2023-24 WEリーグ第7節

2023.12.30

セレッソ大阪ヤンマーレディース

矢形 海優 (90+1')

1

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FULL TIME

0

0-0

1-0

アルビレックス新潟レディース

ヨドコウ桜スタジアム

2,125

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

年内ラストの一戦。矢形海優のバースデーゴールが決勝点となり、上位の新潟Lを撃破
 
年内ラストの一戦となった今節。セレッソ大阪ヤンマーレディースはホームのヨドコウ桜スタジアムにアルビレックス新潟レディースを迎え、WEリーグ第7節に臨んだ。先発は前節から4人変更。藤原のどかと米田博美がリーグ戦2試合ぶり、松本奈己がWEリーグ初先発、さらには四海結稀奈がWEリーグデビューを飾った。
 
今節を迎えるまで公式戦6戦無敗、リーグでは2位に付けるなど安定した強さを誇る新潟Lに対し、C大阪も臆することなく試合に入る。攻撃では丁寧にボールをつなぎつつ相手DFラインの背後を積極的に狙うと、守備でも前からアグレッシブにプレス。今季の新潟Lの特長であるボール保持を潰していく。5分、米田のスルーパスに抜け出した矢形海優が背後を取ってクロス。ニアへ田中智子が飛び込むと、8分にも、今度は田中がサイドの裏へ抜け、カバーに出てきたGKもかわして中へクロス。ただし、どちらもシュートにつなげることはできなかった。16分には、田中のパスに抜け出した小山史乃観が左サイドの奥を取ってシュート。コンパクトな陣形を保ちつつ、攻守に連動したプレーを発揮していたC大阪だが、25分、新潟Lに決定機を作られる。右から左に揺さぶられると、最後は左からのクロスに中で決定的なシュートを許したが、ここはクロスバーを越えて、事なきを得た。それでもC大阪のペースは変わらない。人への素早い寄せでボールを奪うと、そこからのサポートも早く、良いテンポでゴール前に運んでいく。得点こそ奪うことは出来なかったが、前半のC大阪は攻守に全体の距離感が良く、2位の新潟Lを相手に優勢に試合を進める時間を多く作った。選手個々を見ても米田と白垣のCBコンビの安定感、右サイドハーフで先発した松本の起点を作るプレーなど、抜擢された選手たちの躍動も光った。
 
C大阪は後半から選手を2人交代。四海と藤原に代わり、百濃実結香と浅山茉緩が入った。後半は攻守に強度を増して修正をかけてきた新潟Lに対し、押し込まれる時間もあったC大阪だが、55分の相手CKではGK山下莉奈がしっかりとボールをキャッチするなど慌てることなくプレー。再び流れを作っていくと、61分には、中に入って起点を作った小山から松本、矢形とつないでサイドを崩し、最後は田中が詰めてチャンス。前半と同様、攻撃では背後を狙う形を続けていくと、71分に決定機。中盤でボールを奪ってショートカウンターを発動させ、最後は脇阪麗奈のパスに矢形が角度のないところから強烈なシュートを放ったが、ポストを直撃。惜しくもゴールとはならなかったが、鋭い攻めを見せた。その後は拮抗した展開が続くも、C大阪の守備での集中力も途切れない。DFラインのコントロール、中でのクロス対応も含め、新潟Lにチャンスは作らせない。すると、試合終盤にかけてC大阪が怒涛の攻めを展開。まずは82分にビッグチャンス。田中、矢形、百濃とつなぎ、百濃が左サイドを深くえぐってクロス。最後は脇阪が詰めてゴールに吸い込まれかけたが、惜しくも相手DFに防がれた。89分には田中に代わって筒井梨香が前線に投入され、何としても1点をもぎ取りにいく姿勢を見せると、後半アディショナルタイムに突入した90+1分、待望の瞬間が訪れた。中盤での競り合いからこぼれたボールを米田がダイレクトで前方のスペースへパス。米田と「目が合った」という矢形が反応してそのまま持ち込みシュート。見事ファーサイドに流し込み、土壇場でC大阪が先制に成功した。この日が24歳の誕生日の矢形にとっては、嬉しいバースデーゴール。「誕生日に試合をするのは人生で初めて(笑)。バースデーゴールを決められるよう頑張ります」と試合前に話していた有言実行弾に、C大阪イレブンとベンチ、スタジアムは喜びが爆発した。直後には新潟Lにクロスバー直撃のシュートも受けるなどヒヤリとした場面こそあったが、1点のリードを守り切って試合終了。好調を維持していた上位の新潟Lから大きな1勝を掴み取った。
 
