2023-24 WEリーグ第15節

2024.4.18

ジェフユナイテッド市原・千葉レディース

0

AWAY

FULL TIME

2

0-1

0-1

セレッソ大阪ヤンマーレディース

白垣 うの (3')

浅山 茉緩 (62')

フクダ電子アリーナ

361

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

 攻守にアグレッシブなヤンマーレディースらしさ全開で8試合ぶりの勝利!白垣うの、浅山茉緩がWEリーグ初ゴール!
 
前節のちふれASエルフェン埼玉戦から中3日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは敵地に乗り込み、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースとのWEリーグ第15節に臨んだ。先発は前節から2人変更。米田博美が戻り、白垣うのとCBでコンビを組むと、左サイドハーフには北原朱夏が第9節・三菱重工浦和レッズレディース戦以来の先発を果たした。
 
ウィンターブレイク明けは7戦勝ちなし、直近は4連敗中と苦しい状況のセレッソだったが、今節は試合開始から吹っ切れたようにアグレッシブな姿勢で立ち向かう。千葉Lとはリーグ開幕戦以来の対戦となった中、「もう一度、開幕戦のつもりでアグレッシブに戦う、前からプレッシャーにいくことにチャレンジしようと臨んだ」と鳥居塚伸人監督。2分、高い位置でボールを奪うと、宮本光梨が前線へパス。北原の落としを玉櫻ことのがシュート。DFに当たってCKを獲得すると、このCKから先制に成功。北原のライナー性の落ちるキックに合わせたのは白垣。ダイレクトでネットに流し込み、勢いそのままにセレッソが幸先の良いスタートを切った。その後も千葉Lのボール保持に対し、セレッソは前線2トップを起点とした強度の高い、迫力あるプレスを仕掛ける。前半の中盤以降は相手にサイド深くまで進入される場面も増えていったが、22分、千葉Lの大澤春花の突破を防いだ北原のプレーに象徴されるように、今節のセレッソは一人一人がしっかりと相手に寄せ切り、自由にプレーさせない球際の粘りも光った。得点以降は攻撃でチャンスを作り切ることはできなかったが、相手のチャンスになりそうな場面ではしっかりと複数の選手で挟み込み、千葉Lに明確な決定機を与えることなく前半を1点リードで折り返した。
 
後半開始から玉櫻に代わって浅山茉緩が2トップの一角に入る。後半もプレスの強度は保ちつつ、ボールを握る時間も増やして脇阪麗奈を中心に背後を積極的に狙うセレッソ。すると、この良い時間帯に追加点。62分、中谷莉奈の左足でのクロスに脇阪が飛び込むと、相手GKがボールを処理し切れず、こぼれたところに詰めていたのは浅山。正確な右足インサイドで蹴り込み、ネットを揺らした。先制点を挙げた白垣に続き、浅山もこの得点が自身WEリーグ初ゴール。笑顔が弾けるとともに、チームとしても第5節以来となる複数得点に、歓喜の輪が広がった。尚も畳み掛けるセレッソは、67分にも決定機。北原が高い位置でボールを奪うと、浅山とのワンツーでサイドを突破。折り返しに走り込んだ脇阪がダイレクトでシュートを放ったが、惜しくもクロスバーを越えた。
 
勝負を決定付ける3点目を逃すと、ここから終盤にかけて、千葉Lの攻勢をしのぐ時間帯が続く。相手に与えるCKも増えていったが、「90分を通して集中することが今の自分の課題。どういう状況でもゴールを守る気持ちで戦いたい」と試合前に話していた白垣の言葉をチーム全体が実践。守備の強度も落ちず、自陣ゴール前ではシュートへの寄せも早く、コースに入ってきっちりブロック。後半も千葉Lに決定機を与えることはなかった。このまま試合は2-0で終了。第7節以来、8試合ぶりの勝点3を掴んだ。「試合前に監督から、挑戦することと、自分たちがサッカーを楽しむようにと言われていたので、みんなで楽しみながら、自分たちのサッカーをやっていこう!と話し合い、試合に入りました」と試合後に話したのは玉櫻だが、アグレッシブな守備をベースに、奪ったボールはテンポ良く素早く攻めるレディースの良さを全員が発揮。「もう一度原点に返ってやろうというところで、この連戦の中でできたことが勝利につながった」とキャプテンの脇阪も勝因を述べる。次節は中2日と再びタイトな日程で、ホームに上位の日テレ・東京ヴェルディベレーザを迎える。難しいシチュエーションではあるが、「今日勝てたことで皆自信もついたと思うので、もっと思い切ってセレッソらしいアグレッシブな戦いをホームで見せられるように頑張りたい」と浅山。ヨドコウ桜スタジアムに駆け付けてくれる大勢のサポーターの声援も力に変えて、今季初の連勝を目指す。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「WEリーグの壁にぶち当たりながら、なかなか勝ちを拾えないゲームが続いたのですが、今日は選手が一生懸命戦ってくれて、勝点3を取れたことは良かったです。技術のところで多くの課題はあるのですが、こういう気持ちで戦うことで勝点を拾えると思うので、こういうゲームを続けていきたいと思います」
 
