2023-24 WEリーグ第9節

2024.3.10

セレッソ大阪ヤンマーレディース

0

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FULL TIME

4

0-1

0-3

三菱重工浦和レッズレディース

清家 貴子 (37')

伊藤 美紀 (53')

島田 芽依 (62')

清家 貴子 (70')

ヨドコウ桜スタジアム

2,441

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

昨季のWEリーグ王者に力の差を見せつけられて完敗。今後の成長への糧としたい
 
WEリーグ再開初戦となったマイナビ仙台レディース戦から中6日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、リーグ再開後ホームでは初となるWEリーグ第9節、三菱重工浦和レッズレディース戦に臨んだ。先発はマイ仙台戦から1人変更。筒井梨香が外れて北原朱夏が入り、左サイドバックへ。前節、左サイドバックを務めた荻久保優里がCBに移った。北原にとっては、これがリーグ戦初先発となった。
 
立ち上がりから浦和にボールを握られ、セレッソは守備の時間が続く。それでも懸命に体を寄せて守ると、10分、浦和の最初の決定機はGK山下莉奈が好セーブで防ぐ。攻撃では浦和の素早い切り替えの前に、奪ったボールをつなげず苦しい時間が続いたが、15分に最初のチャンス。GK山下からつなぎ、CBからのクサビのパスを矢形海優が丁寧に落とすと、百濃がドリブルで運び、最後は和田麻希のパスに矢形が背後を取ったが、わずかに合わなかった。その後も前からの守備や、シンプルに背後を突く形でゴールを狙うセレッソ。32分には、前からの守備で百濃と和田がゴールに迫ると、ここで得たCKからビッグチャンス。北原のキックに和田が合わせたが、惜しくも枠を外れた。立ち上がりから浦和の攻撃に守勢に回り、基本的には浦和に主導権を握られ続けたセレッソだったが、この試合では筒井の欠場を受け、CBでコンビを組んだ浅山茉緩と荻久保優里を中心に守備の集中力を切らさずしのぎ、少しずつ自らの流れに持ち込みかけていた矢先、37分に失点。相手GKのパスを起点に背後を取られて真ん中を崩され、ネットを揺らされた。
 
後半から和田に代わって田中智子が入り、矢形と2トップを組む。反撃姿勢を強めたいセレッソだったが、53分、CKの2次攻撃から失点し、浦和に追加点を与えてしまった。試合の流れを考えると、ここで喫した失点が、試合の行方を決定付けた。ここから浦和の圧力が増していく一方、セレッソは勢いに飲まれてボールを前に運べない。すると62分、浦和にショートカウンターから3点目を許し、試合はさらに難しい展開となる。ホーム、ヨドコウ桜スタジアムに集まってくれた大勢のサポーターのためにも一矢報いたいセレッソは、64分、中央を崩して百濃が決定機を迎えたが、シュートはゴール手前で相手DFにクリアされた。70分には、セットプレーの流れからファウルでPKを与えてしまい、点差は4点に広がった。このままでは終われないセレッソは、73分、カウンターから田中がシュートを狙う。84分にも、CKの流れから、高和芹夏のクロスに矢形が飛び込んだが、惜しくも合わなかった。試合はこのまま0-4で終了。再開後は2連敗となった。
 
攻撃、守備、対人、連係と、全てにおいて相手に上回られた一戦。「パスの質や、1対1、連続した守備、もっと全員で突き詰めて、練習から厳しくやっていかないといけないと強く感じた」(百濃)、「技術やパワー、フィジカルや試合運び、全てが自分たちより上だった。細かな技術や個人の部分でも負けないことも含め、当たり前のことを当たり前にできる選手にならないといけない」(高和)と選手たちはそれぞれ、この試合で足りなかったことを痛感。「危機感を持って、一人一人が変わっていくしかない。幸い、残り13試合ある。ここからどう変わっていけるか」とはキャプテンの脇阪麗奈。昨季のリーグ王者から受けたWEの洗礼に、「このリーグの厳しさを改めて痛感した試合になった。一つの分岐点と考えて、チャンピオンになるためには自分たちが何をしないといけないのかを理解させて、今後に取り組んでいきたい」と試合後は鳥居塚伸人監督も決意を新たにした。次節の相手も上位の日テレ・東京ベレーザ。リバウンドメンタリティーを強く持ち、敵地へ向かいたい。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督

「一生懸命、戦って、この結果になったと思います。このリーグの厳しさを改めて痛感した試合になりました。逆に、このタイミングで浦和さんと試合を行ったことで、このリーグでチャンピオンになるために必要なことを再認識させられたことが勉強になりました。チームにとっては、この戦いはプラスだったのかなと思います。日々を変えていくことがポイントだと思うので、引きずらずに、次節に改善して臨みたいです」

 