「今までの全てをみんなが出し切って戦う試合にしたい」と試合前に鳥居塚伸人監督も話して臨んだ今季ラストの一戦で、攻守において今季ベストとも言える内容を披露したC大阪。「新潟さんが順位的にも上位のチームということで、ここで引き離されたくないという部分と、今年最後のゲームを勝って終わろうと臨んだ。初スタメンの選手も使いながら、選手が一生懸命やってくれて、勝点3を取れたのは良かった」と指揮官は試合を総括した。ここからリーグ戦は約2ヶ月の中断期間に入るが、チームとして、選手個々として、より一層のレベルアップを図り、再開後のさらなる飛躍を目指す。

監督コメント

■鳥居塚 伸人監督
「新潟さんが順位的にも上位のチームということで、ここで引き離されたくないという部分と、今年最後のゲームを勝って終わろうと臨みました。初スタメンの選手も使いながら、選手が一生懸命やってくれて、勝点3を取れたのは良かったと思います。これを継続して、1月、2月とチームをレベルアップさせていきたいと思います」
 
Q:試合前には「今までの集大成をぶつけたい」という言葉もありましたが、今節は内容的にも安定していたように見えたが、プレー面に対する評価は?
「一生懸命やってくれたと思いますが、もう少し出来る部分も多く感じました。練習では出来ていますが、公式戦の強度が高い中でもどれだけ出来るかは、突き詰めていかないといけません。その中でも、今日のゲームは90分を通して集中していたと思うので、こういうゲームを数多くやっていきたいと思います」
 
Q:「もっと出来る」部分とは、パスの精度など技術面でしょうか?
「そうですね。技術的なクオリティーもそうですし、テンポを上げるために、準備をもっとやらなければいけない場面も数多くあったので、そこは修正していきたいです」
 
Q:前節から先発を4人変更されましたが、その狙いは?
「くすぶっている選手たちが、最後にパワーを出してくれるというところ、チーム力を試す部分でも、使ってみたいなと。練習のパフォーマンスも良かったので、起用しました。結果が付いてきたので、よりチーム内の競争は激しくなるのかなと期待したいです」
 
Q:矢形選手が勝負強いです。彼女に対する評価は?
「そうですね。古巣の仙台戦でも取っていますし、今日はバースデーゴール。勝負が懸かった試合で点が取れるストライカーであり、力強い選手だなと。今後も得点を重ねてくれたらありがたいです」
 
Q:次節まで約2ヶ月空きますが、6位で中断を迎えたことについて
「一つは、中断までに勝点を二桁に乗せて終わろうと話していた中で、二桁に乗せられたのは良かったと思います。シーズンの約3分の1が終わったので、自分たちが足らない部分、課題を抽出して、レベルアップしていきたいです。まだまだストロングポイントを出せていないのが現状だと思うので、それを出すためにどうしていったらいいか、取り組んでいきたいと思います」
 
Q:中断期間でさらに高めていきたいことは?
「ずっと言い続けていた部分ですが、個人戦術のレベルアップは確実に必要になります。疲れてからのクオリティー(向上)も、重点的にやっていきたいです。チームとしてやらないといけないベースを上げること、守備の形も、この2ヶ月でしっかり固めていきたいと思います」
 
Q:ここまで1試合1試合、経験を積み重ねていると思うが、当初に考えていた部分と比べて、予想よりもいい部分、足りない部分など、現状をどう捉えていますか?
「カップ戦に関しては、出来過ぎだと思っています。リーグ戦は、中断までに二桁に乗せたことは、予想通りだと思っています。ただ、このままでは上の順位には行けないので、ここからもっとレベルアップして臨みたいと思います」