Q:中断明けの初勝利ということで長く感じられたと思うが、この期間で選手たちに強調してきたことは?
「カップ戦を含め、WEリーグに参入してから勝利することもできたのですが、中断明けは準備してきたモノがなかなか結果につながらず、選手たちも戸惑いながら頑張っていたと思います。ただ、これがプロの世界だと改めて感じたとともに、どうやったら結果につながるのだろうということを1試合1試合、肌で感じてくれたと思います。今日のゲームはそこも踏まえて勝利に結び付けたのは、選手の力がちょっとずつ成長してきたのかなと感じています。継続してやっていきたいです」
 
Q:ゴールを決めた白垣選手について。点を取れるセンターバックは日本女子サッカー全体としても出てきて欲しい存在だが、U-20日本女子代表に選ばれている米田選手も含め、2人のCBに期待すること、課題などは?
「U-20にも選ばれていますが、個人戦術という理解力はまだまだ低いです。個人の能力は高いですが、ここからなでしこジャパンにつなげるためには、さらなる成長が必要だと思っています。ただし、個のパフォーマンスとして、点の取れる守れるCBは貴重なので、この2人に関しては、さらなる成長を期待しつつ、しっかり伸ばせるように指導していきたいと感じています」
 
Q:強度の高いプレスから先制点につながりました。ルーズボールを拾ってマイボールにする部分も得点につながったと思うが、今日の勝因、狙いはどのようなものでしたか?
「開幕戦で千葉さんと戦わせていただいて、やってきたことは今と変わらないですが、リーグを経験することで、選手がサッカーをちょっとずつ知ることで、怖さが出てきて、プレスがかからなかった部分がありました。もう一度、開幕戦のつもりで見直して、怖さよりもアグレッシブに戦う、前からプレッシャーにいくことにチャレンジしようと臨んで、それをピッチで選手たちが表現してくれたことが結果につながったと思います」
 
Q:リーグ戦8試合ぶりの勝利です。監督自身も勝利がない間は苦しかったと思いますが、試合終了の笛が鳴った瞬間の思いは?
「選手は疲労の中でもよく走ってくれました。前からプレッシャーというウチのサッカーを体現してくれて結果がつながったことは、本当に良かったと思っています」
 
Q:今節に臨むにあたって、「できることに目を向けさせて、チャレンジさせたい」と話されていましたが、アグレッシブな守備やプレス、戦う部分などでしょうか?
「そうですね。選手自身が戦ってくれましたし、前から行くというウチのサッカーを体現してくれたことが勝利につながったと思います。サッカーをちょっとずつ知ったことで積極性に欠けた部分もあったかなと思いますが、今節はそこも踏まえて、ミスを恐れずチャレンジしようと臨んだ結果が、こういう形になったと思います。これがウチのベースだと思うので、これを継続して次節も臨みたいです」
 
Q:1点目をアシストした北原選手、2試合連続スタメンの玉櫻選手など、WEリーグ序盤は出場機会が少なかった選手たちが今節の勝利の原動力になりました。チーム全体の底上げやレベルアップについては、どのような手応えをお持ちでしょうか?
「チーム全体として、新しい選手が出て来て結果を出してくれることが、チーム力につながります。日々のトレーニングの中で競争が生まれてくることが、さらなるレベルアップにもつながると思うので、今節は玉櫻にしても北原にしても、出場してチームの力になってくれたことは、チームの成長も感じます。日々のトレーニングの中からさらに競争を激しくしていき、レベルアップしていければいいかなと思います」

選手コメント

■白垣うの選手
Q:リーグ戦初ゴールおめでとうございます!率直な感想をお願いします。
「嬉しいです!前半あまり自分の思うようなプレーができなく、みんながカバーしてくれたので申し訳ない気持ちもありましたが、得点でチームを勝たせられることができたことはとても嬉しいです」
 
