2023-24 WEリーグカップ
グループステージ 第4節

2023.9.15

セレッソ大阪ヤンマーレディース

矢形 海優 (24')

矢形 海優 (47')

筒井 梨香 (61')

3

HOME

FULL TIME

1

1-1

2-0

マイナビ仙台レディース

中島 依美 (40')

ヨドコウ桜スタジアム

1,384

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

矢形海優の2ゴール、筒井梨香の今季初ゴールで快勝。嬉しいWEリーグ参入後ホーム初勝利を飾る
 
WEリーグ参入後ホーム初勝利と今季初の連勝を目指して臨んだWEリーグカップ グループステージ第4節・マイナビ仙台レディース戦。セレッソ大阪ヤンマーレディースの先発は、前節と同じ11人。古巣戦となる矢形海優が2トップの一角に入り、新加入の中西ふうが今季初めてメンバーに入った。
 
開始早々、セレッソがチャンスを作る。ハーフェーライン付近で百濃実結香が奪ってドリブル。前線の田中智子につなぎ、田中のパスを受けた高和芹夏が思い切りよくシュートを放った。ここはGKに止められたが、試合前、「勝たないと次(グループステージ突破)がない。勝ちにいくためには点を取らないといけない。今節は点を取りにいくことをベースに戦いたいので、ゴール前の崩しの意識を持たせたい」と鳥居塚伸人監督が話していたゴールへの意識を早速、体現した。その後は仙台の攻撃を受ける時間もあったが、7分、セレッソに決定機。荻久保優里のパスから敵陣左サイドの裏を取った矢形がドリブルで運び、カットインからパスを受けた藤原のどかがシュート。DFに当たり、跳ね返りを拾った脇阪麗奈が胸トラップから左足でシュート。ゴールに吸い込まれかけたが、惜しくもポストに当たった。12分にも中盤でカットした百濃がドリブルからシュート。試合開始から縦への意識を持ち続けたセレッソが、24分、先制に成功する。高い位置で田中がプレスをかけると、相手の縦パスを藤原がカット。再びボールは田中へ戻り、田中が正確なクロスを上げると、ニアに飛び込んだ矢形が見事なヘディングで合わせ、ネットに突き刺した。試合前、「めちゃめちゃ楽しみ。点を取って勝ちたい」と古巣戦に向けた意気込みを語っていた背番号11がいきなり結果を残した。その後もチャンスを作ったセレッソだが、40分に失点。筒井梨香の縦パスを相手にカットされ、サイドに展開されると、最後は自陣右サイドからのクロスに仙台の10番・中島依美にヘディングを決められた。その後も守勢に回ったセレッソだが、逆転ゴールは許さず、前半は1-1で終了した。
 
同点で迎えた後半。開始早々、セレッソが相手を突き放す2点目を決める。仙台のスローインが中島に入ったところを高和が激しくチェック。ボールを奪うと、拾った田中がすかさず前線の矢形へスルーパス。CBの間をうまく抜けた矢形が持ち運び、冷静にフィニッシュ。この試合、自身2点目でセレッソが再びリードした。56分、鳥居塚監督が最初の選手交代を行う。高和と藤原に代え、栗本悠加と白垣うのを投入すると、62分、その栗本の突破から得たCKで3点目。脇阪のキックにニアで筒井が頭で逸らし、ネットを揺らした。「セットプレーは普段からすごく練習していた。やっと点が取れた」と笑顔がこぼれた。その後は、仙台の途中出場の選手たちにゴールを脅かされる場面もあったが、GK山下莉奈を中心に無失点でしのぐと、81分には、セレッソが高い位置で奪って矢形にハットトリックのチャンスも訪れたが、ここはシュートがGK正面に飛んでゴールならず。試合はこのまま3-1でセレッソが勝利。WEリーグ参入後、待ちに待った嬉しいホーム初勝利を挙げた。
 