選手コメント

■矢形 海優選手
Q:バースデーゴールでの決勝点、おめでとうございます!
「ありがとうございます(笑)」
 
Q:改めて、ゴールシーンを振り返ると?
「みち(米田博美)と目が合ったタイミングで、スペースに出してくれると思っていました。周りを見たら横にリコ(筒井梨香)がフリーでいたのですが、ここは自分が打って決めたい気持ちの方が大きかったので、打ちました。綺麗に入ったので、良かったです。入った後、みんなが喜びに抱きつきに来てくれた時は、ここ数試合、勝てなかったことや、色んな思いがこみ上げてきて、ちょっと半泣きでした(笑)」
 
Q:その前にも1本、ポストに当たったシーンもありましたが、今節は背後を狙えていたのでは?
「そうですね。練習から、今日はディフェンスの背後を狙うように、チーム全員で目指していました。あとは、前半からシュートを多く打つこと。打てばこぼれ球や、事故的なことも起こる。全員がゴールを狙った結果、シュートも多く打てたと思いますし、相手のチャンスも少なく抑えることが出来たと思います」
 
Q:もう一つ今日のテーマに挙げていた、前から守備をして相手のボランチにいいボールを入れさせないことは、ある程度、しっかり出来たのでは?
「そうですね。新潟の選手も切り替えが速い選手が多くて、カウンターや危ないシーンも何回かありましたけど、終始、全員で声を出して守り切れたのかなと思います」
 
Q:それにしても、古巣戦やホーム初ゴールなど、今季の節目は全て決めていますね。自分で「狙う」と言葉にすることで、自分にプレッシャーもかけている?
「そうですね(笑)。特に今日は、試合前から色んな人たちから『バースデーゴールを期待している』という言葉をもらっていたので、プレッシャーもありましたけど(苦笑)、リラックスして入ろうと思ったので、この結果につながったのかなと思います。最高の誕生日になりました(笑)」
 
Q:親御さんもスタジアムに来られていた?
「はい、親も来ていましたし、幼馴染の子たちも駆け付けてくれたので、パワーをもらっていました。親の前で最高の誕生日を迎えられました。少しは恩返しできたのかなと思います。親には『生んでくれてありがとう』と伝えたいですね(笑)」
 
 
■米田 博美選手
Q:無失点での勝利について、今の気持ちはいかがですか?
「シンプルに嬉しいです(笑)」
 
Q:白垣選手とCBでコンビを組みましたが、心掛けたことは?
「ラインのアップダウンは自分がリーダーシップを取って引っ張っていこう、という中で、うのと声を掛け合って、チャレンジとカバーを意識してプレーしました」
 
Q:今日は内容的にも落ち着いてプレー出来ていたように見えたが?
「とにかく自信を持ってプレーしよう、ということは意識して臨みました。自信を持ってプレーした結果が、無失点につながったと思います」
 
Q:矢形選手は「目が合った」と話していましたが、決勝点につながったパスは狙い通りでしたか?
「はい(笑)。やかちさんが走り出すのが見えて、自分もフリーで蹴れる体勢だったので、そこしかない、と思って蹴りました」
 
Q:「2011年のなでしこジャパンのW杯優勝を見てサッカーを始めた」と話していたが、相手には川澄選手がいました。対戦していかがでしたか?
「特に川澄選手のファンだったので、不思議な気持ちでした(笑)。リスペクトは大事ですが、プレーしている間は、球際で負けないように頑張りました。一緒にサッカーが出来たことは不思議な感じでしたが、嬉しかったです」
 
 
■白垣 うの選手
Q:無失点での勝利について
「勝てて良かったですが、自分としては課題が残る試合かなと思います」
 
Q:どのあたりに課題が残りましたか?
「パスミスが多かったり、慌ててしまったり。もう少し周りを見ることが出来れば、スペースがあったり、運べたり、色んなことが出来たと思います。また映像を見返したいです」
 
