2023-24 WEリーグ第13節

2024.3.31

セレッソ大阪ヤンマーレディース

田中 智子 (38')

1

HOME

FULL TIME

2

1-1

0-1

INAC神戸レオネッサ

成宮 唯 (7')

愛川 陽菜 (48')

ヨドコウ桜スタジアム

1,814

ギャラリー

MATCH REVIEW

一時は田中智子のゴールで追いつくも惜敗。今季の『BATTLE OF KANSAI』は2連敗で終了

 

3月、最後の一戦。セレッソ大阪ヤンマーレディースはリーグ再開後の初勝利を目指し、ホームにINAC神戸レオネッサを迎えて『BATTLE OF KANSAI』に臨んだ。先発は前節から3人変更。百濃実結香、宮本光梨、牧口優花が2試合ぶりに復帰し、今節も2トップは田中智子と浅山茉緩が並んだ。

 

立ち上がりからI神戸のサイド攻撃をしのぐ展開が続くと、7分、先制を許してしまう。CBからのロングボールを前線で田中美南に収められ、縦に突破されてのクロスから成宮唯に決められた。シンプルな攻めではあるが、個の1対1で後手を踏んだ結果、失点に。田中に対応した白垣うのも、「ここで止めないといけない、という場面でやられてしまった。試合の入り方も含めて改善していかないといけない」と反省の言葉を口にした。それでもここで下を向かず、すぐさま反撃姿勢を取ると、直後の8分には高和芹夏が遠めの位置から思い切ったシュートでゴールを脅かす。11分にも高和のFKから荻久保優里がフリーでヘディング。枠を捉えることはできなかったが、得点への可能性を感じさせた。その後も牧口のフィードから好機を作れば、中盤でしっかりボールを奪い、つないで攻めに転じる回数を増やすなど、前半の真ん中以降はセレッソが主導権を握り返す。そうした中で38分、古巣対決でハイパフォーマンスを見せていた脇阪麗奈のクロスに田中がヘディングで合わせ、同点に追いついた。「先制された中でも前半の中でリズムを持ち直して追いついたことは、成長を感じる」と試合後に鳥居塚伸人監督も話したが、技術、メンタル両面での確かな成長を発揮した。

 

ただし、前半と同様、後半も開始早々に失点。立ち上がりから自陣左サイドを攻められると、48分、こちらのサイドに流れた田中のクロスに後半から入った愛川陽菜に頭で合わせられ、決められた。クロス対応はシーズン通しての課題であり、今節に向けてもポイントとして練習を重ねてきたが、クロスを上げさせたこと、中でマークを外してしまったこと。「あと一歩、寄せていたらという部分」(鳥居塚監督)で甘さを見せ、確実にI神戸に仕留められた。その後もDFが2人付きながらも田中に突破されてシュートを打たれるなど、なでしこジャパンのストライカーでもあるI神戸のエースを抑えることに苦労したセレッソ。この試合のディフェンスラインは平均年齢18歳という若さで構成されていたが、「隙を与えると失点につながると感じてくれたと思う。一つ一つのプレーにこだわりながら、日常を変えていって欲しい」(鳥居塚監督)と今後に糧にしていきたい。

 

それでも、前半と同様、失点後も崩れることなく試合を進めたことは、ホームでの直近2試合の反省も生かされていた。ただし、後半のシュートはゼロ。脇阪を中心に相手の嫌なスペースを狙いつつゴールを目指したが、「大事なところには相手もしっかりDFがいて、そこからさらに崩す部分はまだまだ」(脇阪)と後半はI神戸の牙城を崩すことができないまま時間は経過。終盤はWEデビューとなる吉田琉衣を前線に投入してこじ開けにかかったが、I神戸に対応されてタイムアップ。善戦及ばず『BATTLE OF KANSAI』2連敗となった。

 

WEリーグ再開後、3月の6試合は1分5敗と未勝利に終わったセレッソ。今節、誰よりも勝ちたい気持ちを前面に出して戦ったキャプテンの脇阪は、「チーム状況は苦しいですが、次に試合に向けて、もう一回、全員で勝ちにいきたい」と前を向いた。チーム全体として、選手個々として、この6試合で学んだことを生かし、反転攻勢をかけたい4月の戦いへ向かっていく。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「選手は一生懸命、戦ってくれました。昨年2月から準備してきた結果が、今、出ているというところで、自分自身の指導力も含めてもう一度考えないといけないと感じています。選手は一生懸命やってるのですが、隙を逃さないINACさんはさすがだなと感じた部分と、甘さを見せたウチの違いがこの結果に出たのかなと思います。次の試合は2週間空くので、もう一度、しっかり振り返って、やれることをしっかり準備したいです」
 
