2023-24 WEリーグ第20節

2024.5.12

AC長野パルセイロ・レディース

鈴木 日奈子 (76')

1

AWAY

FULL TIME

2

0-1

1-1

セレッソ大阪ヤンマーレディース

矢形 海優 (39')

矢形 海優 (77')

長野Uスタジアム

808

ギャラリー

MATCH REVIEW

矢形海優が2得点。攻守に積み重ねてきた成長を示し、今季初の連勝を達成
 
ラスト3試合となった今シーズンのWEリーグ。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、今季初の連勝を目指してアウェイに乗り込み、AC長野パルセイロ・レディースとのWEリーグ第20節に臨んだ。システムは直近2試合と同様、3-5-2を継続。先発は前節の大宮アルディージャVENTUS戦から1人変更。右ウィングバックに中西ふうが入った。
 
立ち上がりは互いに蹴り合いのような形になり、落ち着かない展開に。もっとも、セレッソとしても「立ち上がりは相手の強度の高いプレスに対して相手の背中を取りにいくことを徹底させた」(鳥居塚伸人監督)とリスクを負わない戦いを選択。序盤の耐える時間をしのぐと、15分を過ぎたあたりからセカンドボールも回収し、セレッソがボール保持を高めて試合を進める。すると20分、百濃実結香のクロスから決定機も、頭で合わせた高和芹夏のシュートはクロスバーを直撃。惜しくも先制とはならなかった。「今日は前節から対策されてドリブルで仕掛ける回数が減ってしまい、成功率も低かった」と試合後に振り返った百濃だが、相手に警戒された中でも今節も打開の突破口になった。その後も前半はセレッソが「しっかり相手を見て、選手たちが落ち着いてボールを動かせていた」(鳥居塚監督)展開は変わらない。そうした中で39分、欲しかった先制点を奪うことに成功。高和が前方のスペースへ正確なフィードを送ると、このパスに反応した矢形海優が背後を取って頭で持ち込み、左足でニアを射抜くシュート。トラップからフィニッシュまで素晴らしい流れで今季5点目を挙げた。守備では相手のミドルシュートにヒヤリとした場面もあったが、決定的なシーンは作らせず。前半は1点リードで折り返した。
 
後半は、長野の勢いに守勢に回る立ち上がりも、51分のピンチはGK山下莉奈が好セーブで失点は阻止。攻撃では、矢形と田中智子、百濃らが常に背後を狙う意識は持ち続け、60分には田中のクロスに百濃が飛び込み、相手ディフェンスに倒されPKか、というシーンも作る。68分で早くも4人の選手交代を使うなど前線の圧力を増してきた長野。すると、この押し込まれた時間帯に失点。76分、ゴール前の混戦から泥臭くねじ込まれた。ただし、直後のプレーでセレッソが再び勝ち越しに成功する。百濃のパスを受けた田中がDFを2人かわしてクロスを上げると、ニアで合わせたのは矢形。ダイレクトでネットに流し込み、今季初の1試合2得点をマークした。それでも、「FWとしてシュート数はまだまだ少ない。チャンスは数多くあったので、そこで決めきれるようにあと2試合頑張っていきたい」と、目標の二桁得点も諦めない姿勢を示した。終盤は長野のクロス攻撃に押し込まれる場面もあったが、白垣うの、米田博美、荻久保優里の若き3バックを中心に、GK山下も含めてしっかり跳ね返し、得点は許さず。シーズン終盤、チームの成長を示す今季初の連勝を飾った。今節は、先日逝去されたセレッソ大阪スポーツクラブの山田耕一郎代表理事を悼み、喪章をつけて臨んだ選手たち。セレッソ大阪ヤンマーレディースのWEリーグ入りに多大な尽力をされた山田理事に捧げる1勝にもなった。
 
相手のプレスを見ながらの組み立て、ウィークを突く攻撃、守備でのクロス対応、失点後に崩れないメンタル、終盤の時間の使い方など、今季ここまで失敗も重ねながら成長してきた攻守をしっかりと発揮しての連勝を経て、次節のマイナビ仙台レディース戦は、いよいよ今季のホーム最終戦。「内容も伴って必ず勝利し、サポーターのみなさんと喜べるように頑張ります!」と百濃。未勝利が続く苦しい時期もあったが、右肩上がりで成長を遂げてきたシーズンの締め括りにふさわしい勝利で、ホーム最終戦を飾りたい。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「このチームの立ち上げにご尽力いただいた山田代表理事の思いを乗せて、チームは勝利を目指して頑張ろうという形で入ったゲームでした。前節に続き、今シーズン初の連勝ができたことは良かったです。苦しいゲームでしたが、選手はその思いを汲んで、ピッチで一生懸命、走ってくれました。サポーターの皆様の応援が背中を押してくれて勝利につながったと思っています。細かい部分の課題はありますが、まずは勝利できた選手たちを称えたいと思います。次節、またその課題を修正して、勝利を収めたいと思います」
 
