2023-24 WEリーグ第2節

2023.11.18

大宮アルディージャVENTUS

大島 暖菜 (90+4')

1

AWAY

FULL TIME

0

0-0

1-0

セレッソ大阪ヤンマーレディース

NACK5スタジアム大宮

2,753

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

リーグ初のアウェイは再三の好機で仕留め切れず、終了間際の失点で敗れる悔しい結果に
 
WEリーグ初陣となったジェフユナイテッド市原・千葉レディースとの開幕戦から中5日、今度はリーグ戦におけるアウェイ初戦となる第2節に挑んだセレッソ大阪ヤンマーレディース。相手は大宮アルディージャVENTUS。先発は開幕戦から1人変更。右サイドバックに中谷莉奈が入った。
 
立ち上がりこそボールを回されたC大阪だが、徐々に高い位置からボールを奪う回数が増えていくと、12分、攻撃参加した小山史乃観のクロスがクリアされたところを百濃実結香がダイレクトでシュート。相手ゴールを脅かすと、その後も出足鋭くプレスをかけ、セカンドボールも拾って自らのターンを続けるC大阪は、14分には矢形海優のプレスからビッグチャンス。DFのクリアを矢形がブロックし、こぼれ球に反応した田中智子がコースを狙ったシュートを放ったが、GKの好セーブに防がれた。16分にも矢形が右サイドを突破。百濃がニアでつぶれて最後は脇阪麗奈がシュート。ここも惜しいチャンスだった。29分には、相手GKのパスを百濃が高い位置でカット。最後は逆サイドから走り込んできた高和芹夏がシュートを放つ。36分にも高い位置で奪ってショートカウンターを発動させたC大阪は、田中、百濃とつなぎ、最後はペナルティーエリア内に入ってきた小山がシュートもGKに防がれた。試合後に脇阪も「前半、私たちが決め切れなかったことがこの試合を分けたかなと思う」と振り返ったが、C大阪としては、攻勢を仕掛け、相手がこちらのプレスを嫌がっている前半の内に先制点が欲しかった。
 
前半の終盤も人数をかけて崩しかけながら、人数をかけて守る大宮Vの守備を崩せなかったC大阪。後半もゴールを目指して攻めたいところだったが、後半はボール保持で修正してきた大宮に対し、守勢に回る時間が増える。ただし、CB筒井梨香を中心にDF陣が体を張り、56分の大宮Vの決定的なシュートもGK山下莉奈が好セーブでゴールは割らせない。この展開で、先に動いたのは鳥居塚伸人監督。59分、高和に代えて白垣うのを投入。ポジションはそのまま右サイドハーフに置いた。流れを変えたいところだったが、大宮Vのコンパクトな守備に対し、C大阪は前で起点を作れず、シュートまで行けない。後半は大宮Vのボール回しの前に守備での対応が続いたC大阪だが、何とか無失点で終盤を迎えると、84分、FW和田麻希を投入。カップ戦を含めてWEリーグデビューとなった若きストライカーが勢いを付けると、チーム全体でゴールに迫る機会が増える。すると、90分にビッグチャンス。前川美紀のスルーパスに抜け出した和田がGKとの1対1を迎えかけたが、戻ってきたDFにクリアされて、シュートは打てず。「少し力んで、うまくスピードアップできなかった」と試合後は悔しさを露わにした背番号29だが、再三、ゴールに迫るプレーで流れを変えてみせた。
 
試合はこのままスコアレスドローで終了かと思われた90+4分。C大阪は大宮VにCKからの2次攻撃を受けて失点。土壇場で勝点1を逃す結果となった。結果としては残念ではあるが、今節から学ぶことは実に多かった。「アタッキングゾーンでのクオリティーをいかに上げるか」(鳥居塚監督)、90分をトータルで考えた試合運び、試合の終わらせ方など、噴出した様々な課題を全て経験値に変えて、次なる戦いに臨んでいきたい。次節はホームに戻り、中4日でAC長野パルセイロ・レディース戦。チーム全体でリカバリーし、今季2勝目を目指す。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督
 
「選手は一生懸命戦ってくれましたが、あの時間帯での失点は残念でした。大宮さんの守備とボールを動かすところに関しては、見習わないといけないことも数多く感じたので、そこは見習いながら、次節に向けて課題を修正して取り組んでいきたいです」
 
