからは前半終了までノジマのペースで試合は進む。システムを3バックで挑んできたノジマに対し、セレッソはサイドで起点を作られ、クロスからゴールを脅かされる場面が続く。33分には、自陣左サイドからクロスを上げられ、中で混戦になったところから決定的なピンチも招いたが、GK山下莉奈が体を張ってセーブ。37分にも被決定機を迎えたが、ここも相手のヘディングを山下がビッグセーブでゴールは割らせない。防戦一方となったセレッソは、「選手自身が相手のプレッシャーに怖がって、前に進めなかった印象はあります」と試合後に鳥居塚伸人監督が振り返ったように、立ち上がりを除いてボールを前に運ぶことに苦労。終盤も再三、セットプレーを与えてしまうなど、主導権を奪い返せないまま前半は終了した。

 

流れを変えるべく、後半開始から鳥居塚監督は2枚替え。百濃実結香、宮本に代えて、四海結稀奈、松本奈己を投入。「攻撃のテンポを良くしてゴールに向かえるようにすることと、ゴール前で自分の良さを出せるように意識して」(四海)試合に入るも、後半も立ち上がりからノジマの勢いに押される形でスタートすると、47分に失点。CKの競り合いの中でクリアし切れなかったところを南野亜里沙に押し込まれた。なかなかリズムが出ないセレッソは、56分に3人目の選手交代。中谷莉奈に代えて和田麻希を投入し、浅山を左サイドバックに下げる。61分には松本が脳震盪で交代するアクシデントもあったが、ここからセレッソは田中と和田がシンプルに背後を狙う形でチャンスを作りかける。73分には、北原に代えて復帰戦となる矢形海優がピッチに入った。すると90+1分、復帰戦となった背番号11が大きな仕事を果たす。自陣からのロングボールに対し、白垣うのが競った後のセカンドボールを足に当ててゴール。「苦しい試合が続いた中で、自分が出場できずチームのみんなに迷惑をかけました。自分自身、悔しかったですが、久しぶりにピッチに立てて、とりあえず何でもいいから結果を残そうという気持ちで試合に入りました」とWEリーグ50試合出場という節目を自ら飾った。ただし、チームとしては、直後に再び失点。ロングボールに競り負け、クロスをクリアし切れず失点。この2試合、続いていた良い流れをつなげることができず、3試合ぶりの敗戦を喫した。

 

「選手一人一人がアグレッシブにチャレンジできるよう、トライさせたい」と試合前に話していた鳥居塚監督だが、この試合では前向きなプレーが見られず、トライする姿勢を発揮し切れなかった。「相手のプレッシャーを怖がって、選択肢が後ろ、後ろになってしまった。ゴールから逆算した時に、自分が取るべきポジショニングはどこなのか、選ぶ選択肢はどこなのか。それを選手として判断できないと、このリーグでは勝点3を拾うのは難しい。そういう部分にこだわって、日々のトレーニングに生かしていけたらと思います」と、再び突き付けられた課題に目を向けて、前を向いた。次節は敵地での三菱重工浦和レッズレディース戦。前回対戦時は0-4で敗れ、現在も首位を快走する強豪だが、「その勢いを壊すというか、自分たちも勝点3が欲しいので、そこで勝って勢いづけられたらと思います」と矢形。顔を上げ、チャレンジ精神を持って次節へ臨みたい。

監督コメント

 ■鳥居塚伸人監督
「選手は一生懸命戦ってくれたとは思いますが、ノジマさんの勢いを跳ね返すことができず、そのままのゲーム展開になってしまったと思います。こういうものを跳ね除ける力をしっかり付けていかないといけない、という課題を残したゲームになりました。連戦なので、次節に向けてしっかり準備して戦いたいと思います」
 