古巣から殊勲の2得点を奪った矢形は、「勝利できたことが本当に嬉しい。サポーターの皆さんの応援が自分たちの後押しになりました。古巣相手に2点を取れたことは、自分にとっても嬉しい試合になりました」と笑顔で試合を振り返った。その矢形に加え、3点目を決めた筒井、アシストした脇阪と、一足早くWEリーグを経験した主力選手たちが揃い踏みしての勝利に、鳥居塚監督も、「ゲームの中でチームを落ち着かせることができるということも含め、この3選手の存在は大きい。彼女たちから刺激を受けた若い選手たちが、同様のレベルになれるよう必死になってトレーニングしている。それが今回の勝利につながった」と賛辞を送った。今節、サンフレッチェ広島レジーナが三菱重工浦和レッズレディースに勝利したため、セレッソのグループステージ突破の可能性は潰えたが、WEリーグカップ グループステージ最終節となる次節、ホームに浦和を迎える大きな一戦が待っている。「課題をしっかり整理して、またトレーニングからしっかりやっていきたい」と鳥居塚監督。試合を重ねるごとに内容も良くなっているセレッソ大阪ヤンマーレディース。現状の持てる力を全てぶつけ、昨シーズンのWEリーグチャンピオン相手に勝利を目指す。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督

「前回のホーム開幕戦、多くのお客さんが来ていただいたにもかかわらず、勝利を挙げられなかったので、今回こうして勝利できてうれしく思います。ただ、ゲームの運び方としては、前半のチャンスのところで決めきれない場面が多かったのは今後の課題になるでしょうし、前半の失点に関しても同様です。やっぱり上との差を詰めるためにも、課題をしっかり整理して、またトレーニングからしっかりやっていきたいと思います」
 
Q:課題がありつつも、今日2得点の矢形海優選手、脇阪麗奈選手、筒井梨香選手ら、昨シーズンWEリーグを経験している選手たちは、若いチームのなかでどのような影響を与えていますか?
「やっぱり日々のトレーニングにおいて、こだわる部分が変わってきていますし、ゲームの中でもチームを落ち着かせることができるということを含めて、この3選手の存在は大きいと思っています。彼女たちからの刺激を受けた若い選手たちが、同様のレベルになれるよう必死になってトレーニングをしています。それが今回の勝利につながったとも思いますし、これからも上を目指して、トレーニングをやっていきたいです」
 
Q:途中出場の栗本悠加選手の評価と今後、彼女に期待することとは?
「まだ若さが見える部分は多くありますが、ストロングをしっかり持っている選手ですし、今日のああいう場面でも自分からミスを恐れず積極的に仕掛けていけます。そういう中で点を取れる選手になってほしいと思っています。 ただし、個人戦術の面においては、まだまだサッカーの理解が低い。何をしなければいけないのかは今後整理していく必要はあると感じています」

選手コメント

■矢形海優選手
 
Q:2ゴールを振り返ってください。
「1点目はトモ(田中智子)が中を見た時に、手でニアのほうを指示して、そこに本当にいいボールが来たので合わせるだけでした。 2点目もトモからのスルーパスというか、いいボールが来ました。前半に2回ほど同じようなシーンがあったけど、ミートしきれないシュートになってしまったので、その分、『後半は』と思っていました。あそこで思い切って打ったらいいゴールになったので、よかったです」
 
Q:2点目のシーン、ドリブルのコース取りは狙いどおりでしたか?
「そうですね。トモが前向きになった瞬間に動き出すことはいつも心がけています。そのタイミングでボールが来て、もう1個(ボールを)運ぶ選択肢もあったのですが、相手のディフェンスが横から来ているということも分かっていて、思いきって『早めに打とう』と」
 
Q:ホームでの初勝利になりましたね。
「もう本当に勝利できたことが嬉しいです。サポーターの皆さんの応援の力が自分たちの後押しになりました。本当に感謝していますし、前回、負けてしまった分、今日の勝利で少し恩返しできたかなと思いますが、まだまだホームゲームはあるので、いつも勝って、今日みたいに最後は笑って終わりたいです」
 
Q:今日の相手は古巣のマイナビ仙台レディースでした。
「ワクワクしていて楽しみが強かったのですが、冷静に、力まないようにやろうと意識していました。そうした中でああいうプレーを出せて、古巣相手に2点を取れたことは、自分にとっても嬉しい試合になりました」
 
 
■筒井梨香選手
 
Q:今シーズンの初ゴールを振り返ってください。
「セットプレーは普段からすごく練習していたので、『やっと点が取れたな』と。ニアに入る形も練習していたので、良かったです」
 
Q:ホームでの初勝利はいかがですか?
「何よりファンの皆さんの前で勝てたことが1番良かったなと思います。でも、やっぱり1失点してしまったので、そこは課題だと思っています」
 