Q:守備に関しては、素晴らしい対応が続いていたと思うが?
「いやー(笑)。今日は(米田)博美に助けられました。自分のしたいことを分かっているかどうかは分かりませんが、合わせやすいというか、自分のしたいことができたと思います」
 
 
■山下 莉奈選手
Q:前節の悔しさもあった中で、今節、無失点で勝利を掴んだ思いは?
「年内最後ということもあって、チームとしては勝点3を獲得することが目標でしたし、自分の中でも、前節の借りを返すというか、絶対に失点ゼロで抑えようと思っていたので、無失点で勝てて良かったです。それに、今日はやかち(矢形海優)の誕生日で、『やかちは点を取る、莉奈は無失点』と約束していたので、それを達成出来て良かったです(笑)」
 
Q:最後のクロスバー直撃は、ヒヤリとしたのでは?
「そうですね、『頼む!』という感じでした(笑)」
 
Q:勝敗を五分に戻しました。ここまでリーグ戦は7試合を終えましたが、濃い試合が続いていると思います。ここまでのリーグ戦を振り返ると?
「失点が多いので、1点でも防いでいたら違う結果になった試合もいっぱいありました。年明けからは、より1点の重みにこだわって、勝点1でも取れる試合を増やしていきたいです」
 
 
■松本 奈己選手
Q:WEリーグ初先発でしたが、試合前の気持ちはいかがでしたか?
「前日から言われていたので、自分がどれだけ通用するのか楽しみな気持ちでした。監督からは『思い切ってやってこい』と言われたので、緊張せず試合に入れました」
 
Q:実際にプレーした感触や、試合を終えての感想は?
「あまりサイドハーフでプレーする機会がないので、サイドバックの選手と声を掛け合いながらプレーできたと思います。(サイドハーフとして)ボールを多く引き出すことを意識しました」
 
Q:落ち着いてプレーしていたように見えました。技術的に高いところも見せたと思うが、出せた部分と出せなかった部分など、自身としてはどう振り返りますか?
「出せた部分もあったのですが、個人的には出せなかった部分の方が多かったので、これからもっと経験を積んでいかないといけないと思いました」
 
Q:戦って、新潟Lの印象は?
「新潟は攻守の切り替えが速いチームなので、自分も1対1では絶対に負けないようにしようとプレーしました」
 
Q:今後、伸ばしていきたいところは?
「ボールを持った時のバリエーションも増やしたいですし、守備でももっと強度を上げていかないといけないと思います」
 
Q:新潟Lの監督は、「相手のプレッシャーが良かった」とも話されていたが、チーム全体の守備は良かったのでは?
「試合前から『全員で前から行こう』という声掛けはしていたので、全員で集中して入れたと思います」
 
 
■四海 結稀奈選手
Q:WEリーグデビューとなりました。ピッチに立つ前の思いは?
「ケガもして、長い間サッカー出来ない時期もありましたが、この舞台で試合に出られたことが嬉しかったです」
 
Q:公式戦自体が久しぶりでしたか?
「この前、皇后杯に少しだけ出たのですが、その前となると、何年も前になります」
 
Q:そうした中で、ホームのピッチに立って、WEリーグを感じた部分もありましたか?
「はい。強度が高かったです。体が強いし、当たりも強い。今までは外から見ていただけでしたが、実際にピッチに立つと、応援の雰囲気やサポーターの数も多くて、凄かったです」
 
Q:今日の中で出来たこと、次に生かしていきたいことは?
「今日、出来たことは…。なんかワクワクし過ぎて、空回りしたと思います(苦笑)。周りに助けてもらってデビューできました。これからもっと、攻撃で絡んでいきたいです」
 
Q:1度ピッチに立ったことで、次への目標も生まれたと思うが、中断期間をどう使いたい?
「自分の課題である強度を上げて、自分のプレーを生かせるポジショニングを伸ばしたいです。特に守備のポジション取りは難しいので、そこも頑張って高めていきたいです」