Q:今日のゲームプランについて
「相手はプレッシャーをかけてくると思ったので、準備を早くしながら、相手がどうプレスをかけてくるのかをしっかり見ること。来た相手に対して、空いたところをしっかり突いていこうと臨んだのですが、スペースはかなり空いていたとは思いますが、選手自身が相手のプレッシャーに怖がって、前に進めなかった印象はあります。そういうところの技術は改善していかないといけないと感じました」
 
Q:思ったように攻撃の形を作れなかった印象だが、ノジマの守備が上回った?
「そうですね。ノジマさんのプレッシャー、思い切りがいい部分が、選手にはかなりプレッシャーになっていたと思います。現状、それをはがせる力がなければ勝つことはできません。今回はノジマさんのプレッシャーに全部、食われてしまって、なかなか前への選択肢を作れなかったという印象です」
 
Q:WEリーグ参入初年度を戦っていますが、ここまで成長してきた部分と、今日のように、さらに力を付けていかないといけない部分は?
「今シーズン戦って、選手に求めているものは個人戦術のレベルアップです。何を見ないといけないのか、どういうポジションを取らないといけないのか。もちろん、チームとしてのプランはありますが、選手個人個人がしっかり判断できないと、勝点3を取ることは難しい。今日はそういうゲームだったという印象があるので、この課題を克服して、次節にまたチャレンジしていきたいと思います」
 
Q:直近の3連戦は、勝点を積み上げながら、内容的にもしっかりと示していた部分は多かったように思うが、今節に関しては、技術面以外にも、メンタル的にも受けに回った印象もあります。そうした波があることについては、どう感じられていますか?
「今日に関しては、準備を徹底しようとゲームに入ったのですが、その準備が、ただボールを受ける準備だけになって、相手のプレッシャーを怖がって、選択肢が後ろ、後ろになってしまった印象があります。ゴールから逆算した時に、自分が取るべきポジショニングはどこなのか、選ぶ選択肢はどこなのか。それを選手として判断できないと、このリーグでは勝点3を拾うのは難しいという印象も受けたので、そういう部分にこだわって、日々のトレーニングに生かしていけたらと思います」

選手コメント

■矢形海優選手
Q:得点シーンを振り返って
「負けている状況のなかで久しぶりに試合に出場し、自分自身復帰できて嬉しかった気持ちもありましたし、まずはみんなの雰囲気を盛り上げようという気持ちで入りました。そこで全員がゴールへの意識が高くなり、みんなで繋いでくれた1点だったと思います。」
 
Q:6試合ぶりの出場でしたが、改めて感想を聞かせてください。
「苦しい試合が続いた中で自分が出場できずチームのみんなに迷惑をかけましたし、自分自身悔しかったですが、久しぶりにピッチに立ててとりあえず何でもいいから結果を残そうという気持ちで試合に入れました。得点という形になり最後まで勝ち切りたかったですが勝ちきれなかったところは自分たちの課題だと思います」
 
Q:次節浦和戦への意気込み
「(浦和戦は)3連戦の中日で浦和さんはここまで負けなしできていると思いますが、その勢いを壊すというか、自分たちも勝ち点3が欲しいので、そこで勝って勢いづけられたらと思います」
 
 
■四海結稀奈選手
Q:後半からの出場でしたが、どのような事を意識して試合に臨みましたか?
「攻撃のテンポを良くしてゴールに向かえるようにすることと、ゴール前での自分の良さを出せるように意識して試合に臨みました」

Q:次節への意気込み
「次も攻撃にたくさん絡んで、得点を決めたり、アシストしたりできるよう頑張りたいです」
 
 
■脇阪麗奈選手
Q:試合を振り返って
「立ち上がりは自分たちのペースでできていましたが、相手のペースになってから跳ね返す事ができず、後半開始の入りも悪く失点してしまった。何とか取り返したが、一瞬の隙でまた失点してしまい、このように結果になり悔しいです。」
 
Q:次節までにチームとしてどのような準備が必要か?
「すぐ試合は来るので、しっかり切り替えてチームとして全員で勝ちに行きます」