Q:前半はシュートをかなり打ったが、後半はシュートまで行けなかった。前後半の違いについて。また、今節はWEリーグの2試合目となったが、手応えについて
「前半、シュート数に関しては打ててはいましたが、どれだけチャンスかと言えば、そこまでチャンスではなくて。アタッキングゾーンでしっかり見ることを徹底させようとしたのですが、逆にそれが積極性を失ってしまったのかも知れません。あのゾーンでいかにクオリティーを上げることができるかはポイントになるので、課題として次につなげていきたいです。WEリーグ2戦目ということで、経験のところが出てしまったのかなと思います。カップ戦を含め、戦えているところと、足りない部分がありますが、こういう敗戦を元に課題として改善していきたいです」
 
Q:後半、シュートを打てなかった理由については?
「疲労度が高くなったこともありますし、それによって見るところが減る。アタッキングゾーンのクオリティーが下がってしまった。経験はなかなか埋まらないモノですが、準備を早くさせて、クオリティーを上げて、課題を克服していきたいです」
 
Q:コンパクトな守備をしてくる大宮Vに対し、どう攻略を試みようとされた?
「(大宮Vは)経験値の高い選手が多いので、プレッシャーをかけても慌てることはないだろうと。個人の技術はしっかりしているので、今まで以上に(守備の)間合いを近づけること、ハードワークはウチの一つのポイントなので、相手の背中をどれだけ取れるか、どうやって相手を操るかがポイントかなと思っていましたが、それに対するクオリティーが低く、なかなか相手を操ることができなかった。そこが今節の敗因かなと思います。より、そのクオリティーを高めて次節に臨みたいです」
 
Q:「経験」という言葉もあったが、試合中も、後ろの選手には、「運べるぞ」。前の選手には、「ターンできるぞ」という声がけもされていました。このあたりは、WEリーグでの慣れ、場数を踏むことが必要か。
「経験で身に付くモノもありますが、トレーニングの中で準備を早くすることで、見えるモノも増えます。経験は時間でしか埋まらないので、そこに頼っても仕方ない。それをどう縮めるかは、準備を早くして見るモノを増やす、つながりを増やすことで改善していきたいです。ただ、どうしても、経験値がないので、慌ててしまったり、フリーなのにパスをしてロストしてしまった場面が今日は多く見られたので、そこは改善していかないといけないと感じています」

選手コメント

■脇阪麗奈選手
 
Q:前半はいい形も作りながら、後半、相手に修正されて流れも持っていかれた印象だが、この試合をどう振り返りますか?
「私たちの若さや経験不足が試合に出た、という感じです」
 
Q:戦った感触としては、勝てるイメージもあったと思います。うまく相手にしのがれたり、最後に決められたり、そこが先ほど言われた「経験」ですか?
「そうですね。前半、私たちが決め切れなかったことがこの試合を分けたかなと思うのと、大宮さんは後半に立て直してきたので、賢くサッカーをされたと思います」
 
Q:最後に失点して負けたことは悔しいと思うが、試合後のチームの様子について
「すぐ試合が来るので、切り替えて、明日から次の試合に勝てるようにいい準備をしよう、という感じです」
 
 
■白垣うの選手
 
Q:0-0という状況で後半14分に投入されました。何を心掛けてピッチに入りましたか?
「0-0だったので、流れを変えて、どんどんシュートを打っていこうと思っていました。(2列目で入ったので)自分が仕掛けて、ゴールを奪うことを意識して試合に入りました」
 
Q:後半は大宮Vもボールを握って攻めてくる時間もありました。守備に関しては?
「相手のサイドバックの選手が結構上がってくることは分かっていたのですが、少し対応し切れなかった部分もあったと思います」
 
Q:最後に得点された大島暖菜選手には、流れの中でも、C大阪にとって嫌なプレーもされてしまった印象だが?
「元々、知っている選手でした。速くて勢いのある選手なので、自分たちとしては少し厳しさもありました」
 
Q:ラストの失点での敗戦で悔しさもあると思うが、試合後の様子は?
「連戦なので、ここからは負けられない、勝ち続けていこう、という感じです」
 
 
■和田麻希選手
 
Q:0-0という状況で後半39分に投入されました。何を心掛けてピッチに入りましたか?
「自分の得意なゴール前での動き出しを意識して、自分が試合を決める、という意識で試合に入りました。最後、シュートまで行けなくて悔しかったです」
 
Q:1つ、背後に抜け出しかけた場面もあったが?
「あのシーンは、早く追いつかないと、と思って少し力んでしまい、うまくスピードアップできませんでした。もう少し落ち着いて、いつも通り走っていたら、シュートも打てたのかなと思います」
 
Q:WEリーグのデビュー戦になったが、今日の感想と、今後の抱負について
「今日は、自分としては3点くらい自分で決められたシーン、打っておけば良かった、と思うシーンがありました。これからはもっと自分で仕掛けて、チームに貢献できるように、得点を取って、勝利を増やしていきたいです」