Q:WEリーグ参入後、今節が最も完敗だったが、現状、浦和との差をどこに感じられたか。また、この試合を経験したことが、チームにどのような意味を持つか。

「一つは、個人の技術や判断の差。しっかり準備をしてボールを引き出す相手と、ウチのように引き出してから考える。その時間の差がこの結果につながったと思います。日々の練習の中から改善していくことがポイント。球際の強さもそうですが、浦和さんは常に複数の選択肢を持ってプレーされていた。ウチは一つのプレーをするのにも時間がかかった。それがこの結果になったのかなと。カップ戦から同じようなミスをしていたとは思いますが、それが失点につながらなかったのが今まで。(元々)力の差はあったと思います。それを選手が本当に感じることができたゲームが今日なのかなと。一つの分岐点と考えて、もう一回、選手に求め続けて、チャンピオンになるためには自分たちが何をしないといけないのかを理解させて、今後に取り組んでいきたいと思います」

 

Q:試合後、選手たちに話された言葉と、選手たちの様子はいかがでしたか?

「WEリーグ参入後、ここまで大敗した試合はなかったので、元気はなかったです。ただし、チャンピオンになるためには、このレベルに勝たないといけない。では勝つためには何が必要か。『日常を変えて取り組んでいこう』という話をしました。次またベレーザとの試合がありますが、今のままでは何連敗するか分からない。技術は日々積み重ねていかないと進化はしないので、そこは常に頑張っていこうと。『メンタルは差が縮まる』と選手には伝えました。『どれだけ勝ちたい選手が来週からピッチに立ってくれるか。そこは一つポイントになるよ』と伝えたので、勝たせる選手が集まって、またベレーザ戦に向けて準備したいです」

 

Q:浦和のような完成度の高くて守備の立ち位置も考えている相手に、セレッソも後ろから運ぶことにチャレンジしていたと思います。ただ、CBの選手も(パスコースを)探してしまう時間も目に付きました。そういう状況を生まないためには、何が必要か? 

「常にゴールから逆算して、どこに(パスを)入れたら、どこの相手が動くのか。それを理解してボールを動かせるようになれば、迷うことはないと思います。ただ、『どこに味方がいるのかな』というところから入ってしまっているので、そこでジャッジが遅れる。狙ってボールを付けることで、相手は変化する。自信を持ってプレーできるか、それとも、狙われているからやめてしまうのか。それで内容も一気に変わる。ウチは1年目なので、こういうゲームを何試合やったとしても、チャレンジしないといけない。ミスして失点したら、それを改善していけばいい。判断スピードはトレーニングの中でも意識させながらやっていますが、チャレンジするところとチャレンジしてはいけないところの使い分けがまだまだ未熟。浦和さんは、(プレスに)行くところと行かないところがしっかり整理されている。個人もそうですし、チームとしてもそう。そういうところはチームとしても、もう一回整理して、次節に臨みたいです」

 

Q:改善点は個人によっても克服に差はあると思うが、時間がかかることなのか、ある程度はすぐにでも改善できることなのか?

「正直、時間はかかると思います。チームとして提示することはすぐにできると思いますが、まずは技術がしっかりなければ、いい場所に立っていても、(パスが)通ることはない。相手のスピードやポジションが変わることで、立ち位置も変わってくる。試合に向けては、『相手がこういう風に来たら、こういうポジションを取りましょう』ということは言っていますが、相手のスピードや能力で変化していかないといけない部分もあります。そこまで選手がジャッジしてやれているのが、浦和さんのレベル。チームとしてやることを徹底しつつ、選手がどれだけ理解して、相手を操ることができるか。時間はかかると思いますが、やり続けて結果が出るように努力していきたいと思います」

選手コメント

■脇阪麗奈選手

Q:WEリーグ参入後、今節が最も苦しい試合になったが、何を感じてどう生かす?

「みんなが感じ取ってくれたことを日常で表現してくれればいいなと思います。もっと自信を持っていいかなと思いました」

 

Q:個人として戦えているとは思うが、チーム全体としては、今日のような相手には圧に負けて戦えていない。その埋め方は、どうしていけばいいと思いますか?

「(WEリーグ参入)1年目ですが、厳しい(リーグだという)ことを全員がもっと理解して、危機感を持って、日頃からやっていきたいと思います」

 

Q:むしろこれだけ大敗した方が、そうした危機感に火が付くきっかけにもなる?

「そうですね。今までは、そこまで(危機感を)感じることもなかったと思うので。この試合をしたことで、一人一人が変わっていくしかないと思います」

 

Q:練習からもっとやらないといけないことがある?