Q:敗れましたが、成長を感じる内容ではあったと思います。失点後、パスがつながるシーンも多く、日頃の練習の成果が出たと思う一方で、失点はやや淡泊にも見えます。成長と課題をどう見られますか?
「先制された中でも、前半の中でリズムを持ち直して追いついたことは、成長だと感じています。ハーフタイムに選手に伝えたのは、『ただ蹴って、チャンスを作って、ゴールを取って勝っても、選手の成長でもないし、チームの成長でもない。自信をもってつなげるところはつないで、自分たちの力で崩していく。そのためには技術が必要だし、準備も必要』だと。失点したからああいう部分が出たのかも知れないですが、勇気を持つこともポイントなのかなと思います。前半をいい形で終われたにも関わらず、後半の入りで甘さが出てしまった。最後の吉田を入れて点を取りにいく形にしても、あそこをどう使うのか、まだまだ選手の理解が低い。先ほど選手に伝えたのは、『個人戦術をもう一回、見直して、上げていかないといけない』ということ。こだわるところにどれだけこだわれるか。隙を逃さない部分が今のINACの強さだと思うので、そういうチームを目指していきたいです」
 
Q:若いチームですが、今日のDFラインはとりわけ若く、平均年齢18歳でした。やれていた部分も多かったですが、失点場面を含め、相手の個にやられる場面もありました。この試合で得たことをどう今後に生かして欲しいですか?
「このレベルを感じて、甘さ、隙を与えると失点につながると感じてくれたと思う。トレーニングの中でも、そういう攻撃をしてくれないと、守備の選手も気付かない。逆に、点を取らせない守備をやらないと、攻撃も強くならない。お互いがしっかりと日々を変えていかないと、このリーグでチャンピオンを獲ることは難しい。一つ一つにこだわりながら、日常を変えていってもらえたら、より成長につながると思うので、継続して選手に伝えながらチャレンジしていきたいです」
 
Q:相手の田中美南選手や成宮選手ら日本代表クラスの選手に対して、CBの選手に伝えていたことは?
「ゲーム前に言ったことは、『代表の選手が多いし強いチームではあるが、その選手を抑えることができれば、自分たちが代表に選出されるよね』ということ。そのくらいの気持ちを持たないといいけない。リスペクトはしていますが、『凄いな』と感じてピッチに立った時点で負けてしまう。『しっかりチャレンジして欲しい』と伝えて送り出しました。正直、ピッチの中では、あと一歩、寄せていたらという部分。間合いや距離感が近くても、INACさんはプレーできている。ウチは一歩寄せられない。寄せられたらプレーできない。それが現状で差を感じたので、そこは日々の中で変えていくしかありません」
 
Q:関西ダービーを今季2試合戦いました。今後、盛り上がっていくための期待について
「こういう舞台でいいゲームをして、選手たちが躍動しているところ見て楽しんでいただけたら、女子サッカーの人気も増えていく。見ている子どもたちに対しても、サッカーをやりたいと思ってもらうことができたらいいです。関西だけに限らず、WEリーグのゲームで夢や感動を与えられるように、ということは、選手には常に伝えています。どんな試合でも、最後まで諦めずに戦う姿勢は見せていきたいと思います」
 
Q:脇阪選手が攻守に素晴らしいプレーを見せていましたが、現状の彼女の取り組みと、それに続く選手がどんどん出てきて欲しいという期待も込めて、いかがでしょうか?
「脇阪自身、本当に負けたくなかったと思います。前回も先制しながら逆転負けをして、この試合に懸ける思いは並々ならぬものがあったと思います。ピッチでそれを表現してくれたと思います。INACにも負けていない、高いパフォーマンスを見せてくれました。脇阪だけではないですが、できた部分はあったので、そこを選手がどう感じて自信につなげるか。苦しい時にどれだけ戦えるか。それが今後のポイントになります。脇阪は日頃から努力している選手で、そういう部分を他の選手も見習いながら、他の選手もちょっとずつ努力しているので、そうやって切磋琢磨してチームがレベルアップしていけばいいかなと。僕の指導もしっかりして、選手たちの成長を促していきたいと思います」

選手コメント

■田中 智子選手
Q:ホーム初ゴールとなりましたが、決めた瞬間の思いは?
「ボールがどこに飛んだか、分かっていなかったです(笑)。ゴールキックから始まると思って戻ろうと思ったら、みんなが喜んでいたので、『決めたんだ』と思いました(笑)」
 
Q:初ゴールのアシストも脇阪選手でした。ホットラインですね。
「いいボールを毎回出してくれます。あとは合わせるだけ、というパスが多いので、今日は決まって良かったです」
 