Q:シーズン終盤に来て今季初の連勝を達成しました。そうした結果が出た要因、どのあたりに成長を感じますか?
「今日に関しては、先制して追いつかれたところで、今までならズルズル行ったと思いますが、そこですぐに切り替えて得点を奪えたことが勝因だと思います。その中で、プレッシャーも掛かっていたと思いますが、自信を持って、ミスを恐れずチャレンジしたことが、この結果につながったとも思っています。残り2試合も、選手にはチャレンジを促して、勝利を目指して戦いたいと思います」
 
Q:「相手のプレスを怖がらず、しっかり見ること」も今節のポイントに挙げていましたが、前半の15分過ぎあたりから、しっかりつないで主導権を握ることができたと思うが、相手のプレスに対する内容について
「立ち上がりに関しては、相手の強度の高いプレスに対して相手の背中を取りにいくことを徹底させて、その後、相手が広がった時に、しっかり相手を見てボールを動かそう、という形で入ったので、その意味では選手たちが落ち着いてボールを動かせていた前半だったと思います。リードしてからは引いてしまった部分も見られたので、そこは改善していきたいと思います」
 
Q:今季はクロスやロングボール対応から失点するケースも多く、第3節の長野戦でも、終了間際にクロスから失点しました。今節も特に終盤、相手も背の高い選手が多く、パワープレー気味に長いボールを入れてきたが、選手同士でのクロス対応について
「クロスからの失点が多いということで、今節もトレーニングして入りました。その中で(クロスからの)失点がなかったことは良かったですが、ポジショニングやマークに関しては、相手がそこを突いて来なかったから失点がなかった部分もあると思うので、そういった部分は一つ一つ改善していきたい。クロス対応はまだまだウィークなので、そこは改善して次節以降にも臨みたいです」

選手コメント

■矢形海優 選手
Q:初の2得点おめでとうございます!得点シーンを振り返ってください
「1試合で2得点をとるのは今シーズン初だったので嬉し気持ちはありましたが、FWとしてシュート数はまだまだ少ないですしチャンスは数多くあったので、そこで決めきれるようにあと2試合頑張っていきたいと思います」

Q:そしてチームは初の連勝となりました。率直な感想はいかがですか?
「率直に嬉しいです。連勝できるまで本当に長かったですが、この苦しい時期に連勝出来て良かったですし、あと残り2試合残っているのでそこでも連勝して少しでも上の順位に行けるように頑張りたいと思います」


■百濃実結香選手
Q:今日も左サイドからの突破が光っていましたが
「今日は前節から対策されてしまいドリブルで仕掛ける回数が減ってしまい、成功率も低かったですが、今後も対策された中でも自分の武器をどんどん出していって、積極的にドリブルを仕掛けてチャンスメイクできるようにしたいと思います」

Q:前半高和選手のヘディングが惜しくもバーに当たってしまったシーンがありましたが、そこでも素晴らしいクロスを上げられていました
「あの時は仕掛けるか迷ったのですが、相手が矢形選手に引きつられており奥が空いていたのでファーぎみに上げてみました。高和選手がフリーだったので決めてくれていたら嬉しかったです(笑)」

Q:次節はホーム最終戦となります。意気込みをお願いします。
「まずは自分のドリブルで見ている人を楽しませることと、自分自身はゴールを決めて、ホーム最終戦は内容も伴って必ず勝利し、サポーターのみなさんと喜べるように頑張ります!


■米田博美選手
Q:矢形選手とのホットラインで幾度となくチャンスを演出しているが
「試合中、顔を上げると走ってくれるので、背後にいいボールを供給するところを意識して、常に顔上げて目を合わせるようにしてます」

Q:相手のロングボールへの守備対応について
「3バックになると脇の背後をとられる事が多くなるので、早く準備する事と、うの(白垣選手)がしっかりカバーしてくれるので、チャレンジできます」

Q:次節はホーム最終戦、仙台戦です。意気込みをお願いします
「ホーム最終戦なので、ホームで勝ってシーズン最終戦も勝って、いい締めくくりができるように頑張ります」


■田中智子選手
Q:失点直後、2点目のアシストシーンを振り返って
「みゆか(百濃選手)からパスもらい、前が空いていたので運びました。中を見ると、やかち(矢形選手)が来てくれると思いボールを出すと、入って来てくれました」

Q:矢形選手とのコンビネーションについては
「高校から一緒にサッカーしてきてるので、やりやすいです。試合中上手くいかない時も声掛けがあるので頼もしい存在です」

Q:次節への意気込みをお願いします
「ホーム最終戦なので、絶対勝利を届けられるように頑張ります」