「練習から足りない部分はたくさんあって、一番は意識です。そこを変えないと、技術も変わらないし、日頃も変わりません。メンタルの違いはまだまだ感じるので、誰が変える、ではなく、自分で変えるしかない。キャプテンとしては難しいですが、自分で感じるしかない。メンタルのところは、もっと自分も話していかないといけないと思います」

 

Q:外のチームでWEリーグを経験してきた選手たちと、今年からWEリーグでプレーする選手たちでは、どうしても意識に差を感じてしまう。そうした意識の差は、戦っていく中で埋めていくしかない? 

「シンプルに、覚悟と自覚が足りないのは事実です。もっと突き上げてくれないと、上にはいけないと思います」

 

Q:こういう試合をこのタイミングで経験したことを収穫として、今後につなげていきたい?

「そうですね。残り13試合あるので、幸いと言えば幸いです。ここからどう変わってくれるか。自分自身もそうです」

 

Q:ケガや移籍、世代別代表で数人が欠けていることも言い訳になる?

「逆にチャンスなので、(試合に出る選手は)思い切ってやって欲しい。そうでないと、自分自身のチャンスを逃すことにもなります」

 

Q:観客数は2,400人を超えています。そういう熱があるうちに、もっと個々の意識を高めていかないといけない?

「今日みたいな試合を続けると、誰も応援してくれなくなります。セレッソのサポーターの皆さんは温かいので試合を観に来てくれますが、そこに選手が甘えている。勝たないといけない、という危機感と、これだけ応援してくれているのだから結果を出さないといけない、というプロ意識をもっとみんなが持って欲しいと思います」

 


■百濃実結香選手

Q:WEリーグ参入後、今節が最も苦しい試合になったが、試合を終えて、率直にどう感じていますか?また、今後にどう生かしていきたい?

「試合前は、『浦和さんは強くてうまい相手だけど、挑戦しなければ自分たちの成長にはつながらないから、自信を持ってトライしよう』という意気込みで入ったのですが、自信のなさがプレーに表れたと思います。1対1や球際、セカンドボールの回収など全部が圧倒的に浦和さんに負けていた。ただ、前半は何とか1失点で耐えたので、後半は修正していこうと入ったのですが、改善できないまま、ズルズルと失点を重ねてしまった。細かい部分もそうですし、パスの質や、1対1で負けないとか、連続して守備に行くとか、そういうところをもっと全員で突き詰めて、練習から厳しくやっていかないといけないと強く感じました。個人的には、0-3で負けている時間帯で自分のシュートチャンスがありました。今後、例えば同点で、あの得点で勝てた、という試合もあると思うので、ゴールを決め切ることも、練習からやっていく必要があると思いました」

 

Q:改善しようという思いがあっても、なかなかうまくいかずに失点を重ねてしまった後半は、どのような心境でプレーしていた? 

「個人、個人の中ではイメージがあったと思いますが、それが合っていなかったり、ミスしてズレたり、考えていたことができなかったり、みんなもどかしい気持ちがあったと思います。声は出していたのですが、なかなか通らなかった。全員で落ち着いてプレーすることも必要だったと思います」

 


■高和芹夏選手

Q:大敗を喫してしまったが、試合を振り返ると?

「浦和には、なでしこジャパンの選手が数人いたり、経験がある選手も多くいたりする中で、技術やパワー、フィジカルや試合運び、全てが自分たちより上だったというのが正直な感想です。ただ、前半は、失点はしましたが、やれていた部分はあったと思います。その中で、後半の立ち上がりに2失点目をして、崩れてしまったのはもったいなかったと思います」

 

Q:この試合を今後にどうつなげていきたい?

「日頃の練習から変えていくしかないと思います。細かな技術、止める・蹴るにこだわっていくのと、1対1、個人の部分でも負けないという、当たり前のことを当たり前にできる選手にならないといけないと思います」

 

Q:チームとしてはどう今後に生かしたい?

「チームとしては、次また試合が続きます。落ち込んでいる暇はないというか、すぐ試合が来るので、いい雰囲気を作って、守備も攻撃も話し合って、コミュニケーションを取って、改善するところはして、次は勝てるように頑張りたいです」

 


■北原朱夏選手

Q:リーグ戦では初先発となったが? 

「前もカップ戦で初先発した試合も相手が浦和だったので、そこまで焦りはなかったですが、清家選手が最初から出てきて、うまさもありました。『できる』と思っていても、通用しない部分がいっぱいありました。今後、練習からもっとこだわって、改善していきたいと思います」

 

Q:感じた差とは、具体的にどのような部分か?

「自分では、プレッシャーをかけているつもりでも、かかっていなかったり、パスコースを切っているつもりでも、切れていなかったり。そういう部分が多かったです。他の選手なら、このくらい寄せればいける、という部分でも、清家選手には打開されてしまった。うまい選手に対しては、もっと寄せないといけないし、もっと厳しく相手を倒すくらいの勢いが必要だと思いました」