Q:得点シーンですが、雨も降っていてスリッピーな中で足元に来たボールをダイレクトに押し込んだ形でしたが、振り返ると?
「北原選手からのコーナーキックのボールに合わせるだけでした」
 
Q:1点目を取った後も一歩も引かず前に行けたことが勝因だったと思いますが?
「そうですね。守って勝つより攻めて勝つ方が観ている人も面白い試合だと感じていただけると思うので、今日はそのような試合ができてよかったです」
 
Q:また今日は無失点で終えることができましたが、守備の部分でチームの中で話し合ったことはありますか?
「前からのプレスは自分たちの強みであったので、そこを出していこうと話していたので、作戦どおりにできたかなと思います」
 
Q:中断明けなかなか勝てなかったかと思いますが、この試合がターニングポイントになりそうですか?
「ここからです!絶対1つも落とせないと思うので、次のホームゲームも勝利して順位を上げられるように、また自分でも得点を決められるように頑張りたいです」
 
 
■浅山茉緩選手
Q:リーグ戦初ゴールおめでとうございます!
「ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!」
 
Q:得点シーンを振り返ってください。
「ピッチコンディションが悪い中でこぼれ球が来るかもしれないと思ったところを上手く狙えていて、緊張することなく冷静に決めることができました」
 
Q:今日は後半からの出場でしたが、鳥居塚監督からどのような言葉をかけられましたか?
「守備の部分では、アンカーを絞りながら前線から行くところは行くようにするのと、相手がGKにボールを戻したときに、GKまでボールを取りに行こうと言われました。攻撃に関しては、とにかく考えずにゴールが見えたらシュートを打ってこいと言われました」
 
Q:8試合ぶりの勝利となりましたが、率直な感想を聞かせてください。
「勝てない試合が続いていても、サポーターのみなさんが応援に来てくれて、自分たちもやらないとという気持ちで臨んだので、勝てたことが本当に次に繋がる試合になったと思います」
 
Q:次節東京NB戦への意気込みをお願いします。
「今日勝てたことで皆自信もついたと思うので、もっと思い切ってセレッソらしいアグレッシブな戦いをホームで見せられるように、そしてサポーターのみなさんに勝利を届けられるように頑張ります!」
 

■北原朱夏選手
Q:先制点のアシストとなったコーナーキックについて振り返ってください
「先制のアシストはまず、インカーブは私が蹴ると決めており、強いボール蹴るとチーム全員で決めていたので、インカーブが来たときに思い切り蹴ったら味方につながってゴールになってよかったです」
 
Q:第9節浦和戦で先発した際は守備での課題をあげられていましたが、今日の守備を振り返ってください。
「浦和の時は、間合いや距離感が思うようにいかず、1対1の対応で抜かれたことが多かったですが、今日は間合いをしっかり詰めて、ボールを出した時に体を入れてボールを奪えたことが良かったです」
 

■玉櫻ことの選手
Q:前半立ち上がりは勢いよく入れたと思いますが、どのようなことを心がけていましたか?
「試合前に監督から、挑戦することと、自分たちがサッカーを楽しむようにと言われていたので、みんなで楽しみながら、自分たちのサッカーをやっていこう!と話し合い、試合に入りました。立ち上がりの入り方でその後の流れが決まるので、勢いよく入れたことはすごくよかったと思っています」
 
Q:先制のコーナーキックに繋がるシュートも印象的でした。
「自分もFWで得点を求められているので、自分自身もWEリーグ初ゴールを決めたいという意識をもっていました。北原選手にボールが入った時に自分自身は後ろ向きだったのでシュートは打てないと思い、自分が前を向いて入っていくと打てると思ったところにワンタッチで良いところに落としてくれたので、思い切って打つことができました」
 
 
■脇阪麗奈選手
Q:8試合ぶりの勝利でしたが、試合を振り返っていかがでしたか?
「いい試合は続けられていたので、自信をもって自分たちのサッカーをやろうと話していましたが、今日の試合はそれが出せて良かったです」
 
Q:試合開始から前に前に行く姿勢が勝てていないチームと思えなかったのですが、普段から意識していましたか?
「そうですね、最近は怖さが出て行けないシーンもありましたが、もう一度原点に返ってやろうというところで、この連戦の中でできたことが勝利につながったと思います」