Q:失点後、良いリズムで試合を進めていた時間も多く、成長も感じましたが、失点場面では課題も残りました。今日の内容はどう振り返りますか?
「時間帯によって、自分たちが落ち着いて回せる時間もありました。それを90分通してできるようになりたい。個人の能力が相手は高いので、サイドからの1発があります。こういう相手にも、自分たちが相手を動かしながら、ボールを回していけるようにしたいです」
 
Q:今後も得点を重ねて欲しい期待があります。これからの戦いに向けて
「まだ自分のゴールでチームを勝たせることができていないので、次は自分のゴールでチームを勝たせられるように頑張りたいです」
 

■脇阪麗奈選手
Q:かなり気持ちが入っていたように見えました。パフォーマンスも素晴らしかったですが、試合をどう振り返りますか?
「勝ちたかったです。同じ失点の仕方で何度もやられているのは、経験(の差)ではなく、意識のところだと思います。そこを突いてくるINACは、さすがだなと思いました」
 
Q:クロス対応は練習でもかなりやっていると思うが、寄せの甘さや、中で競り負けることは改善しないといけない?
「同じミスで何回もやられていては、このリーグでは勝てない。それを改めて思い知った試合になりました」
 
Q:次のプレーを予測しながらつなぐことや、中盤の作りやパスワークでは、前半は圧倒している時間帯もあり、成長も感じたが?
「後半も自分たちの時間帯は多かったですし、相手の嫌なところを突けていたと思いますが、大事なところには相手もしっかりDFがいて、そこからさらに崩す部分はまだまだだと思いました。内容としては五分五分ぐらいでやれたと思いますが、これをどう勝ちに持っていくかは、全員がもっと考えないといけないと思います」
 
Q:前節もそうでしたが、両ゴール前での決めること、守ることを、勝つためには突き詰めないといけない?
「上位にいるチームはそこが分かっているので、自分たちも見習わないといけません」
 
Q:同点ゴールはクロスからアシストされたが?
「あの場面は空いていたので、シンプルに入れて、狙い通りでした」
 
Q:3月は苦しい1ヶ月になりました。「このままでは終われない」という思いはチーム全員にあると思いますが、4月以降の戦いに向けて
「チーム状況は苦しいですが、私自身、しっかり試合に出てチームをまとめられるように頑張りたいのと、次の試合までにはケガ人も戻ってきてくれると思うので、もう一回、全員で勝ちにいきたいです」
 

■白垣うの選手
Q:試合をしながら色んなことを感じたと思うが、今日の試合を振り返ると?
「守備でのマークの確認や、ボールの配球です。守備にしても、持ち運びにしても、もっと流れを考えてプレーしないといけないと感じました。ここで止めないといけない、という場面でやられてしまったり、試合の入り方も含めて改善していかないといけないです」
 
Q:守れていたシーンも多かったですが、失点場面のように、このレベルになると、一瞬の個ではがされたり、競り負けたり、ワンプレーの重みも感じるが?
「クロス対応は課題だと分かっていたので、防ぎたかったですが、ボールウオッチャーになって、マークを見れていなかった。背後に飛び出してくることが分かっても、そこでラインのコントロールがズレていたこともありました」
 
Q:勝てなかった3月で得たことを、4月の戦いにどうつなげていきたいですか?
「自分ももっと対応力を上げていかないといけないですし、CBとして1点もやらせない、ぐらいの気持ちで次の試合からやっていきたいです」
 

■牧口優花選手
Q:INAC神戸レオネッサと対戦して感じたことは多くあったと思うが、今日の試合で得たことは?
「上位ということもあり、チームの一体感や、試合の入りで勢いも感じました。一人一人の技術も高いと感じました」
 
Q:そうした相手に対しても、前半の途中から盛り返した。今日の良かった点は?
「今までは、失点したら、そのまま悪い流れに引きずりこまれることもありましたが、取り返せたことは良かったです」
 
Q:3月は貴重な経験を積んでいますが、4月以降の戦いにどう生かしたい?
「強度の高い中で試合に出させてもらって、今のままの自分では、準備が遅いことや、ポジショニングが悪いことも気付けたので、試合を見て振り返って、一つ一つ改善して良くしていきたいです」

 
■吉田琉衣選手
Q:WEリーグデビューになりました。ピッチに立った時の気持ちは?
「嬉しかったのと、得点が欲しい場面だったので、決めようと思って入りました」
 
Q:FWでのデビューは想像していなかったかも知れませんが、自身の役割をどう考えてピッチに入りましたが?
「クロスとかには全部合わせにいくイメージで、競り合いでも負けないようにと思ってプレーしました」
 
Q:WEリーグの舞台でINAC神戸レオネッサと対戦したことを今後にどうつなげたい?
「もっと試合に絡めるように、90分戦えるように頑張ります」