Q:失点シーンの起因となった場面は単純なパスミスでしたか?
「あの場面は矢形選手に(パスを)出そうとしたのですが、めちゃめちゃズレてしまって……。タイミングが合わなかったというか。自分はフリーだったのに焦ってパスを入れてしまったので、それが原因かなと思います」
 
Q:今日のゲームを通しては手応えも得られたと思います。
「そうですね。前半のダメだったところを後半で修正できました。そこは大きかったと思います。前半、右サイドを結構使われていたので、高い位置で奪うというか、コミュニケーションを取りながら、(右サイドを)使われないようにできました。それで後半は無失点で終えられたと思っています」
 
Q:今日勝ったことで、グループリーグ突破の可能性が広がりました。今後へ向けて意気込みをお願いします。
「チームのノルマは決勝進出です。目の前の試合は絶対に勝とうという思いでいます。次の試合もホームで戦えるので、ファンの皆さんとともに勝利を味わえたら最高かなと思っています」
 
 
■高和芹夏選手
 
Q:ホーム初勝利の感想をお願いします。
「前回のホームゲームで約3000人来ていただいたのに勝ちきれず、すごく悔しかったです。だから『今節は、絶対勝とう』という思いでした。勝利できたことが、素直に1番嬉しいです」
 
Q:今日はセレッソで同期の田畑晴菜選手とマッチアップしましたが、やっぱり意識はされましたか?
「そうですね。ずっと一緒にやってきた選手なので『負けたくはない』という思いがあり、バチバチいきました(笑)」
 
Q:チーム全体の戦いを振り返ると?
「前半、先制点を狙っていこうという話をしていたなかで、先制点を取ることができました。内容も悪くなかったのですが、相手の1発のところで失点してしまいました。それでも後半の立ち上がりすぐに勝ち越すことができ、ハーフタイムでの修正を反映したうえで、90分を通して勝ちきれたことは成果だと思います」
 
Q:勝利のダンスもキレキレでしたね。
「いつも踊るのは藤原のどか選手か、ゴールを決めた選手なのですが、藤原選手が足をつっていて、かつ誰も出ていかなかったので、なぜか分からないまま自分になり、やりきろうと(笑)。特にルールはなくて自由な感じなのですが、『リズムが合ってなかったよ』って師匠の藤原選手に言われてしまいました(笑)」
 
 
■脇阪麗奈選手
 
Q:ホームでの初勝利ですね。
「今日もたくさんのお客さんに来ていただいたなか、勝てたことがシンプルに嬉しいです」
 
Q:試合を振り返ってください。
「前半の序盤は良かったんですが、相手が慣れてきて、ちょっと自分たちのペースじゃなくなった時に失点して、やっぱりそこが自分たちの課題だと思っています。ゲームの終わらせ方だったり、詰めていかないといけない部分はありますが、後半のいい時間帯に点を取れたのは良かったと思います」
 
Q:相手のキーマン・中島依美選手を抑えることは、どう意識していましたか?
「チームとして中島選手をどう抑えるかは、ゲーム全体のポイントになるとトリさん(鳥居塚監督)も言っていましたが、前半はちょっと抑えきれませんでした。つかまえきれず、得点も決められてしまい…。それでも、ハーフタイムにしっかり話をして『もう1歩出て、抑えよう』と。2点目の場面は、相手のスローインのところで中島選手からボールを奪ってゴールにつなげられましたし、しっかり抑えられたのかなと思います」
 
 
■田中智子選手

Q:先制点は素晴らしいクロスから矢形選手のゴールをアシストしましたね。
「中を見た時にやかち(矢形海優)が走ってくれそうな感じだったんで、あそこかなと思って蹴ったら、ちゃんと入ってくれて決めてくれたので良かったです」
 
Q:2点目はスルーパスからアシストしました。
「(矢形選手が)もう動き出していた瞬間で、後ろ姿が見えたのですが、『ここだ』という感じがあり、パスを出しました」
 
Q:コンビネーションは、試合ごとに良くなっている?
「そうですね。練習で合わなかった時はしっかりと話し合って、『こっちやった?』みたいな感じで伝え合っています。今日はそれがちゃんと合い、得点につながったかなと思います」
 
Q:田中選手にとって、その矢形選手をはじめ脇阪麗奈選手や筒井梨香選手らすでにWEリーグを経験した選手たちは、どういう存在ですか?
「練習でも強度を上げてくれる存在ですし、試合になるとめっちゃ頼もしくて、すごく支えてもらっています」